マイクラ × 自作パソコン

マインクラフトはPCで遊ぶと凄い!Mod導入やPC選び、マルチプレイなどを解説
~「マイクラ×自作パソコン」イベントレポート~

会場は満員、今週は池袋で追加実施!

「マイクラ×自作パソコン」の案内板
どのセッションも人気で、用意された席が全て埋まり、立ち見の観客もでるほどであった。会場は秋葉原UDXカンファレンスRoom D

 12月10日(土)に、秋葉原UDXカンファレンスRoom Dで、「マインクラフトを自作PCで楽しむ」ことをテーマにしたイベント「Windows 10で楽しもう 『マイクラ ×自作パソコン』 ~パソコンでしか楽しめないMod導入からマルチプレイサーバの立て方まで~」が開催された。

 イベントの主催は旭エレクトロニクス、協力は日本ギガバイトであり、3つのセッションが行なわれたほか、マイクラ体験コーナーなども用意された。会場は大盛況で、用意された座席は全て埋まり、立ち見客がでるほど。マイクラは子供に人気があることから、親子で参加している人も多かった。

 なお、大盛況に終わった本イベントの出張ミニイベントとして、今週末、池袋で「Windows 10で楽しもう マイクラ×自作パソコン in 池袋」が開催予定。こちらのイベントでは、自作PCの組み立て実演や影Modの紹介、マインクラフト向けのPC選びが解説される。場所は、ビックカメラ池袋本店パソコン館4Fで、日時は12月17日(土)の13時から。解説セッションの時間など、詳細はこちらの記事を参照のこと。

マイクラの醍醐味を楽しみたいならPC版Modによる美麗画面や素早いアップデート、マルチプレイ……

こちらは、何もModを導入していない状態(ヴァニラ版と呼ばれることもある)
こちらが影Modを導入した状態。雲や水面などの表現が非常にゴージャスになっている
加藤氏がマイクラ用に作成した自作PC。Core i7-6700KとGeForce GTX 1070を搭載したハイスペックなマシンだ

 最初のセッションのタイトルは「マインクラフトは自作PCで楽しむ」であり、テクニカルライターの加藤勝明氏と高橋敏也氏の2名による講演が行なわれた。

 加藤氏らは、まず、マインクラフトとはどんなゲームかが簡単に紹介。「マインクラフトは、Wii UやPS Vitaなどのコンシューマー機版やタブレット版などもあるが、とことん遊ぶなら最もアップデートが早いWindows版が一番お勧めだ」と説明。さらに、Windows版ならではの要素が「Mod」と呼ばれる改造用データであり、Modを導入することでマイクラの楽しみ方がさらに広がると強調した。Modによってゲームの見た目やルールを変えられるが、中でもお勧めなのが、ゲーム性を変えずに、見た目を超ゴージャスにする「影Mod」とのことだ。影Modを導入することで、リアルな雲や水面の波の表現、より解像度の高いテクスチャや影などが実現され、見た目が大きく変わる。自分だけの世界を構築する場合でも、やはり画面がきれいなほうがテンションも上がって楽しい。

 しかし、影Modは、GPUやCPUにかなり負荷をかかるため、ノーマル状態のマイクラなら快適に動くPCでも、スペックが足りないと、影Modを導入するとフレームレートが落ちてしまい快適に遊べなくなってしまう。そこで、加藤氏お勧め構成として、最新のGeForce GTX 1070などを搭載した自作PCを紹介し、影Modも快適に動作するデモを行なった。

 会場内の「マイクラ影Mod体験コーナー」では、このハイエンド構成を含む3種類のお勧め構成の自作PCのデモが行なわれており、実際にマイクラをプレイして、そのパフォーマンスを確認することができた。セッションの最後には、恒例のじゃんけん大会が開催され、マイクラの攻略本やマイクラ仕様のレゴなどが勝者にプレゼントされた。

【“改造バカ”によるマイクラPCも】
高橋氏が作成したマイクラ用PC。マイクラ仕様のレゴを利用して、ケースを作っている
最初のセッションでは、テクニカルライターの加藤勝明氏(左)と高橋敏也氏(右)が講演を行なった
マインクラフトとは、「サンドボックス」系ゲームの代表であり、素材を集めてアイテムを作り、自由に建造物を構築できる
マインクラフトには、ストーリーはない。サバイルバルモードとクリエイティブモードがあるほか、一度死んだらゲームオーバーになるハードコアモードもある
マインクラフトは、Windows版以外にコンシューマー機版やタブレット版などがあるが、とことん遊び込むなら本家ともいえるWindows版がお勧め。Windows版のアップデートが最も早く、最新の要素を追いかけられるだけでなく、マイクラの楽しみ方を増幅する「Mod」と呼ばれる改造用データを利用できる
Modとは、PCゲームに”あったらいいな”を付け加える改造用データであり、Modを組み合わせることで、ゲームを自分好みに自由に改造できる
Modの中でも最初にお勧めしたいのが、見た目を超ゴージャスにする「影Mod」である
影ModなどのModを導入すると、ビデオカードの負荷が高くなる。加藤氏のイチオシはGeForce GTX 1070である。CPUもクロックの高いCore i7-6700Kを選ぶのが最善とのこと
加藤氏が作成したマイクラ用PCで実際に影Modを入れたマイクラを動かしているところ。60fpsをキープしているとのことで、非常に滑らかに動いていた

