ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

3.5インチディスクドライブを搭載し、華麗にデビューした「PC-6601」

かっちりとしたデザインとシックなカラーを採用していたので、ちょっと大人びた印象を受けた人もいたのではないでしょうか

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、NECが1983年に発売した機種、PC-6601です。

PC-6601の広告には、PC-6001mkIIから引き続き武田鉄矢氏が起用されました。購入後すぐにワープロソフトが使える、ということが前面に打ち出されています。

 1983年、NECはPC-8801にFDDを搭載したPC-8801mkIIを登場させましたが、同じタイミングで市場へと投入したのが、PC-6001mkIIにFDDを内蔵したといえる機種・PC-6601です。

 PC-8801mkIIでは5インチFDDを採用しましたが、こちらは3.5インチFDDを選択していました。価格は、FDD1基を搭載した標準モデルが148,000円と、PC-6001mkIIの84,800円から約6万円アップとなっていましたが、それでもPC-8801mkIIのmodel20が225,000円なのですから、そこから考えるとお手頃な値段だったのかもしれません。FDDは2基内蔵できるようになっており、背面には搭載しているドライブ数を示すための切り替えスイッチも0、1、2と用意されています。

PC-6001mkIIのキーボード部分にFDDを追加するとこうなる、というデザインに仕上がっています
本体背面は左から、ドライブ数選択スイッチ、ビデオ出力ポート、カラー/モノクロ切り替えスイッチ、1/2チャンネル切り替えスイッチ、RF出力ポート、リセットボタン、プリンタポート、スーパーインポーズポート、RGB出力端子、カセット端子、オーディオ出力端子、音量つまみとなっていて、カセット端子の上に電源スイッチが配置されています

 スペックとしては、音声合成面を除けば先に発売されていたPC-6001mkIIとほぼ変わらずですが、付属FDソフトが充実していたことが特徴として挙げられるでしょう。なかでも、同梱されていた小松左京氏監修によるアドベンチャーゲーム「コロニーオデッセイ」冒険編が面白く、当時これをプレイしたいがために友人宅に入り浸っていたことを思い出します。他にも、「スペースハリアー」などのビッグタイトルも発売され、ソフトにも恵まれたハードだったかと思います。

左側面には、ジョイスティック端子が2つ用意されています。
右側面には、PC-6001から続く拡張カートリッジスロットがあります。

 ただ、この時期はまだまだFDの価格は高く、当時の広告によると5インチブランクディスク1枚が1,000円前後とあります。3.5インチFDは、これよりも若干ながら高価だったと思われるため、ユーザーの方はセーブ用のディスク調達に金銭面で苦労していたのではないでしょうか? 当時の友人も、ブランクディスクが高くてなかなか買えず、1枚のFDでやりくりしていたのが懐かしい思い出です。