パワレポ連動企画
組み立て時のトラブルと対策
[小型PC徹底紹介(16)]
(2014/5/16 12:05)
自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新6月号の特集記事、「小型PCの正解はどっち? Mini-ITX vs microATX」をまるごと掲載する当企画の16回目は、小型PCを組み立てる際のトラブルと対策を紹介。
Mini-ITXなどの小型ケースでPCを組むときに遭遇しやすいトラブルと、解決方法をまとめる。
なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 6月号は現在発売中。40ページにもわたる今特集に加え、「Windows XPからの正しい引っ越し手順」の特集などが組まれているほか、Windows 8.1対応ストアアプリ対応辞典が特別付録小冊子として用意されている。
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組み立て時にありがちなトラブルと対策
Mini-ITXなどの小型ケースでPCを組むときに遭遇しやすいトラブルと、解決方法をまとめてみた。ケースの構造と、ケーブル整理の重要性を理解すれば、小型PC自作のトラブルは解決しやすい。
途中で組み込み作業が進められなくなった!
小型PCの組み立ては、途中で作業がどうやっても進められなくなることがある。Mini-ITXなどの小型ケースはコンパクトだが内部が狭く、パーツの取り付け順を間違えるとケーブルを挿すためのコネクタなどに手が届かなくなってしまう。こういったトラブルは、パーツの取り付け順が厳密ではないタワー型ATXケースではあまり発生しないものであり、小型PCの自作が難しいとされるゆえんの一つでもある。
そんなときは、各パーツをケースから全部取り外し、さらにケース自体も極力分解してから作業をやり直そう。中途半端に手順を戻して狭い場所にむりやり手を突っ込むと、細いピンが折れたり、手をケガしたりすることもあるからだ。
また、ケースを完全にバラすことにより、内部構造もよく見えてくる。キューブタイプケースでは、マザーボードと電源ユニット、光学ドライブなどが縦に積み重なるような構造が多い。この場合、上のパーツを先に組み込むと、下のパーツは見えなくなってしまい、冒頭に述べたような「先に進めなくなるトラブル」が発生してしまう。そのため、下に配置されることが多いマザーボードへの結線は、電源ユニットや光学ドライブを取り付ける前に行なうなど、構造に合わせた手順でパーツの組み込み作業を行なう必要がある。
ケーブルが届かない、コネクタが足りない!
Mini-ITXなどの小型PCでは、各種スロットやコネクタが密集しており、大型CPUクーラーなど、使うパーツによってはコネクタに手が届かなくなってしまうことがる。これを解決するには、延長ケーブルを使おう。
とくにCPUソケット付近に配置されているATX/EPS12Vコネクタは、隠れやすいコネクタの一つなので、延長ケーブルを用意しておくと組み立てが楽になる。
また、小型のマザーボードは、ファン用電源コネクタの数が少ない。そのため複数のケースファンを装備するケースを使う場合、ファン用電源コネクタが足りなくなることがあるので、分岐ケーブルや変換ケーブルを用意して問題を解決しよう。とくに3基以上のファンを接続するなら、ペリフェラル4ピンかSerial ATA電源コネクタをファン用に変換するタイプを使うのが望ましい。
ケーブルが長過ぎたり、多過ぎたりするのもトラブルの要因だ。Serial ATAケーブルは、あらかじめ短めのタイプを用意しておくと便利だ。また、電源ユニットは必要なケーブルを選択できるプラグインタイプがオススメ。さらに各種電源コネクタに対応する延長ケーブルや変換ケーブルを使い、電源ユニットから引き出すケーブルの本数を少なくするのも有効なテクニックだ。
電源をONにしたら何かがこすれているような音が!
組み立て作業は終了したが、CPUファンやケースファンの周囲のケーブル類をしっかり整理しなかったために、ケーブルがケースファンやCPUファンと接触し、ひどい音が発せられたというのも、ありがちなトラブルだ。内部が狭くて裏面配線に対応せず、必要のないケーブルを空きスペースに逃がせない小型ケースではめずらしいことではない。このトラブルには「特効薬」はないので、地道にケーブルを整理していくしかない。
ケーブル整理に使うのは、ケーブルタイと余った部分を切り落とすためのニッパー。ケーブルをまとめるための支えは、ケースのフレームを活用するとよい。フレーム側にケーブルを寄せて整理することで、ケーブルの束を、CPUファンやケースファンから離すことができる。最近ではフレームにケーブルタイを通す穴を設けたケースも多い。
また、小型ケースではケーブル整理をATXケースのように、最後にまとめてやるというのはオススメできない。組み込み途中で適宜行なうようにしよう。と言うのも、ケースによって「ここは必ずまとめておきたい」というポイントがあるのだが、シャドーベイなどの部品を装着すると、そうした重要ポイントが見えなくなったり、手が届かなくなったりしてしまうことがあるからだ。
SFX電源やACアダプタ電源を使えば組み込み難易度が下がる
狭い小型PCケース内では、ATX電源ユニットはかなりの容積を占める。そこで、もっと小型の電源ユニットを使えば、各部に手が届きやすくなり、ケーブル整理や組み込み作業もしやすくなる。とくにオススメなのが、ATX対応電源ユニットの代わりに、ACアダプタ電源を組み込むプランだ。
下の写真を見ても分かるように、電源がPCケース内部に占める容積は劇的に少なくなり、余裕を持って組み込み作業が行なえるようになるわけだ。
Mini-ITXマザーのレイアウトには、大きく分けると、「ATXマザーボード準拠のもの」、「ATXマザーボード準拠だがCPUソケットが右寄りに搭載されているもの」、「チップセット、Serial ATAポートをCPUソケットの右側に搭載するもの」、「メモリスロットが拡張スロットの反対側に平行に搭載されているもの」の4種類がある。
[Text by 竹内亮介]
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