パワレポ連動企画
ASUSマザーのAdvanced Modeを徹底解説
~Ai Tweakerメニュー編~
【完全保存版・UEFI大事典(3)】
(2016/2/2 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年3月号」の第2特集「完全保存版・UEFI大事典」を掲載する。
第3回目では前回に引き続き、ASUS Z170-AマザーボードのUEFI設定項目「Advanced Mode」について解説する。今回説明するのは主にオーバークロック向けの設定を行うAi Tweakerメニューだ。
XMPメモリを使う場合はここで設定することを覚えておこう。なお、オーバークロックについてはパーツの個体差や組み合わせ、使用環境により動作可能な設定範囲がPC毎に異なる。これが原因でパーツを壊してしまうと、メーカー保証が受けられない場合があるので注意が必要だ。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年3月号は全国書店、ネット通販にて1月29日(金)に発売。第1特集「現行100製品以上を網羅、自作やるならやっぱりATXケースでしょ!」や本コーナーで紹介する第2特集、MinecraftやUSB 3.1デバイスを集めた特別企画なども満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「自作PCアクセサリ&周辺機器ギャラリー2016」。思わず手が出る、あんな物、こんな物、集めてみました!
【DOS/V POWER REPORT編集部よりお知らせ】
本特集ではASUS製の人気マザーボード「Z170-A」のUEFIセットアップを解説していますが、3月11日発売予定の書籍「BIOS/UEFI完全攻略読本 Skylake&Windows 10対応版」では、Intel X99チップセット搭載の「X99-A」や、IntelZ97チップセット搭載の「Z97 PRO GAMING」、AMD A88Xチップセット搭載の「A88X-GAMER」を加え、主要プラットフォーム四つのUEFIセットアップの主要な設定項目を詳細に解説しています。こちらも合わせてご予約下さい。
-完全保存版・UEFI大事典-
Advanced Mode徹底解説 Ai Tweakerメニュー編
Advanced Mode徹底解説
Advanced Modeが備える設定項目の一つ一つをすべて理解する必要はない。ここでは、とくに重要な項目と、知っておくと役立つ項目を余さず取り上げている。
どのような設定が用意されているのか、全体像を理解できれば十分だ。
Ai Tweakerメニュー
1 CPUおよびメモリのオーバークロックに関する設定
この項目を「Auto」から「Manual」に変更することでCPUのベースクロック(BCLK)を変更するための設定が出現する。また、XMPに対応したメモリを使用している場合は選択肢に「XMP」が現われ、選択することでXMP設定を適用することができる。
2 オーバークロック時のTurbo Boost倍率に関する設定
ASUSTeK独自の機能で、本設定が「Auto」の場合、ベースクロックやメモリクロックが定格から変更されると、自動的にTurbo Boost時に全コアが1コアアクティブ時の倍率(=Turbo Boost時の最大倍率)で動作するようになる。CPUの定格仕様では、2~4コアアクティブ時(コア数はCPUによる)の倍率は1コアアクティブ時より低く設定されているが、本設定により、常にもっとも高い1コアアクティブ時の倍率が適用されるようになる。
3 各CPUコアの動作倍率およびその同期方法に関する設定
アクティブな(休止状態ではない)コアの数ごとにそれぞれ動作倍率の上限を設定できる「Per Core」モードと、1コアアクティブ時の最大倍率が2~4コアアクティブ時にも適用される「Sync All Cores」モードを切り換えることができる。動作倍率のロックが解除されたCore i7-6700KなどのKモデルを使用しているときのみ1コアアクティブ時の規定倍率を超えた値を設定することができる。
4 CPUコアごとの動作倍率の設定
上記の「CPU Core Ratio」が「Per Core」か「Sync All Cores」に設定されている場合にのみ出現する。
5 ベースクロックとメモリクロックの比率の設定
CPUのベースクロックに対する、メモリクロックの比率を設定する。メモリクロックはベースクロックと連動して上昇するが、オーバークロック時にメモリがボトルネックになることを防ぐための細かな調整が行なえる。
6 メモリクロックに関する設定
この項目が「Enabled」だと、下の「DRAM Frequency」で適用できるメモリクロックが133MHzきざみになる。「Disabled」だと266MHzきざみになり、選択肢が半減してしまうため、Enabledのままがよい。
7 メモリクロックの設定
DDR4-800からDDR4-4266まで設定が用意されているが、実際に動作するクロックの上限はメモリモジュールの仕様に大きく依存する。
8 自動オーバークロック機能
ベースクロック、電圧を自動的に調整し、CPUやメモリをオーバークロックする。
9 省電力機能の設定
