パワレポ連動企画

PCケースの進化が自作をより自由にする

【PCパーツサマーセレクション500(13)】

DOS/V POWER REPORT 2016年8月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年8月号」の総力特集「今買いたいモノ、目一杯集めました!PCパーツサマーセレクション500」を掲載する。

 第12回目ではPCケースのトレンドを解説する。市場には様々なデザインの製品が流通しているが、迷ったときは拡張性を重視することをオススメする。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年8月号は全国書店、ネット通販にて6月29日(水)に発売。特別企画は、ついに身近にやってきた仮想現実「何が楽しいの? 何が必要なの? 新世代VRが自宅にやってきた!!」、小型コンピュータを有効活用「マイクラウドストレージを極小ボードで作る! Raspberry PiでownCloud」、ネットで借りてポストに返す便利なサービス「夏休み前に改めて使い勝手を検証 オンラインDVDレンタルサービス」の三本を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は豪華二本立て。無料なのは7月29日まで!「Windows 10無償アップグレード駆け込みブック」と、最新ワードに対応した「最新パソコン 略語辞典2016」だ。


-PCパーツサマーセレクション500-
PCケース編 ~内部構造の自由化も進む~ &セレクション その1


ケースの進化が自作をより自由にする PCケース編

 買いやすい価格帯のATX対応PCケースでは、昨年に引き続きバランス型に注目が集まっている。

 Mini-ITX対応PCケースでは大型パーツを組み込める拡張性の高い製品が人気だ。

バランス型人気の流れは変わらない内部構造の自由化も進む

 PCケースのトレンドは、昨年から引き続きバランス型である。基本は静音性重視だが、ファンを追加することで冷却性能を強化できるというコンセプトだ。CPUやビデオカードと異なり、PCケースは組み替えや拡張を繰り返しながら長く使っていく。そのため、1台でさまざまな構成に対応できることは大きな魅力になる。最近ではこうした「自由度の高さ」をさらに追求し、各種ベイを着脱可能にして、内部の構造をある程度自由に変更できる製品も増えてきている。

 Mini-ITX対応製品では、拡張性の高い大きめの製品が売れている。対応マザーボードやCPUの高機能化により、メインで利用できるPCを作りたいという欲求の表われだろう。

小型ケースは大型パーツ対応を強化

大型のビデオカードに対応
大型のビデオカードやCPUクーラーを搭載できるMini-ITX対応PCケースが増えている。写真はNCASEの「M1 Version 5」

 Mini-ITX対応PCケースでは、大きめのビデオカードやCPUクーラーを組み込めるものが売れ筋。

 NCASEの「M1 Version 5」や、RAIJINTEKの「Metis」に注目が集まる。

あらゆる構成、パーツを飲み込む最新ケース

Thermaltake Technology
Suppressor F31-Window

 Fractal Designの「Define」シリーズに端を発するバランス型の隆盛は、今期もとどまるところを知らない。今回取り上げた中では、Antec の「Performance One P9」、Corsairの「Carbide Quiet 400Q Compact Mid-Tower Case」、Thermaltakeの「Suppressor F31-Window」など、1万円台半ばの買いやすい価格帯に強力なモデルがひしめく。

 また、Cooler Masterの「MasterCase 5」に代表される「内部構造を自由に変更できる」ことをウリにする製品も増えてきた。

前面扉や防音材で静音性を高める
バランス型の特徴の一つは、前面扉や防音材付きの側板など、内部から音漏れを防ぐ装備が充実していることだ
大型ラジエータなども組み込み可能
その一方で大型ファンや水冷ラジエータなど、冷却性能を高めるパーツを組み込める拡張性の高さも、バランス型の特性と言える
Cooler Master Technology
MasterCase 5
5インチベイすら着脱内部構造自体を自由化
5インチベイや各種シャドーベイを取り外して、別の場所に移動できるなど、組み込むパーツに合わせて内部構造を変更可能に

今買いたいモノ、目一杯集めました!
PCケースセレクション

AeroCool Advanced Technologies
PGS A Aero-800

実売価格:8,000円前後
熱源を分離する構造 本体カラーは4色を用意

冷却重視 / ATX / 裏面配線

 電源を設置する下部スペースにカバーを設けて、熱源を分散する構造を採用。

 ATX対応PCケースとしてはめずらしく、本体カラーを4色用意する。

Specification
●カラー:ブラック、グレイ、ブルー、ホワイト●付属電源:なし●ベイ:5インチベイ×2、3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×3●標準搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:最大390mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:最大155mm●本体サイズ(W×D×H):200×475.8×501mm●重量:6.15kg


