ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち
3インチFDDを採用した、当時のパソコンの中でも珍しい「シャープ X1D」
2017年9月20日 07:05
想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、シャープが1983年に発売した「X1D」です。
1982年に初代X1が登場してから約1年後、1983年10月にシャープが市場へと投入したのが、本体とキーボードが一体化されたX1Cと、3インチFDDを搭載したX1Dです。このとき、初代には“マニアタイプ”、X1Cは“アクティブタイプ”、X1Dには“プロフェッショナルタイプ”との愛称が付けられましたが、今回取り上げるのはプロフェッショナルタイプのX1Dです。
筆者が当時、日立マクセルの広告ページでしか見たことがなかった3インチFDが使用できるFDDを1基搭載して登場したX1Dは「高速・大量データ処理を実現。3インチコンパクトフロッピーディスクドライブ搭載。グラフィックRAM内蔵。14型中精細度カラーディスプレイテレビ採用」と謳い、標準価格198,000円で市場に送り込まれました。この価格は、同発のX1Cよりは約10万円ほど値が張るものの、G-RAM込みのX1とは約3万円程度しか代わらない数字でした。
この時代、FDDはまだまだ高嶺の花でした。日立も3インチFDDを用意していましたが、その価格は1ドライブモデルが79,800円で、2ドライブモデルが128,000円。また、シャープ純正品の3インチFDは1枚1,300円と、なかなかの値段です。そこから逆算すると、X1Dの本体価格は思ったよりも安かったのかもしれません。
ちなみに、1983年10月に発売されたマイコンBASICマガジンの特集が「フロッピーなんて怖くない!!」であり、FDやFDDがまだまだ高級品だったことが分かります。記事内には5インチFDの価格も記載されており、それによると1枚1,200円でした。
当時はFDで供給されるソフトは少なく、また発売されたとしてもカセットテープ版より割高だったため、本体にはカセットで供給されたソフトも読み込めるようCMT端子が搭載されていました。ただ、汎用あるいはX1シリーズ専用のデータレコーダを接続したとしてもX1やX1Cのような細かな電磁制御が利かなかったことなどから、一部市販ソフトには「※ただしX1Dは除く」と記載されていました。