パワレポ連動企画

【PCパーツ100選 2016(15)】HDD部門 その1

〜この部門の注目点とレコメンド発表〜

DOS/V POWER REPORT 2016年2月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年2月号」の総力特集「主要9ジャンル+α 執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!? PCパーツ100選 2016」を掲載する。

 第15回目はHDD部門の解説とリコメンド受賞製品を紹介する。HDDは速度ではSSDにかなわないものの、気軽に大きなファイルを保存できる点はSSDにないメリットだ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年2月号は全国書店、ネット通販にて2015年12月26日(土)に発売。様々な分野のオススメパーツを決定する総力特集をはじめ、ラジエータを置くスペースが必要だけど、かわりにCPUソケット周辺はすっきりする簡易水冷の新製品を紹介!「ニューカマー3製品を徹底比較 本当に使える水冷クーラーはこれだ!」、ゲームで差が付くかもしれない高機能モデルが豊富!「話題作が豊富な今こそ揃えたい 鉄板ゲーミングデバイス 26」、すぐ隣だから30cmあれば十分なあなたや、上の階とつなげるので30mは欲しいというあなたに捧げる「あなたのマイナーニーズを狙い撃ち☆「短い」ケーブル&「長い」ケーブル集めました」など、特別企画も満載。人気の連載記事、橋敏也氏による「橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の付録は豪華二本立て! あの素晴らしいパーツをもう一度「時代を作った名品が月替わりピンナップで!名パーツカレンダー 2016」と、これから自作を始める方には是非読んでいただきたい「パーツの役割や組み立て手順が分かる!保存版PC自作スタートブック2016」だ。


-PCパーツ100選 2016-
執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!?


コスパ抜群のSMR採用8TBの製品が登場
HDD部門

 円安も手伝ってか、HDD市場はこの1年劇的な価格変動は起きていない。

 一方で、順調に大容量化は進み、今年に入って、コンシューマ向け初となる「8TB」の記録容量を実現した製品が登場し人気を集めている。

8TBモデルが登場 価格の動きは小さい

 大きな価格変動がなかったHDD市場の今年最大のトピックは、コンシューマ向け初となる8TBのSeagate「ArchiveHDD v2 ST8000AS0002」が登場したこと。この製品は、SMR(Shingled Magnetic Recording)技術を採用した製品で、現時点の最大容量となる1.33TBプラッタを採用している。コストパフォーマンスが非常に高く、ヒット商品となった。

 意外だったのは、SMR採用HDDをコンシューマ向けに販売したのがSeagateのみだったことだ。Western Digitalや東芝でもSMR採用HDDの開発を行なっているが、コンシューマ向けの製品は登場しなかった。SMRは垂直磁気記録の次の大容量化技術として注目を集めているが、垂直磁気記録も限界と言われながら1.33TBまでプラッタの記録密度を向上。2016年は、垂直磁気記録の1.33TBプラッタを採用した製品が各社から登場し、SMRは来年も普及しないという可能性すら出てきている。

topic 1 SMRで大容量化を実現 1.66TBプラッタまでは視野に

HGSTは「Ultrastar He10」を発表。垂直磁気記録の最大容量である1.33TBプラッタを7枚内蔵することで10TBの記録容量を実現したエンタープライズ向けのヘリウム充填HDD。価格は原稿執筆時点では未定だ

 HDDは、内蔵するプラッタの枚数増加やプラッタの記録密度向上によって大容量化を進めている。コンシューマ向けHDDでは、最大6枚のプラッタを内蔵する製品が登場しており、現状では、1.33TBプラッタを6枚内蔵する8TBの製品が最大容量だ。

 また、SMRを使う場合、現在1.66TBプラッタまでは製品化が見えてきている。このプラッタが登場すれば、計算上は10TBのHDDを設計可能だ。

topic 2 用途別に製品展開 用途に合ったHDDの選択が重要

 現在のHDDは、用途別の製品展開が一般的になった。以前は「エンタープライズ向け」と「デスクトップ向け」といった程度のごく単純な分類だったため、製品のマージンも大きく、さまざまな用途で汎用的に利用することが前提とされていた。

 しかし、用途別に展開される現在の製品は、それぞれの用途向けにファームウェアの最適化が行なわれていたり、信頼性を得るための部品が追加されていたりするだけでなく、検証工程が異なっているなど、汎用性よりも用途や目的に特化した性能、品質を伸ばす方向に進化している。

 HDDを購入するときは、若干高めでも用途や目的がはっきしているのであれば、それに合った製品を購入するのがよいだろう。

メーカー名 製品名 用途
HGST Deskstar 7K4000 デスクトップ
HGST Ultrastar He8/He6 エンタープライズ
Seagate Technology Archive HDD v2 アーカイブ向け
Seagate Technology NAS HDD NAS向け
Seagate Technology Video 3.5 HDD AV向け
Western Digital WD AV-GP AV向け
Western Digital WD Red NAS向け
東芝 MD04ACA デスクトップ
3〜8TB HDDのGB単価

topic 3 回転数の差が性能の差に 性能重視なら7,200rpmの製品

 HDDの基本性能は、プラッタの記録密度(記録容量)と回転速度によって決まる。このため、プラッタの記録容量が大きく、回転数が速いほど性能が高くなる。

 実際に下のグラフを見ても分かるように、最大速度が200MB/sを超えている製品のほとんどが7,200rpmの製品で占められている。5,000rpm台の製品は、ほぼすべて160〜180MB/sの範囲で団子状態だ。

 一方で回転数が高いと、性能は上がるが、消費電力は高くなり、騒音や発熱も大きくなる。用途によっては、若干性能が落ちても5,000rpm台のHDDを選択したほうがよい場合もある。