AeroCool Advanced Technologies
DREAM BOX

実売価格:17,000円前後
フレームを組み合わせて自分だけのケースを作る

冷却重視 / - / -

 多数のアルミパイプやジョイントで構成されるPCケースキットだ。

 各部品を組み合わせて、自由なスタイルのPCケースを作れる。

Specification
●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:-●標準搭載ファン:-●搭載可能ビデオカードの長さ:組み方により異なる●搭載可能CPUクーラーの高さ:組み方により異なる●サイズ:組み方により異なる●重量:約6.8kg(パッケージ重量)


Antec
Performance One P70

実売価格:7,000円前後
2層構造の防音パネルが静かなPCを作り出す

静音性重視 / ATX / 裏面配線

 スチールとポリカーボネイトを貼り合わせた側板や天板カバーにより、内部からの音漏れを防ぐ静音志向の構造。

 天板は着脱可能だ。

Specification
●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5インチ×1、3.5インチシャドー×4、2.5インチシャドー×1●標準搭載ファン:12cm角×1(背面)、12cm角×2(天板)●搭載可能ビデオカードの長さ:最大380mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:最大150mm●本体サイズ(W×D×H):205×458×476mm●重量:約4.7kg


Antec
Performance One P9

実売価格:14,000円前後
天板に36cmクラスのラジエータを搭載可能

静音性重視 / ATX / 裏面配線

 バランス型の新顔だ。

 三分割され個別に着脱可能な天板カバーをすべて外すと、36cmクラスの水冷用ラジエータを組み込める。

Specification
●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、5インチ/3.5インチシャドー×1、3.5/2.5インチシャドー×8、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm角×2(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:最大430mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:最大165mm●本体サイズ(W×D×H):210×470×465mm●重量:約9.1kg


Cooler Master Technology
CM690 III White(CMS-693-WWN1-V2)

実売価格:18,000円前後
冷却重視のロングセラー アクリルパネル搭載

冷却重視 / ATX / 裏面配線

 ロングセラー「CM690 III」のカラーバリエーション。

 ホワイトとブラックのツートンカラーを採用する側板にアクリルパネルを組み込んでいる。

Specification
●カラー:ホワイト●付属電源:なし●ベイ:5インチ×3、3.5/2.5インチシャドー×3、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:最大423mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:最大171mm●本体サイズ(W×D×H):230×502×507mm●重量:約8.7kg


Cooler Master Technology
MasterCase 5

実売価格:13,000円前後
カスタマイズの自由度が非常に高い

冷却重視 / ATX / 裏面配線

 5インチベイや3.5/2.5インチシャドーベイが着脱可能なPCケース。

 組み込みたいパーツに合わせ、内部構造を自由に変更できることが最大の特徴だ。シャドーベイユニットや天板を保護するカバーなどの専用オプションを追加すれば、PCケースの機能を「拡張」できる。

Specification
●カラー:メタリックダークグレイ●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、14cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:最大412mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:最大190mm●本体サイズ(W×D×H):235×548×512mm●重量:約10.6kg


Corsair Components
Carbide 100R Silent Edition Mid-Tower Case(CC-9011077-WW)

実売価格:7,000円前後
防音材で音漏れを防止 コンパクトで設置しやすい

静音性重視 / ATX / 裏面配線

 側板やフロントパネルなどに防音材を貼り、内部からの音漏れを防ぐ。

 奥行きが47.1cm、高さも43cmと比較的コンパクトだ。

Specification
●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5/2.5インチシャドー×4●標準搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●搭載可能ビデオカードの長さ:最大414mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:最大150mm●本体サイズ(W×D×H):200×471×430mm●重量:約4.8kg


【問い合わせ先】

AeroCool Advanced Technologies:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/http://www.aerocool.com.tw/
Antec:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/http://www.antec.com/
Cooler Master Technology:03-5215-5650(アスク)/http://www.coolermaster.co.jp/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/http://www.corsair.com/


[Text by 竹内亮介]


DOS/V POWER REPORT 2016年8月号は6月29日(水)発売】

★第1特集「今買いたいモノ、目一杯集めました! 『PCパーツサマーセレクション500』」
★特別企画「何が楽しいの? 何が必要なの? 『新世代VRが自宅にやってきた!!』」「マイクラウドストレージを極小ボードで作る! 『Raspberry PiでownCloud』」「夏休み前に改めて使い勝手を検証 『オンラインDVDレンタルサービス』」
★連載「最新自作計画 ~アンダー5万で作る格安マシン 2016年夏版~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録1「Windows 10無償アップグレード駆け込みブック」、特別付録2「最新パソコン略語辞典 2016」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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