ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち

ナショナルがMSX以前に発売していたパソコン「JR-200」

本体はきわめてコンパクトです。JR-100より一回り大きい、といった感じでしょう。JR-100のクリーム色に対して、JR-200はシルバーの渋い仕上がりになっています。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、ナショナルが1982年に発売した「JR-200」です。

 1981年にJR-100が発売されてから約1年、1982年末に79,800円で登場したのがJR-200です。

当時の広告では「さあ、来い。ホームコンピュータ時代。」のキャッチと共に、見開きで掲載されていました。このほかに、JH-600とセットの広告もありました。

 JR-200はカラー機能を搭載したほか、カタカナ表示、3重和音出力ができるようになり、JR-100から大幅にパワーアップしていました。ただし、同じJRシリーズではありますが、100と200に互換性はありません。

電源は、右側面に用意されています。
左側面には、ジョイスティックポートが2つ用意されています。ここには、ATARI仕様のジョイスティックが挿せます。
背面に並んでいるI/Oポートは左から、ボリュームつまみ、外部スピーカ接続端子、データレコーダ接続端子、プリンタポート、FDDを接続する100ピンの外部バスポート、RF出力ポート、RGB/コンポジット出力ポートとなっています。
底面にはディップスイッチが用意され、ここでボーレートやカラーの変更などが行えます。

 キーボードの1つ1つにはBASICの各種命令が割り当てられていて、CTRL+Aなら“AUTO”が一発で入力できるというようにタイピングが不慣れな人には優しい仕様も盛り込んであります。各種キーが、RETURNキーやSHIFTキー、カーソルキーなどの制御系は青、BREAKとCTRLは白、その他はグレーと色分けされているのも特徴です。

 肝心のキーボードはゴム製で“ヘコヘコ”という感じのタッチで、当時は“消しゴムキーボード”と揶揄されていました。あまりにもヘビーに使いすぎると、割れてしまうことも……。

キーボードには、CTRLキーと同時に押すことで入力できる命令文が記されています。タッチタイピングが出来ない時は、重宝しました。

 カセットテープへのセーブは600-1200ボーで行う機種が多かった中、2400ボーという高速で実行することができたのは、他機種と比べて大きなアドバンテージだったと言えるでしょう。また、FDD接続ポートが用意されていたりRFユニットを標準装備していたなど、キラリと光る部分もありました。

 市販ソフトはそれほど数が多くなかったですが、福岡県に居を構えていたソフトハウス・サイプレスが「サイパックソフト」というブランドで、JR-200向けに10本前後リリースしています。

JR-200シリーズに積極的にソフトをリリースしていたソフトハウス・サイプレスの広告は、このような感じでした。
即席で書いたBASICプログラムを走らせてみました。画面下には、JR-200っぽいキャラクターも表示しています。

 なお、ナショナルは翌年の1983年末にはMSXパソコン「CF-2000」を発売し、その後はMSXハードの中心を担う存在となっていきます。

中を開けると、RFコンバータと電源ユニットが目立つのが分かります。