PCならマルチプレイもちょっと違うマルチサーバー構築の第一人者が解説

マルチサーバーにもさまざまな種類がある。バニラ/生活サーバーは、マインクラフト本来の要素を楽しむサーバーだ
経済要素を追加するModを加えた経済サーバーでは、通貨の概念があり、アイテムの売買などが可能
サーバーとクライアント両方にModを導入してプレイするModサーバーでは、本来のマインクラフトではできない遊び方が可能になる

 2つめのセッションのタイトルは、「マインクラフト マルチサーバー構築のいろは」であり、2011年11月から公開マルチサーバーの運営を続けている、マルチサーバー構築の第一人者ecolight氏によって講演が行なわれた。

 ecolight氏はまず、マイクラのマルチサーバーにはどんなものがあるのかを説明した。

 マルチサーバーは、マイクラ本来の要素を楽しむ「バニラ/生活サーバー」、経済要素を追加した「経済サーバー」、Modをサーバーとクライアントの両方に追加する「Modサーバー」、対人戦のための「PvP/ミニゲームサーバー」、現実に存在する大きな建物などを再現するための「再現系サーバー」などがあると解説し、実際にecolight氏が運営しているマルチサーバーの現在の様子や名所を見せてくれた。

 また、マルチサーバーを運営するためのハードウェアでは、CPUとメモリ、ストレージの性能が重要であり、CPUは最低4スレッドの同時実行が可能なものが望ましく、メモリも最低8GB、できれば16GBは欲しいと説明していた。

 ストレージは、読み込み速度が特に重要であり、最も速いのはRAMディスクだが、運用が難しいため、M.2接続の高速SSDがお勧めであるとのことだ。また、マインクラフトサーバーの運営を行なうと、色々なサーバー関連の知識を得ることができるので、興味をもった方はマルチサーバーの運営に挑戦して欲しいと語った。こちらのセッションでも、最後にじゃんけん大会が行なわれ、マイクラの攻略本やUSBメモリなどがプレゼントされた。

一番人気が対人戦のためのPvP/ミニゲームサーバーである
現実に存在する大きな建物などを再現するために人が集まって作業をするサーバーが、再現系サーバーである
講演を行なったecolight氏。マイクラの初期からマルチサーバーを構築運営している、マイクラマルチサーバーの第一人者である
ecolight氏のプロフィール。「Minecraft非公式日本ユーザーフォーラム」の管理者であり、2011年11月から公開マルチサーバーの運営を続けている
マインクラフトのマルチサーバーは、参加人数によって小規模サーバー、中規模サーバー、大規模サーバーに分けられる
ecolight氏が運営しているマルチサーバーの様子。十人以上ものプレイヤーがプレイしていた
ecolight氏が運営しているマルチサーバーの名所の一つ。高層ビルが並ぶ見事な眺めだ
こちらもecolight氏が運営しているマルチサーバーの名所の一つ。きのこタケノコ戦争のためのマップだ
マルチサーバーでは、CPUのクロックとコア数が重要になる。マインクラフトサーバー以外にもWebサーバーやデータベースサーバーも同時に動かすことが多いため、最低でも4スレッド同時処理が行なえるCPUが欲しい
リアルタイムでマインクラフトの世界の地図を作るアプリを並行して動かすことができる
メモリは用途に応じても変わるが、8GB~16GB程度欲しい
ストレージは読み取り速度が重要であり、一番高速なのはRAMディスクだが、取り扱うが難しいため、M.2接続のSSDあるいはSATA接続のSSDがお勧め
まとめ。自作PCの知識を身につけると、困ったときに何が問題なのかを切り分けられる。また、マインクラフトサーバーの知識を身につけると、色々なサーバー関連の知識を得ることができる

ゲームプレイ動画配信入門セッションでは、動画配信の実演が行なわれた

ゲーム動画配信は、YouTubeやニコニコ動画などを使って、生放送または編集した動画をアップロードして公開するものだ
ゲームプレイ動画配信で有名なアジョッタ氏が講演を行なった

