ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち

ディスクドライブが普及する過渡期に登場した「NEC PC-8801mkII」

FDDを内蔵できるよう、筐体の形がPC-8801から変わりシャープになっています。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、NECが1983年に発売し「PC-8801mkII」です。

広告は1984年1月に発売された雑誌から順次掲載になっていったようです。PC-8801と比べると、思ったよりシンプルな感じに仕上がっています。

 PC-8801が発売されてから2年後、少しずつ普及してきたフロッピーディスクドライブ(FDD)を内蔵できるパソコンとして登場したのが、今回取り上げたPC-8801mkIIです。

 とはいえ、まだまだカセットテープで供給されるソフトが多かったことを踏まえ、本体バリエーションを3種類用意。カセットテープをメインとして使うユーザーのためにFDD非搭載のmodel10、価格が少し抑えられたFDD1基搭載のmodel20、2ドライブ専用ソフトも動作可能なFDD2基搭載のmodel30がありました。後からFDDを増設することもできましたが、その際に非純正ドライブを積んでしまうと一部ソフトが動かないということも。

撮影に使用したモデルは、FDDが純正品ではないために、イジェクトレバーの位置が異なっています。
背面I/Oは左から、プリンタポート、汎用I/Oポート、PC-80S32増設ポート、RS-232Cポート、CMTポート、白黒モニタポート、デジタルカラーモニタポートとなっています。拡張スロットが3つと、サービスコンセントが2つ付いているのも分かります。

 キーボードは、PC-8801に付属していたものから変更され、ステップスカルプチャー式を採用しています。本体正面と右側面の合計2カ所にキーボード用コネクタが設けられており、両方にキーボードを繋ぐと、どちらからでも操作出来るというユニークな面も持っていました。また、新たに縦置きができるようになったことも当時としては目新しく、省スペース化に貢献したといえるでしょう。

キーボードは、PC-8801のそれと比べて明るい色になっています。カールコードも若干扱いやすくなり、取り回しが楽になりました。
縦にすると、このような感じになります。思った以上に場所を取らなくなるので、狭い机の上に置きたいときは便利です。

 ただし、他のライバル機種と比べると相変わらずグラフィックの描画が遅く、音源もPC-8801のブザーからは進化したもののPSG音源を持つ機種からは聞き劣り(?)するなど、不満な部分もありました。

筐体を開くと、FDDが鎮座しているのが見えます。メインボードはFDDの下に配置されており、右側面にはファンがあるのがわかります。