パワレポ連動企画

LGA1150マザーボードカタログ1
~Z97 Extreme6/3.1など3製品を紹介~

【勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!(10)】

DOS/V POWER REPORT 2015年8月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年8月号」の第一特集「Broadwellが来た! Godavariも来た!! 勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!」を掲載する。

 第10回目となる今回からは、最新CPUが使えるマザーボードを紹介していく。まずはLGA1150からスタートだ。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年8月号は全国書店、ネット通販にて6月29日(月)に発売。新CPUを一挙に紹介する第一特集のほか、冷却も静音もバランスが大事!シチュエーション別に検証をする第二特集「自作ユーザー志向別 冷却・静音チューンナップ指南」、老若男女誰でも使える、安くてすごい小型のPC!「超小型ARMコンピュータ Raspberry Pi最前線」、余ったドライブをUSB 3.1で有効活用!「USB 3.1対応製品登場で新展開! 最新外付けドライブケース 40選」、見逃した番組も好きなときに観られる。そう、インターネットならね。「絶対加入しておきたい動画配信サービス」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は豪華二本立て。最新の略語まで一冊でカバー、明日からバリバリ使える知識満載の「最新 パソコン略語辞典 2015」と、最新のスラングまでバッチリ収録、ネットでしか通じない知識満載の「30代以上のためのネットスラング辞典」だ。


- LGA1150マザーボードカタログ1 -


LGA1150マザーボードカタログ1

5分で分かる
LGA1150 CPU用チップセットとその機能

最新のBroadwellもLGA1150
Haswell向けに2013年に登場したLGA1150。最新のBroadwellもLGA1150で、既存のマザーボードで使用できるが、UEFIのアップデートが必要だ

 LGA1150 CPU用の主な現行チップセットは、オーバークロックやPCI-Eレーンを分割することによるマルチGPUなどに対応したハイエンドモデルのZ97、コンシューマ向けスタンダードモデルのH97、スモールビジネス向けモデルのB85、ローエンドマシン向けモデルのH81の4モデル。それぞれの主な機能と搭載マザーボードの価格帯は下の表のとおりだ。上位チップセット搭載マザーボードほど、高品質で機能が充実したモデルが増えるが、その分価格も高くなる。

LGA1150プラットフォームのブロック図

 LGA1150プラットフォームでは、グラフィックス機能、メモリコントローラ、ビデオカード用のPCI Express3.0レーンはCPUがサポート。チップセットは、Serial ATA、USBに加え、拡張機能用のPCI Express2.0レーンなどをサポートしている。


ASRockZ97 Extreme6/3.1

大人気マザーボードがUSB 3.1サポートでパワーアップ

 高品質な上、PCI Express 3.0 x4接続(最大32Gbps)のM.2スロットを備えるなど充実した機能を持つことから、本誌をはじめ多方面より評価の高かったZ97 Extreme6。

 本機はそのZ97 Extreme6にType-AポートとType-Cポートを1基ずつ装備するUSB 3.1拡張カードを付属させたモデル。もともと評価の高かった基板設計はそのままに、拡張カードでUSB 3.1を追加しているので、新機能をサポートした製品ながら定番モデルならではの安心感がある点が魅力の1枚だ。

Specification
対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentum、Celeron、Xeon●メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 2.0x2(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×2、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4接続)×1、M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×8、USB 3.0×10、USB 2.0×5● LAN:1000BASE-T×2●そのほか:USB 3.1(Type-A×1、Type-C×1)インターフェースカード●実売価格:26,000円前後
※PCI-E=PCI Express、SATA = Serial ATA、USB のポート数はピンヘッダ含む

PCI-E 3.0 x4接続1基を含む2基のM.2スロットを装備
8基のSerial ATA 3.0ポートに加えSATA Expressもサポート
PCI-E 3.0 x4接続(32Gbps)とPCI-E 2.0 x2接続(10G bps)のM .2スロットをそれぞれ1基ずつ装備する。Z97マザーでPCI-E 3.0x4接続のM .2をサポートする製品は希少なので要注目
ストレージインターフェースが充実していることが本機の特徴。上記のM.2に加え、8基のSerial ATA 3.0対応ポートとSATA Expressも装備する

USB 3.1拡張カードが付属

付属のUSB 3.1拡張カード。Type-AポートとType-Cポートを1基ずつ搭載している

 Type-AポートとType-Cポートを装備したUSB 3.1(10Gbps)拡張カードが付属するのが本機の最大の特徴。インターフェースはPCI-E x4(実際の接続はx2)。ビデオカード用のスロットを除くと、本機の場合は、PCI-E 3.0 x8(x16形状、最大64Gbps)スロットもしくはPCI-E 2.0 x2(x16形状、最大10Gbps)スロットに接続することができる。気になるのはどちらのスロットに接続すればよいかだが、テストではPCI-E 3.0 x8(x16形状)スロットに接続したほうが若干ながら性能が上だった。

