パワレポ連動企画

PCケースの最新トレンド ~PCケース再入門 その1~

【自作PC再入門(23)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年5月号」の総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」を掲載する。

 第23回目からはPCケースについて解説する。一昔前の製品と比べ、どの程度進化したのか見てみよう。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年5月号は全国書店、ネット通販にて3月29日(火)に発売。総力特集のほか、コストパフォーマンスに優れたCPUクーラー定番のブランドを比較「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」、ここの予算を抑えて別のパーツに回したいのが人情「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」、サービス内容を確認して用途に合ったものを選ぼう「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は2大小冊子。そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!!「即戦力・自作PC作例集」と便利な資料、豆知識、自作カレンダーなどをいつも手元に「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」だ。


-もう一度、PCをイチから作る。-
高機能や構造に注目 ミドルレンジがオススメ~PCケース再入門 その1~


性能、自由度、質感、すべてOK!
機能や構造に注目 ミドルレンジがオススメ

PCケース再入門 1. PCケースにもトレンドがある ミドルレンジモデル以上なら安心

 PCケースでも、数年ごとにトレンドが変化している。古いPCケースだと新しいPCパーツは物理的に組み込めない、あるいはその性能を100%発揮できないということがあるのだ。

 実際に最新のPCケースと、10年前、5年前に市場を席巻したPCケースを比べてみると、そのトレンドの移り変わりがよく分かる。ビデオカードやCPUクーラーの許容サイズ、ベイの構成、静音性への配慮などに不満があるなら、積極的に買い換えを考えたい。価格帯による違いについては、以下のページでまとめたとおりだ。長期間利用するメインPCを作りたいなら、ミドルレンジ以上のグレードを目安に選べば満足できるだろう。

最新パーツ旧パーツとココが違う!

10年前 2006年
5年前 2011年
現在 2016年
Antec
SOLO

静音性重視トレンドの源流を作った超ロングセラー
ZALMAN Tech
Z9 Plus

低価格ながらも充実のファン構成で、確かな冷却性能を示した
Fractal Design
Define R5

どんな構成にも対応できるバランス型の決定版

 2006年に発売されたAntecの「SOLO」は、一時代を築いた静音性重視の名ケースだ。しかしビデオカードやSSDへの対応が厳しいことや、ファンの対応を考えると、最新パーツのメリットを活かし切れない。できれば買い換えたいところだ。

 2010年発売で、2011年の価格比較サイトでランキング首位を総なめにしたZALMANの「Z9 Plus」は、冷却性能に特化した低価格なPCケースだ。ただ最近のPCパーツは省エネと低発熱がトレンドであり、過剰な冷却性能は必要ない。シャドーベイの構造や、フロントポートがUSB 3.0に対応しないことなど弱点も多く、買い換えを推奨したい。

 現在の主流は、組み込めるパーツの選択肢が多く、内部構造を柔軟に変更できるバランス型だ。2010年に発売された「Define R3」から世代を重ね、弱点をていねいに取り除いて完成度を高めてきたFractal Designの「Define R5」は、バランス型の集大成と言える。

SOLOはシャドーベイが取り外しできない構造になっており、高性能な大型ビデオカードを組み込むのは物理的に不可能だ
Z9 Plusの頃までは、メッシュ構造を採用して多数のファンを装備する冷却重視型が主流だった。このタイプは静かなPCを作るのが難しい

価格帯が異なると何が違う?

 PCケースは、CPUやビデオカードのように直接性能に反映するパーツではない。「できるだけ安くすませたい」という気持ちも分かるが、組み込めるパーツの多様さや組み込み作業の容易さ、今後の拡張を考えると、ミドルレンジ以上の製品がオススメだ。

 と言うのも、低価格PCケースは、内部構造の柔軟さや素材などが、どうしてもミドルレンジ以上のPCケースに劣る。組み込みを便利にしてくれるギミックも少ない。数値には表われにくい部分なので軽視しがちだが、長く使い続けたいならむしろ重視すべきだ。

 高価なPCケースはサイズが大きくパーツの収容能力に優れるフルタワータイプか、素材が高価なアルミケースが多い。機能的にはミドルレンジに近い。

構造面ではミドルレンジから上が有利
SHA-VS4-VBKでは5インチベイや3.5インチベイは固定された構造であり、前面に水冷ラジエータを設置することは不可能
5インチベイや3.5/2.5インチシャドーベイが着脱可能なDefine R5では、前面に36cmクラスの超大型水冷ラジエータや、2基の14/12c m角ファンを装備できる
組み立て時の作業性にも優れる
Define R5では、裏面配線用のスペースを広く取っている。ケーブルをまとめて整理するための面ファスナーも用意するなど、裏面配線を美しく行なうための配慮が光る
マザーボード中央のスペーサが盛り上がっており、これをガイドにしてマザーボードを設置すると、ネジ穴に合わせやすい。ミドルレンジクラス以上のPCケースでよく見かける

あなたのPCケースはまだ使える?

【問い合わせ先】

SHARKOON Technologies:03-5298-3880(ディラック)/http://www.sharkoon.com/
Fractal Design:03-5215-5650(アスク)/http://www.fractal-design.jp/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ @link|http://www.corsair.com/@@


[Text by 竹内亮介]


DOS/V POWER REPORT 2016年5月号は3月29日(火)発売】

★総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」
★特別企画「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」
★連載「最新自作計画 ~ガラスとLEDで“内部を見せる”マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!! 即戦力・自作PC作例集」「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-03-22-0940.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)