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一進一退の集団戦、駆け引きの果て… ~試合の流れを徹底解説!Revolレポート~

LJL 2015 SEASON2 ROUND6 Immortals 7th heaven vs DetonatioN FocusMe

本記事は、LJLの詳報レポートを掲載するRevolレポート(SANKO Webサイト掲載)を特約の元、転載/編集したものです。

 この試合においてはImmortals 7th heavenのローテーションの判断ミスが最も大きな影響を与えたと言える。しかしそこからの展開は一進一退であった。展開の核となったのは集団戦だ。今回はその集団戦を分析していきたいと思う。

Ban & Pick~両チームのチャンピオン選択~

Team Composition~両チームのチャンピオン構成~

 Immortals 7th heaven(以下7h)の構成は集団戦に重きを置いた構成だ。

 Hecarim、Lee Sin、Nautilusがそれぞれ強力なEngage能力を持っており、さらにSivirのULTがそれを後押しする形になっている。SivirとViktorは共に範囲攻撃に長けており、SivirがViktorの弱点である逃げ性能を補っている。

 一方、DetonatioN FocusMe(以下FM)の構成もまた集団戦に重きを置いた構成だ。

 Jinxが集団戦において非常に重要なChampionになっている。MidのKarmaはダメージを出すことよりもチームをサポートする能力に長けており、Gnarもダメージを出すというよりも前線でのタンク能力や範囲拘束能力の高さが特徴となる。この構成においては集団戦でダメージを出す役割はJinxになる。FMとしては敵からJinxを守り切れるかどうかがキーポイントになるだろう。

In-Game

7hの焦り、FMのコミュニケーション

 試合の転換点となった#t=34m10sの集団戦から観ていこう。

 この集団戦が起きる前に7hは致命的な判断ミスをおかしてしまい、FMにInhibitor Towerを献上してしまった。そして焦りからか無理やり集団戦を始めてしまう。

7hが集団戦をしかける…

 この集団戦は、SivirがMid レーンから寄り、残りの4人はFMを追いかけるような形で始まった。GnarがBot レーンからテレポートで7hの後衛陣に飛び込んでいる。

 そしてFMはGnarのテレポートに合わせて反転、先頭を走っていたHecarimに照準をあわせる。これによりHecarimはULTを使用するタイミングを逸し、7hはとたんに苦しくなる。GnarのテレポートとKarmaの反転のタイミングに寸分のズレもなく、FMは見事なコミュニケーションで反撃を開始した。

しかし集団戦はFM有利に…

 GnarがMega GnarになりULTを発動、7hとJinxとの間に空間を作り出しJinxが安全に殴れる環境が整った。

 瀕死のHecarimが強引にULTを使用するが、7hの他のChampionはGnarやRek'Sai、Alistarに邪魔されてHecarimの動きにあわせることができない。さらにはMidから寄っていたSivirが画面外にいることからもわかる通り、ADCは集団戦に全く絡めることができていない。最後にAlistarがViktorを捕まえ、FMが集団戦に勝利する。

 この集団戦において7hは多くのミスをおかしてしまった。

 FMを正面から追いかけたこと、Sivirがいなかったこと、Gnarにテレポートで入り込まれてしまったこと。FMのJinxへ圧力をかけることが狙いなのだが、一連のミスによって成功できなかった。

少しのミス、大きな代償

FMがInhibitor Towerを破壊

 次いで28分30秒あたりからの集団戦だ。

 この集団戦の直前に一度ぶつかっており、その際にLee SinとKarmaが倒されている。FMはJinxが生き残っており、なおかつHealthの有利がとれていたためにTowerを殴り続けることを選択した。そしてInhibitor Towerが破壊された直後から始まる。

Jinxがやや前に出ている…
そして一瞬で倒される

 FMはMidのInhibitor Towerを破壊することに成功するが、Jinxが操作ミスか、それともコミュニケーションのミスか、いずれにせよ少しばかり前に出てしまう。このポジショニングのミスがこの集団戦を決定づけたと言っていいだろう。

 HecarimがJinxのミスを見逃さずにすぐさま仕掛けたことによってJinxが一瞬で倒されてしまった。Rek'SaiやAlistarがなんとか助けようと動いたものの、7hのほうが素早く対処しきれなかった。

 FMはJinxが倒されてしまったためにダメージ源がいなくなり、集団戦に負けるだけでなくBaronを明け渡してしまうことになった。この集団戦ではFMがミスをしてしまった形だ。

7hとFMの構成の狙い

Hecarimがテレポート

 続いては33分30秒の集団戦を観てみよう。この集団戦においては互いにKillは発生しなかったが、両チームの狙いがはっきりと表れる集団戦になっている。

 Hecarimがワードにテレポートし、高い移動速度を活かしてFMの後衛へと飛び込もうとしている。FMはしっかりとワードを置いており、そのHecarimの狙いをすぐさま察知した。