Core i5-5675C
USB 3.1をサポートするなど最新機能を網羅しており、Broadwellを用いて長く使えるマシンを作成したい人に適している。
Core i5-4690K
高機能ながら比較的価格が抑えられていることが本機の特徴。コストパフォーマンスの高いCPUとの組み合わせに適している。


ASUSTeK ComputerZ97-A/USB 3.1

隙のない仕様のスタンダードモデル

 最新マザーに求められる機能を一通りサポートしながらも、ASUSTeKの製品としては価格が比較的抑えられていることから人気のあったZ97-A。

 本機はそのUSB 3.1対応モデル。USB 3.1コントローラをオンボード搭載し、バックパネルにUSB 3.1(Type-A)ポートを2基装備している。

Specification
対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM ×4(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI ×1、DVI-D ×1、Dsub15ピン×1●拡張スロット:PCIE3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x2(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×2、PCI ×2●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.1(Type-A)×2、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:24,000円前後
※PCI-E=PCI Express、SATA = Serial ATA、USB のポート数はピンヘッダ含む

BroadwellのcTDPに対応
本来はモバイルプラットフォーム向けに用意されているBroadwellのcTDP機能に対応。UEFIセットアップに設定項目が用意されている

Core i5-4590S
品質、性能、価格のバランスの取れたスタンダードモデルゆえ、Core i5-4590Sのようなコストパフォーマンスの高いミドルレンジCPUを組み合わせるのに適する。


ASUSTeK ComputerZ97-DELUXE/USB 3.1

USB 3.1対応で魅力UPした高機能マザーボード

 ASUSTeKのZ97マザーボードのスタンダードシリーズにおける最上位「Z97-DELUXE」のリニューアルモデル。

 従来製品との違いは、USB 3.0コントローラをUSB 3.1コントローラに置き換えることで、Type-AのUSB3.1ポートを2基バックパネルに装備した点。16フェーズ構成のデジタル電源回路を搭載するなど高品質仕様の上、各種機能が充実している点は従来製品どおり。Broadwellへの対応も万全で、新規に高機能マシンを作成したい人に最適だ。

Specification
対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM ×4(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、Mini DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/ -、x8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E2.0 x1×4●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2またはSATA 3.0接続)×1、SATAExpress×2、SATA 3.0×6、USB 3.1(Type-A)×2、USB 3.0×8、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×2、IEEE802.11a/ac/b/g/n×1● そのほか:Bluetooth v4.0●実売価格:40,000円前後
※PCI-E=PCI Express、SATA = Serial ATA、USB のポート数はピンヘッダ含む

オンボードコントローラでUSB 3.1をサポート
16フェーズ構成のデジタルVRMを搭載
コントローラをオンボード搭載することで、バックパネルにType-AのUSB 3.1ポート2基を装備している。コントローラは現状、定番となっているASMediaの「ASM1142」
VRMはZ97マザーボードとしては豪華なデジタル制御の16フェーズ構成。コンデンサなどの部品にも高性能なものが採用されており、高負荷時の安定性や耐久性に期待が持てる

BroadwellのcTDP機能に対応

UEFIセットアップにConfigurable TDPLEVELという設定項目が用意されており、「TDP NORMAL」、「TDP DOWN」、「TDPUP」の設定を行なうことができる

 本機は、本来はモバイルプラットフォーム向けに用意されているBroadwellのcTDP機能に独自対応しており、UEFIセットアップで、「TDP NORMAL」、「TDP DOWN」、「TDP UP」の設定を行なうことができる。その効果を検証したところ、「TDP NORMAL」と「TDPUP」ではほぼ変化が見られなかったが、「TDPDOWN」にすると高負荷時の消費電力が大幅に削減された。ただし、性能も落ちてしまうので、その点は注意したい。なお、ASUSTeKによると今後リリースされるUEFIではこの機能が削除される可能性もあるということだ。

Core i7-5775C
cTDPを独自サポートするなどBroadwellへの対応は万全。Broadwellの性能を活かしたマシンを作成したい人に適している。
Core i7-4790K
高品質、高機能ゆえ、ハイエンドクラスのCPUと組み合わせれば隙のない高性能マシンを作成できる。


【検証環境】

CPU:Intel Core i7-5775C(3.3GHz)
メモリ:Corsair Vengeance CMZ16GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB ×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Core i7-5775C 内蔵(Intel Iris Pro Graphics 6200)
SSD:Micron Crucial m4 CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)
OS:Windows 8.1 Pro 64bit版
アイドル時:OS起動10分後の値
高負荷時:PCMark 8- Home実行時の最大値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO


【問い合わせ先】

ASRock:03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.asrock.com/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/ http://www.asus.com/jp/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2015年8月号は2015年6月29日(月)発売】

★第1特集「勢力図一変!? 最新CPUはこう使え!」
★第2特集「自作ユーザー志向別 冷却・静音チューンナップ指南」
★特別企画「超小型ARMコンピュータ Raspberry Pi最前線」「最新外付けドライブケース 40選」「絶対加入しておきたい動画配信サービス」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 特別付録小冊子「最新パソコン略語辞典 2015」「30代以上のためのネットスラング辞典」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌末尾に収録)
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2015-06-22-1648.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)