週刊3Dプリンタニュース

クラウドファンディングで資金調達する
国産3Dプリンタ「BONSAI mini」登場!

~DMM 3DプリントがAPI公開、連携アプリ/サービスが簡単に~

 今回の週刊3Dプリンタニュースは、国産パーソナル3Dプリンタ「BONSAI mini」登場の話題と3Dプリントサービス「DMM 3Dプリント」のAPI公開のニュース、3Dプリンタでモノづくりをやってみたいという人にお勧めの書籍を紹介したい。

コンパクト&低価格な国産パーソナル3Dプリンタ「BONSAI mini」故障機代替付きのサービスも

ボンサイラボがSラボと共同で開発したパーソナル3Dプリンタ「BONSAI Mini」。その名の通りコンパクトである
ボディカラーが5色用意されていることも特徴。こちらはオフホワイト
BONSAI Miniでの出力例。積層跡も比較的目立たない

 ボンサイラボ株式会社は12月2日、小型パーソナル3Dプリンタ「BS01」(通称BONSAI Mini)を、Sラボ有限会社と共同開発したことを発表した。

 BONSAI Miniは、クラウドファンディングによって資金を調達して量産を行うことになっており、12月6日からきびだんご株式会社が運営する「kibidango」で販売受付が開始されている。

 BONSAI MiniはFDM方式のパーソナル3Dプリンタだが、国産製品らしく、日本の住環境に配慮したコンパクトなボディが特徴だ。本体サイズは、250×250×270mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6kgである。フレームにはMDF合板を採用しており、ボディカラーが5色(ウォームグレー、オフホワイト、フレッシュ・ベリー、アクアブルー、アップルグリーン)用意されているので、好みのカラーを選べる。最大造形サイズは、150×130×100mm(幅×奥行き×高さ)と、ボディサイズの割には大きい。身のまわりで使う小物の造形には十分であろう。

 BONSAI Miniは、ヒートベッドなしのPLAモデルとヒートベッド付きのABS/PLAモデルがあり、それぞれ故障時の代替機貸し出しサービス付きモデルも用意されている。フィラメントの直径は1.75mmで、ABS、PLAともに各12色が販売されるほか、柔軟性に富んだ軟性ナイロンのフィラメントも開発中とのことだ。ノズル径は0.4mmが標準だが、0.2~0.5mmの全4種類のノズルも用意される。積層ピッチは0.1mm推奨で、2014年3月発売予定のオプションにより、デュアルヘッドにも対応する。また、ノズルが詰まったときに、ノズルを清掃するためのノズルパージキットが標準付属する。

 BONSAI Miniは現在、クラウドファンディングによって資金調達を行っている最中だ。締め切りは12月26日24時だが、12月8日には早くも目標金額の200万円を達成。プロジェクトが正式にスタートした。

 最も低価格なモデルが、PLAモデルキット(限定早割りモデル)は、79,800円だが、こちらは早々に限定20台が完売した。続いて、通常価格のPLAモデルキットが89,800円(台数制限なし)、ABS/PLAモデルキットが94,800円、PLAモデルの完成品が99,800円、ABS/PLAモデルの完成品が109,800円、PLAモデルの完成品に1年間の代替機貸し出しサービスが付いたものが129,800円、ABS/PLAモデルの完成品に1年間の代替機貸し出しサービスが付いたものが139,800円となっている。

「DMM 3Dプリント」のAPI公開連携アプリ/サービスの作成が簡単に

DMM 3Dプリント DevelopersAPIは、アプリケーションやウェブサービスとDMM 3Dプリントの仲介を果たす

 3Dプリントサービス「DMM 3Dプリント」を運営する株式会社DMM.comは、12月3日、DMM 3DプリントのAPI「DMM 3Dプリント DevelopersAPI」を公開した。

 DMM 3Dプリント DevelopersAPIは、外部アプリケーションからDMM 3Dプリントに登録されている3Dデータを取得したり、逆に外部アプリケーションからDMM 3Dプリントに3Dデータを登録するために利用できるAPIである。公開されているAPIは、クリエイターAPIとビジネスAPIに大別され、前者は決済機能が不要なアプリケーションやDMMクリエイターズマーケットで決済するアプリケーションの開発に利用できる。クリエイターAPIは、DMM会員登録とDMM 3Dプリント利用登録、アプリ登録を行うだけ誰でも利用可能だ。ビジネスAPIは、決済機能をアプリケーション側で実装する場合に利用できるもので、こちらはDMM.comへの問い合わせが必要になる。

 提供されるAPIは、素材情報の一覧を取得したり、モデルの詳細な情報を取得するもの、モデルの体積から価格を算出するものなど、多岐にわたっており、DMM 3Dプリントと連携するアプリケーションやウェブサービスを作りたいという人には朗報であろう。

[書籍紹介]CADを無料で始めたい人に「自宅ではじめるモノづくり超入門 ~3DプリンタとAutodesk 123D Designによる新しい自宅製造業のはじめ方~」

 今回は、3Dプリンタ関連書籍として、ソフトバンククリエイティブから発刊された書籍「自宅ではじめるモノづくり超入門 ~3DプリンタとAutodesk 123D Designによる新しい自宅製造業のはじめ方~」(2,940円)を紹介する。本書は、288ページにも及ぶ大型本であり、3Dプリンタによる新しいモノづくりの潮流から具体的な3Dモデリング方法まで、丁寧に解説されている。

 著者の水野操氏は、古くから3D CAD業界に携わり、3D CADや3Dプリンタ関連書籍や記事などを多数執筆されている方で、前回紹介した一般社団法人「3Dデータを活用する会」の理事も務めている。本書は、全部で8つのチャプターから構成されており、チャプター1とチャプター2が3Dプリンタの基本と3Dモデリングの基本、チャプター3から6がAutodeskの3D CADソフト「123D Design」の基本操作から3Dモデリングの実習、チャプター7と8が作成した3Dデータからリアルな物体を製造する豊富や製品を販売する際の注意点といった内容になっている。

 123D Designは、無料で使える3D CADソフトであるが、無料だからといって初心者にわかりやすいというわけではない。123D Designの入門書としても、本書は優れている。3D CADは、一つのソフトに習熟すれば、他のソフトも比較的容易に使いこなせるようになるので、3D CADを始めてみたいという人にも、本書はよい教科書となるだろう。

(石井 英男)