主なHDDの速度比較。SeagateのST8000AS0002は専用キャッシュを搭載することにより、SMR特有のランダム書き込みの遅さを遮蔽している

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-4460(3.2GHz)
マザーボード:ASRock Z97 Extreme6(Intel Z97)
メモリ:Micron Crucial Ballistix Tactical LP BLT2K8G3D1608ET3LX0(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)
システムSSD:CFD販売 S6TNHG6Q CSSD-S6T256NHG6Q(SerialATA 3.0、MLC、256GB)
OS:Windows 8.1 Enterprise Update 64bit版

HDD部門の投票結果

 HDDの投票結果は、本誌執筆陣、Webの両方で明確な用途別志向が見て取れる。

 と言うのも、Web投票の1位はWD Red、2位はWD Blue(旧WD Greenを含む)、3位はUltrastar He8/He6、4位がDeskstar NASで、明らかに「データ保存用」ドライブが支持されている。つまり、OS起動用にSSDを利用しており、HDDはデータ保存用と明確に割り切っている。また、HDDをデータ保存用と割り切っているので、性能よりも信頼性を重視した製品を選ぶ傾向が強い。実際に読者の上位4製品のうち2位のWD Blueのみがデスクトップ向けで、それ以外の1位、3位、4位のすべてが、NAS向けまたはエンタープライズ向けの信頼性の高さを前面に押し出した製品だ。

 執筆陣とWeb投票でやや人気に差があったのがSeagateのArchive HDD v2だ。SMRのHDDはランダムアクセスが頻発する用途では性能が振るわないが、執筆陣はコンシューマ用途ではその部分の影響が少ないと見ており、信頼性と価格を評価している。

・鈴木雅暢はこう見た!
 製品が提示している用途や目的はダテではなく、用途に合った製品を選ぶべき。高い信頼性を求めるならば対価は必要。

・滝 伸次はこう見た!
 NASやAV向けなど信頼性、耐久性重視の低消費電力モデルの選択肢が増えたことが喜ばしい。

HDD部門 レコメンド受賞製品

Western Digital
WD Red

NAS向けの定番ドライブ

NAS向け / 5,400rpm
※WD60EFRXを使用

 NAS向けの高信頼ドライブという位置付けながら、PCのデータ保存ドライブとしても高い人気を誇っている定番製品。1TB〜6TBまでをラインナップし、1TB〜5TBは1TBプラッタを採用。最大容量の6TBモデルでは、1.2TBプラッタを採用している。

 5,400rpmの製品であるため、最大性能こそ7,200rpmの製品に譲るが、その分消費電力が小さく、低発熱、低騒音というメリットを有する。振動対策なども施されており、8台までの同時利用にも対応。価格は若干高めだが、信頼性を重視するならオススメだ。

型番 容量 キャッシュ 実売価格 GB単価
WD60EFRX 6TB 64MB 30,000円前後 5.00円
WD50EFRX 5TB 64MB 28,000円前後 5.60円
WD40EFRX 4TB 64MB 18,000円前後 4.50円
WD30EFRX 3TB 64MB 14,000円前後 4.67円
WD20EFRX 2TB 64MB 11,000円前後 5.50円
WD10EFRX 1TB 64MB 8,500円前後 8.50円

【編集長から】

 高い信頼性、低消費電力、静かな動作音という要素は、システムドライブにSSDを使う現在の自作PCとの相性が抜群です。しかもRAIDでさらに信頼性を高める際にも有利。

 データストレージにこだわる方はまず選択肢に入れるべき製品と言えます。


Seagate Technology
Archive HDD v2

データの“保存”に特化

アーカイブ向け / 5,900rpm
※ST8000AS0002を使用

 SMR(Shingled Magnetic Recording)技術を採用することでコンシューマ向け最大容量の「8TB」モデルをラインナップする製品。SMRを採用したコンシューマ向けの製品は、現在のところ本製品のみだ。

 本製品は、容量あたりの単価が非常に安い点が特徴で、8TBモデルのGB単価は大容量モデルでありながらHDD市場全体で最安クラスを誇る。SMRは隣接トラックに記録データの一部を上書きするためOS起動用ドライブには適さず、データ保存専用ドライブとしての利用に特化している。動画、写真、音楽などをどんどん保存しよう。

型番 容量 キャッシュ 実売価格 GB単価
ST8000AS0002 8TB 128MB 28,000円前後 3.50円
ST6000AS0002 6TB 128MB 26,000円前後 4.33円
ST5000AS0011 5TB 128MB 25,000円前後 5.00円

【選定のポイント】

●8TBの大容量を達成している数少ないHDD
●GB単価が安い


【問い合わせ先】

Western Digital:0120-994-120 /http://www.wdc.com/jp/
Seagate Technology:0120-993-280 / http://www.seagate.com/jp/ja/


[Text by 北川達也]


DOS/V POWER REPORT 2016年2月号は2015年12月26日(土)発売】

★総力特集「主要9ジャンル+α 執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!? PCパーツ100選 2016」
★特別企画「ニューカマー3製品を徹底比較 本当に使える水冷クーラーはこれだ!」「話題作が豊富な今こそ揃えたい 鉄板ゲーミングデバイス 26」「あなたのマイナーニーズを狙い撃ち☆ 「短い」ケーブル&「長い」ケーブル集めました」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「時代を作った名品が月替わりピンナップで!名パーツカレンダー 2016」「パーツの役割や組み立て手順が分かる! 保存版PC 自作スタートブック 2016」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2015-12-22-0000.php

【電子販売ショップ】

(AKIBA PC Hotline!編集部)