パワレポ連動企画
Intel、AMDの最新CPUラインナップを整理
【勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!(1)】
(2015/6/29 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、今回より「2015年8月号」の第一特集「Broadwellが来た! Godavariも来た!! 勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!」を掲載する。
Intelからは「Broadwell」、AMDからは「Godavari」と久しぶりに両社から新製品が登場したことで、昨今の自作PCの選択肢が広がった。今回から掲載する特集では、両社の新CPUの特徴やラインナップを整理した上で、従来モデルも含めて性能を一斉に検証し、用途ごとのお勧めCPUや構成例を紹介していく。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年8月号は全国書店、ネット通販にて6月29日(月)に発売。新CPUを一挙に紹介する第一特集のほか、冷却も静音もバランスが大事!シチュエーション別に検証をする第二特集「自作ユーザー志向別 冷却・静音チューンナップ指南」、老若男女誰でも使える、安くてすごい小型のPC!「超小型ARMコンピュータ Raspberry Pi最前線」、余ったドライブをUSB 3.1で有効活用!「USB 3.1対応製品登場で新展開! 最新外付けドライブケース 40選」、見逃した番組も好きなときに観られる。そう、インターネットならね。「絶対加入しておきたい動画配信サービス」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
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- Intel、AMDの最新ラインナップを整理 -
Broadwell、Braswell、Godavariとは何か
Intel、AMDの最新ラインナップを整理
モバイル版が先行していた「Broadwell」こと第5世代CoreシリーズのLGA1150版が新登場。しかも内蔵GPUの大幅強化という、これまでにないアプローチで攻めてきた。このBroadwellをはじめ、まずは最新CPUのラインナップを整理しよう。
Intelが14nmプロセスで攻勢、内蔵GPUを大幅強化
Intelが開発コードネーム「Broadwell」(ブロードウェル)こと第5世代のCoreシリーズをついにデスクトップ向けに投入した。この世代はモバイル向けのCore Mから先行して投入されていたが、デスクトップ向けでは初の14nmプロセスルール製造モデルである。ソケット仕様は従来同様、LGA1150を採用しており、既存のLGA1150対応マザーボードでそのまま使うことができる(UEFI、Intel MEの対応が必要)。
Broadwellの利用にはUEFIの更新が必要
Broadwellを正しく利用するには、対応UEFIが必要だ。UEFIだけでなく、チップセットファームウェアであるIntel ME(Management Engine)も対応バージョンである必要がある。UEFIのバージョンが古いと、内蔵GPUからの映像が出力されなかったり、Iris Pro Graphics Pro 6200用のドライバがインストールできないなどの症状が出る。
今回登場したのは、Core i7-5775CとCorei5-5675Cの2モデルだ。いずれも前世代から大きく機能強化したGPUコア「Intel Iris ProGraphics 6200」を統合する。内部構造を改良して効率化を図るとともに、従来の2.4倍にあたる48基もの実行エンジンを搭載。さらに「eDRAM」と呼ばれる128MBの大容量キャッシュメモリをCPUパッケージに実装し、3D描画性能を大幅に強化している。
一方で、CPUコアの動作周波数は控えめで、GPU性能を重視した、これまでのIntelにはないアプローチの製品だ。14nmプロセスルールを採用した効果か、熱設計の目安であるTDPも65Wと低下しており、小型PC、静音PCに使いやすい仕様になっているのも特徴。このことから、第5世代と言っても、第4世代を置き換えるというより、追加モデルとして既存のラインナップを補完する存在としてとらえたほうがよい。
Intelは「Broadwell」こと第5世代Coreシリーズを2モデル追加した。第4世代Coreシリーズを置き換える存在としてではなく、内蔵GPUを大きく強化したこれまでにないモデルで、既存ラインナップを補完する位置付けだ。
1. 史上最強の内蔵GPU
Iris Pro Graphics 6200は、実行エンジン(EU)を従来の2.4倍となる48基に増量するとともに、eDRAMと呼ばれる高速キャッシュを搭載してメモリボトルネックの解消も図っている。
2. 14nmプロセスルールを採用
第2世代の3Dトランジスタ技術を利用した最新の14nmプロセスルールを採用。GPUを大幅に強化しながらも、熱設計の目安となるTDPは65Wと低く設定されている。
3. CPUコアは最速ではない
Core i7-5775C、Core i5-5675Cとも、CPUの動作周波数は定格、ターボ時ともに控えめだ。eDRAM(CPUからは4次キャッシュ相当)を追加したこともあり、3次キャッシュ容量も少しずつ減っている。
Intelからは14nmプロセスルールを採用した組み込み向けのSoC「Braswell」(ブラスウェル)も登場し、新たな省電力プラットフォームとして注目を集めている。
Bay Trailの後継 Braswellも新登場
「Braswell」の開発コードネームで呼ばれる新しい組み込み向けのPentium N3700やCeleron N3150などをオンボード搭載したマザーボードも登場している。
これらはSilvermont系CPUコアを搭載したAtom系のSoCで、「Bay Trail-D/BayTrail-M」の後継的な位置付けだ。14nmプロセスルールで製造されており、TDPも4~6Wと低く、注目の存在だ。
また、以前から内蔵GPU性能を重視しているAMDも、開発コードネーム「Godavari」(ゴダバリ)ことA10-7870Kを投入。従来の「Kaveri」から大きな変更点がないマイナーチェンジ的な存在ではあるが、クロックを向上させて性能の底上げを行ない、内蔵GPU最速の座を死守する構えを見せている。
AMDは、APUの最上位モデルとして、開発コードネーム「Godavari」ことA10-7870Kを追加した。先代「Kaveri」からはマイナーチェンジになるが、Intelの追撃を振り切るべく、CPUクロック、GPUクロックともに強化した。
1. 定格3.9GHzと高クロック
Turbo COREの最大クロックは4.1GHzと100MHzの上昇にとどまったのに対し、定格クロックは200MHzアップの3.9GHzに上昇し、4GHzの一歩手前まで来た。GPUのクロックも引き上げられ、総合的な性能向上が図られている。
2. 付属クーラーを強化
従来のクーラーはアルミ製だったが、今回はCPU接触面に銅を使いつつ、ヒートパイプも組み合わせている。TDPは95Wと変わっていないが、周波数を向上させたことで、冷却を強化する必要性ができたためだろう。
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/http://www.intel.co.jp/
Advanced Micro Devices:0066-33-81265(日本AMD)/http://www.amd.co.jp/
[Text by 鈴木雅暢]
【DOS/V POWER REPORT 2015年8月号は2015年6月29日(月)発売】
★第1特集「勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!」
★第2特集「自作ユーザー志向別 冷却・静音チューンナップ指南」
★特別企画「超小型ARMコンピュータ Raspberry Pi最前線」「最新外付けドライブケース 40選」「絶対加入しておきたい動画配信サービス」
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