 最後のセッションのタイトルは、「ゲームプレイ動画配信入門」であり、YouTubeやニコニコ動画でのゲームプレイ動画配信で有名なアジョッタ氏が講演を行なった。

 ゲームプレイ動画配信は、ゲームプレイを生放送で配信するものと、あらかじめ編集した実況動画をアップロードするものに大別できるが、アジョッタ氏はどちらも行なっており、特にマインクラフトやスプラトゥーンの動画配信の人気が高いとのことだ。実況動画の作成には、3年ほど前のノートPCを使っているとのことで、ビデオカメラも業務用のものを利用しているという。

 同氏の実況動画の作成は、ゆっくりMoviemakerを利用して台詞を入力後、Aviutlで編集し、動画を書き出すという手順で行なっており、実際にその場で実演が行なわれた。こちらのセッションでも、最後にじゃんけん大会が行なわれ、盛り上がっていた。

アジョッタ氏が実況動画の作成に使っているノートパソコンのスペック。3年ほど前の製品だという
二つあるビデオカメラのうち、上の大きいカメラがアジョッタ氏が実況動画の作成に使っているビデオカメラで、下が今回のイベントの動画配信用カメラである
アジョッタ氏の実況動画作成手順。「ゆっくりMoviemaker」を利用して台詞を入力後、Aviutlで編集して動画を書きだしている
実際に実況動画を作成する手順のデモを行なっていた
最後に、じゃんけん大会が行なわれ、マイクラの攻略本などが勝者にプレゼントされた

子供達がひっきりなしにプレイしていたマイクラ体験コーナー

さまざまなスペックのマシンが並び、影Modを導入したマインクラフトをプレイできる「マイクラ影Mod体験コーナー」は、子供たちに大人気であった

 会場の壁側には、影Modを導入したマインクラフトをプレイできる「マイクラ影Mod体験コーナー」が用意されており、子供達が大喜びで遊んでいた。このコーナーでは、最初のセッションで、加藤氏がマイクラにお勧めの自作PCとして紹介したハイエンド構成のほかに、GIGABYTEのコンパクトベアボーンを利用したコンパクト構成、コストパフォーマンス重視構成の3種類の自作PCがデモされており、それぞれのパフォーマンスの違いを体験できるようになっていたほか、4年前の自作PCと現在の自作PCの比較も行なわれており、影Modなどを入れて遊ぶなら、やはり最新マシンが欲しいということがよくわかる展示となっていた。

お勧め構成その1のハイエンド構成。Core i7-6700Kと16GBメモリ、GeForce GTX 1070を搭載し、影Modも高品質でなめらかに動く
ハイエンド構成の実機
ハイエンド構成による影Mod入りマインクラフトのデモ
お勧め構成その2のコンパクト構成。GIGABYTEのベアボーン「GB-BNi7HG4-950」をベースにしており、Core i7-6700HQと16GBメモリ、GeForce GTX 950を搭載
GB-BNi7HG4-950はコンパクトな煙突形PCであり、デザインもスタイリッシュだ
この構成でも、影Mod入りマインクラフトは十分快適に動く
お勧め構成その3のコストパフォーマンス重視構成。CPUはCore i5-6400、メモリは8GB、ビデオカードはGeForce GTX 1050である
コストパフォーマンス重視構成の実機
ソフマップで、3つのお勧め構成のパーツセットが限定価格で販売された
約4年前のPCの構成。Core i7-2600とGeForce GTX 650Tiを搭載
4年前のPCでは、影Modを入れると重くて快適にプレイできないので、素の状態で遊ぶことになるが、最新世代のPCなら、下の画面のように影Modを入れて快適にプレイできる
左のタワーマシンが、4年前のスペックのPCであり、こちらでもマインクラフトが動作していた

Modをカスタマイズする体験コーナーも人気

こちらは、「マイクラModプログラミング体験コーナー」。マイクラのModをエディタでカスタマイズする体験ができる

 また、マインクラフトのModを自分でカスタマイズして、マイクラの世界のルールを変更できる「マイクラModプログラミング体験コーナー」も用意されていた。このコーナーでは、「TNTの威力を上げる」「ジャンプ力を上げる」「動物を倒すとダイアモンドを出す」といった3種類のメニューが用意されており、例えば、TNTの威力を上げるカスタマイズでは、通常の数倍から数百倍もの威力にできるので、TNTを1つ爆発させるだけで回りのものが根こそぎダメージを受けるようにようになる。エディタを用いて直接Modをカスタマイズすることで、TNTの威力などを自由に変更できる。こちらのコーナーも子供たちに人気で、ジャンプ力を1000倍に上げて喜んでいる子供もいた。

エディタを用いて、Modのソースファイルを編集して保存後、マイクラにそのModを適用させることで、マイクラの世界をカスタマイズできる
体験できるプログラミングは、「TNTの威力を上げる」「ジャンプ力を上げる」「動物を倒すとダイアモンドを出す」の3種類である