週刊3Dプリンタニュース

「靴」の人気ブランドが家庭用3Dプリンタで靴を製造・販売

気軽に使えるiPad用3Dフィギュア作成無料ツールが登場

 今回の週刊3Dプリンタニュースは、人気靴ブランド「UNITED NUDE」がパーソナル3Dプリンタを使って製造した靴を販売するという話題、気軽に使えるiPad用3Dフィギュア作成ツール「Modio」が登場したという話題、3Dプリントによる建築模型造形の無料体験イベントが開催されるという話題を紹介する。

人気靴ブランド「United Nude」が「Cube 3」で製造した靴を販売

3Dプリンタを使って作られた「Float」を履いているところ
Floatは、平面を組み合わせた斬新なデザインを採用している

 大手3Dプリンタメーカーの3D Systemsが、イギリスの人気靴ブランド「United Nude」と組んで、United Nudeのソーホーにある旗艦店で、3D Systemsのパーソナル3Dプリンタ「Cube 3」を使って製造した靴を販売することを発表した。Cube 3は店舗内に置かれ、靴が出力される様子がウィンドウ越しに見られるようになるとのことだ。

 3Dプリンタを使って作られる靴の名称は「Float」で、いくつかのパーツの組み合わせでできている。色のバリエーションは豊富で、靴としての実用性もしっかりと配慮されている。今回の試みは、業務用の大型3Dプリンタではなく、パーソナル3Dプリンタでも、商品として販売できるクオリティの造形が可能なことを実証する試みともいえる。今後も、こうしたコラボレーションは広がりそうだ。

3Dプリンタを使って作るので、カラーバリエーションは豊富だ
Floatを組み立てている様子。3Dプリンタで作ったパーツと手で切ったパーツを組みあわせて作られている
業務用の大型3Dプリンタではなく、999ドルで販売されているパーソナル3Dプリンタ「Cube 3」を使うことも特徴だ

指先でパーツを組み合わせて気軽に3Dフィギュアを作成できるiPad用アプリ「Modio」

Modioのトップ画面。ベースとなる形状を5種類から選択できる
Modioのモデリング画面。パーツを選んで、はめ込んでいく
完成した3Dフィギュアは、パーツごとにSTLデータとして展開される

 Modioが開発した「Modio」は、3Dフィギュアを気軽に作成できるiPad用アプリだ。

 Modioは、ロボットや人型、昆虫型などのフィギュアのモデリングに特化したアプリであり、あらかじめ用意されている頭や手などのパーツを胴体にはめこみ、パーツの形を変えたり、色を変えることでモデリングを行なう。

 パーツは100種類以上も用意されており、その組み合わせはほぼ無限だ。完成した3DフィギュアのSTLデータは、Web経由かMakerBot Cloudを利用してダウンロードが可能だ。

 STLデータは各パーツごとに展開されるので、3Dプリンタでパーツを出力後、組み合わせることで、動かせる3Dフィギュアができあがる。アプリケーションのダウンロードは無料なので、iPadをお持ちの方は是非試してみてはいかがだろうか。

設計図面で建築模型を作る建築業界向けの無料セミナーが開催

 株式会社オフィス24は、8月29日、株式会社ライフサイズと共同で、「設計図面や2D CADから作れる3Dプリント建築模型の造形についての無料体験イベント『誰でも分かる・建築業界向け3Dプリントセミナー第2弾』」を開催する。

 このイベントは、今年6月27日に開催された同内容のイベントが好評であったため、再度開催されることになったもので、ライフサイズの代表取締役である杉山貴伸氏が講師となり、3D造形用の建築データ生成についてのセミナーが行なわれる。

 参加者には、3Dプリンタで造形された「オフィス24スタジオオリジナル・ミニミニ建築模型」の材質違い3種類セットがプレゼントされる。さらに、体験セミナーコーナーでは、その3種類の3D造形素材の破壊体験もできるという、無料とは思えない充実した内容だ。

 イベントは8月29日の午後5時開始で、約2時間を予定している。場所は東京・新宿のオフィス24スタジオで、持ち物は不要だ。参加にはWebサイトからの事前申し込みが必要で、先着10名までとなる。

 建築業界では、これまで3D建築パースをクライアントに見せて提案を行なうことが一般的であったが、最近は、3Dプリンタで作成した住宅模型や建築模型を使ってプレゼンテーションを行なうところも増えてきた。本イベントは、建築・建設業界向けに特化したセミナーであり、3Dプリンタによる住宅模型や建築模型の製作に興味がある建築・建設業界関連の人は、是非参加してみてはいかがだろうか。

(石井 英男)