「EPU」と呼ばれるASUSTeK独自のオンボードコントローラを用いた省電力モードの有効/無効を切り換える。標準では無効にされている。 推奨設定:Enabled
10 SVIDの設定
CPUとCPU VRM間で電源管理情報をやり取りするSVID(Serial Voltage Identification)に関する設定。オーバークロック時はこの項目を「Disabled」にすることで安定性が増すとされる。
11 メモリのアクセスタイミングに関する詳細設定
本項目を選択してEnterキーを押すことでサブメニューが表示される。詳細は次回にて。
12 CPU VRMに関する設定
本項目を選択してEnterキーを押すことでサブメニューが表示される。詳細は次回にて。
13 CPUの動作クロックに関連した機能の設定
本項目を選択してEnterキーを押すことでサブメニューが表示される。詳細は次回にて。
15 CPUコア/リングバスへの供給電流の設定
CPUコアやCPU内部のリングバスに供給する電流の上限を設定する。この値を高く設定することで、オーバークロック時にスロットリング(発熱を抑制するために動作クロックを強制的に下げる挙動)が発生するのを防止できるとされる。
16 内蔵GPUへの供給電流の設定
内蔵GPUに供給する電流の上限を設定する。この値を高く設定することで、オーバークロック時にスロットリングが発生するのを防止できるとされる。
17 リングバスの動作倍率に関する設定
リングバスの動作倍率の上限と下限をそれぞれ設定できる。設定可能な下限は8倍、上限は83倍(Core i7-6700Kの場合)。
18 内蔵GPUの最大動作倍率の設定
本設定が「Auto」の場合、システム負荷に応じて自動的に内部GPUの動作倍率が変更される。「Manual」の場合は動作倍率を手動で設定できる。上限は60倍(Corei7-6700Kの場合)。
19 CPUの過電圧保護回路に関する設定
CPUが内蔵する過電圧保護回路の有効/無効を設定する。無効に設定することでオーバークロックできる範囲が広がるが、その分故障の危険性も大きく高まることに注意。この機能は、基板上の「CPU-OV」ジャンパを設定することでUEFIセットアップ上で設定を変更できるようになる。
20 CPUコア/リングバスへの供給電圧の設定
CPUコアおよびリングバスに供給する電圧の指定方法およびその値を設定する。値を直接入力する「Manual Mode」、標準の電圧を基準に増減させる電圧を指定する「Offset Mode」、Turbo Boost発動時のみ昇圧させることができる「Adaptive Mode」の三つの設定方法が用意されている。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
21 メモリの駆動電圧の設定
メモリの駆動電圧を1.0000~2.0000Vの範囲で設定できる。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
22 CPU内蔵のインターフェースへの供給電圧の設定
CPUが内蔵する各種インターフェースへの供給電圧を設定できる。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
23 CPU内蔵のシステムエージェント部への供給電圧の設定
CPUが内蔵するシステムエージェント部への供給電圧を設定できる。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
24 内蔵GPUへの供給電圧の設定
内蔵GPUへの供給電圧を設定できる。値を直接入力する「Manual Mode」、標準の電圧を基準に増減させる電圧を指定する「Offset Mode」の二つの設定方法が用意されている。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
25 PCH(チップセット)への供給電圧の設定
チップセットに供給する電圧を0.7000~1.8000Vの範囲、0.0125Vきざみで設定できる。ASUSTeKが故障のリスクが高まると判断した値を設定すると文字が黄色や赤色に変わり、ユーザーに注意を促す。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
26 スタンバイ時のCPUへの供給電圧の設定
スタンバイ状態のCPUに供給する電圧を設定できる。設定値の左側にモニタされた実数が表示されている。
27 メモリ信号の基準電圧の設定
データ信号と制御信号の双方について基準となる電圧を設定できる。
[注意]
オーバークロック動作により、CPUやマザーボード、メモリなどのパーツが破損する、もしくは製品寿命が短くなる恐れがあります。メーカーの保証外の動作であるため、オーバークロックが原因で不具合が起きても保証を受けることはきません。また、メーカー、編集部ともにオーバークロック設定や不具合に関する問い合わせにはお答えできません。ユーザーの自己責任でお試しください。
[Text by 編集部 遠山健太郎]
【DOS/V POWER REPORT 2016年3月号は1月29日(金)発売】
★第1特集「『高性能』と『自由度』に反応するあなたには、今も昔もコレ 自作やるならやっぱりATXケースでしょ!」
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