パワレポ連動企画
PCケース冷却・静音事情
【冷却まわりの新鉄則、教えます(4)】
（2014/8/4 12:05）
このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌9月号の特集記事「冷却周まわりの新たな鉄則、教えます～冷却・静音、これが答えだ!～」をほぼまるごと掲載する。
第四回目の今回は、昨今のPCケースの冷却・静音事情を解説する。
なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 9月号は絶賛発売中。9月号では今回の特集のほか、USBバスパワーで動作する冷却グッズや薄型CPUクーラーの紹介、6TBクラスの大容量HDD特集、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、100個の自作PC問題を載せた「PC自作力 2014年度夏期試験」が小冊子として付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。
- DOS/V POWER REPORT 2014年9月号 Special Edition -
冷却力・静音性の上限を決める各種ギミックに注目せよ
カスタマイズの幅が広いケースが増加
冷却重要度：★★★、静音重要度：★★★
PCケースは、PCの冷却性能や静音性を考える上で非常に重要なパーツである。大型で冷えるCPUクーラーを組み込もうにも、幅が狭いPCケースには物理的に組み込めない。また、密閉型でファンが少なく、エアフローが弱ければ、CPU温度は期待するほどには下がらない。
組み込みたいパーツの構成や、構成パーツの特性をしっかりと把握した上で、最適なPCケースを選択することが大原則となる……のだが、最近は、基本的な特性は静音性重視、しかしファンマウンタのカバーを外せば冷却重視に変更できる「バランス型」が増えた。こうしたPCケースなら、さまざまな構成に対応できるので、「迷ったらバランス型」も一つの考え方である。
発熱の大きいパーツを組み込むことが決まっているなら、メッシュ構造を採用して風通しがよく、大型ファンを搭載できるPCケースがよい。ことに最近は、20cm以上の超大型ファンを搭載できる製品が増えている。ファンの風量は、基本的に口径に比例する。そして風量が多ければ多いほど、PCケース内部のエアフロー効果は高くなり、冷却性能が高まる。組み込んだパーツをしっかりと冷却したいなら、もっとも重視すべき点だ。
シャドーベイの構造やラジエータの対応状況にも注目
PCケース内部のギミックも進化している。たとえばシャドーベイは、最近では取り外し可能なようにユニット化されている製品が多い。そのまま使うなら、ストレージを多数搭載できる。取り外せば、そのスペースを使って長い高性能なビデオカードが取り付けられる。また、シャドーベイユニットを外すことで、前面ファンの風がビデオカードに直接当たるようになり、冷却性能を高められる。搭載するストレージが少ないなら、初めから外してしまうのも一つの手だ。
外したシャドーベイユニットを、底面近くに移動できるPCケースもある。ドライブの搭載容量と、前述したビデオカード用のスペース確保や冷却性能の向上を両立できる仕組である。高さや奥行きが55cmを超えるような大型のサーバーケースがサポートするギミックだが、必要ならば検討したい。
大型の簡易水冷クーラーを使いたいなら、ラジエータの対応状況を確認しよう。昔と違い、対応するラジエータのサイズをスペック欄にきちんと記載するPCケースは多い。天板に装着するタイプであれば、マザーボードベース上部と天板部分の隙間を確認しよう。この隙間が狭いPCケースだと、ラジエータやファンがマザーボードに干渉したり、取り付けやメンテナンスがしにくかったりする。
「冷えるMini-ITXケース」が増加中
カスタマイズの幅が広いケースが増加
冷却重要度：★★★、静音重要度：★☆☆
Mini-ITX対応PCケースでは、メッシュ構造で風通しがよく、14cmクラスの大型ケースファンを2、3基搭載できる製品が登場している。ファンが多ければ多いほどエアフローの効率が高くなるのはATX対応PCケースと同じだ。またこうした製品は内部が広く、レイアウトに余裕があるので、高さのあるサイドフロータイプのCPUクーラーが装着しやすい。簡易水冷クーラーの大型ラジエータを装着できる製品もあるので、冷却拡張性にも期待できる。
こうした小型ながら冷却性能の高いPCケースは、ゲームPC向けの高性能なシステムを組み込みたいユーザーや、今まで使ってきたパーツを流用して組み換えたい、というユーザーに向いている。
[Text by 竹内亮介]
【DOS/V POWER REPORT 9月号は7月29日(火)発売】
★巻頭特集「冷却周まわりの新たな鉄則、教えます～冷却・静音、これが答えだ!～」はもちろん、USBバスパワーで動作する冷却グッズや薄型CPUクーラーの紹介、6TBクラスの大容量HDD特集、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事を掲載
★ 紙版を買うと電子版（PDF）を無料ダウンロード可能
★ 紙版は小冊子「PC自作力 2014年度夏期試験」付き
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