HecarimがULTを発動、FMに襲い掛かるが…

 HecarimがULTを発動し、FMに襲いかかっていた。そのタイミングでKarmaがすぐさまMantra+Eを発動し、チームメンバー全員にシールドと移動速度上昇を付与している。

 この2つの動きが両チームの狙いを端的に表していると言えよう。7hはHecarimの強力なEngage能力を活かして敵の後衛、特にJinxを倒そうとしている。一方のFMはKarmaの強力なサポート能力を活かして7hの動きを巧みにかわそうとしている。

この集団戦はFMの狙いがあたる。結局Killは発生せず

 結果はFMの狙いが上回った。

 HecarimのULTはJinxに当たらず、そこに連動しようとしていたLee SinやNautilusはRek'SaiとAlistarに止められてしまう。しかしFMも反撃しきることはできず、結果としてKillは起きずに次の展開へと進んでいった。

集団戦の陣形、Lee Sinの動き

FM有利な状態でのドラゴン戦

 35分25秒から始まったドラゴンが絡んだ集団戦を観てみよう。

 このときFMはすでにドラゴンを4回倒しており、このドラゴンを確保することで、強力な5 Dragon Buffが手に入る。7hとしてはなんとしてでも阻止しなければならず、一方のFMからすると7hには1度もドラゴンを渡していないためにそこまで無理をする必要はない。FMに有利な状況でドラゴン戦が始まった。

 Rek'SaiとJinxがドラゴンを殴り、他のメンバーは7hのEngageに備えている形だ。

 しかし、7hからするとJinxの前に立ちふさがるものはなく、非常に狙いやすい。FMからすると、横から入ろうとしているHecarimに意識を割いてしまったためにこのような陣形になったのだと思われる。

 7hはそのような陣形のミスを見逃すようなチームではない。

陣形の隙をついて攻める7h

 Lee Sinが素晴らしいプレイをみせてくれた。

 QでAlistarに飛びつき、すぐさまWを使ってワードジャンプ、そしてフラッシュでJinxの裏へと回ってULTを使用。Jinxはなすすべなく7hの目の前に弾き飛ばされ、倒されてしまった。そして7hはそのまま集団戦に勝利し、彼らにとって最初のドラゴンを確保した。

 もちろんLee Sinを褒めるのは当然だ。完璧と言っていいだろう。しかし、再度言及することになるが、FMはJinxを守るための陣形になっていなかった。HecarimとLee Sinがそれぞれ違う角度から侵入を試みていたために、混乱してしまったのだろうが、そうであればドラゴンから一度離れることも可能だったのではないか。

FMの修正能力

再度のドラゴン戦

 最後は41分55秒のドラゴン戦だ。このドラゴン戦においてFMはミスをすぐさま修正している。この修正能力の高さは王者となったシーズン1から見せている彼らの特徴の1つと言える。

 FMは先にドラゴン前のポジションを確保し、ドラゴンが復活するとすぐさま狩り始めた。

 JinxとKarmaだけがドラゴンを殴っており、他の3人は7hへの圧力に集中している。7hからするとJinxを狙いたいが、その前に強力な拘束能力を持ったRek'SaiやAlistarがいるために飛び込めない状況だ。

 また、5つ目のDragon Buffのことを考えるとドラゴンのスティールも狙いたい。さきほどとうって変わり、Jinxと7hの間にタンクが入るだけで状況は大きく変化した。さらに、今回はHecarimの位置が7hのメンバーと同じなためにFMは一方向に集中することができたというのも影響しているだろう。

ドラゴンはFMが確保

 7hはJinxを狙うことを諦めドラゴンのスティールに切り替えた。

 しかしRek'Saiが見事ドラゴンを確保し、7hはなにもできなかった。FMはすぐさま反転し、Engageを狙うが7hも思考をすぐさま切り替えて逃げ切ることに成功した。

少しのミスが大きな代償につながる緊迫した試合に

 敵の後衛に襲いかかりたい7h、Jinxから敵を引き剥がしたいFM、互いに狙いがかみ合った構成だったために、少しのミスが大きな代償につながる緊迫した試合になっていた。7hは序盤から有利を作っていただけに手痛い敗戦と言えるだろう。

 一方のFMは相手のミスもあったものの、見事な技術、修正能力で試合に勝利した。この試合で上位3チームの力関係を測定することが困難になった。

 1位のOzone Rampage、そのOzone Rampageに勝ったImmortals 7th heaven、そこに並ぶDetonatioN FocusMe。次のROUNDを1位で抜けるチームはどこになるのだろうか。

[写真提供:SANKO]

(Revol)