借りてみたらこうだった!

ポケットサイズのゲーム向けキャプチャユニット「HD PVR Rocket」を試す

実況入り動画の作成が手軽に、HDMI/コンポーネント入力付き

「HD PVR Rocket」

 今回お借りしたのは、Hauppaugeのキャプチャーユニット「HD PVR Rocket」。1920×1080ドットのフルHD動画がキャプチャ可能なコンパクトサイズのキャプチャーユニットです。実売価格は税込みで2万円前後。

H.264 AVCHDハードウェアエンコーダー搭載で単体でのキャプチャーが可能

 Hauppauge HD PVR Rocketは、HDMIまたはコンポーネント端子からの映像入力を、H.264 AVCHD対応のハードウェアエンコーダーにより、1920×1080@30pで保存できるキャプチャーユニットです。Windows PCに接続して、専用の録画アプリケーション「Hauppauge Capture」を用いてPCへ録画を行うほか、本体に備えたUSBポートにUSBメモリなどのストレージデバイスを接続することで、HD PVR Rocket単体での録画も可能です。

Hauppauge HD PVR Rocket本体。天板の赤いボタンが録画の開始/停止ボタン。右側のパネルは、タッチ操作式のマイク入力制御パネル。
筐体前面。マイク入力端子とUSBポートを備える。USBポートは、単体録画時に利用するUSBストレージ接続用。
筐体背面。給電/PC接続用のUSBポート、AVコンポーネント入力端子、HDMI入力端子、HDMI出力端子を搭載。
付属ケーブル
HDMIケーブル。
コンポーネント入力用のケーブルセット。
PS3接続用ケーブル。
電源供給用のUSBケーブル。PC接続時は黒い端子、単体録画時は赤い端子をPCやゲーム機に接続して給電/通信を行う。

 HD PVR Rocketの本体は、幅 120.6mm × 奥行き 88.9mm ×高さ 38.1mm、重量130gという、持ち運びを意識したコンパクトなサイズ。映像入力端子は本体背面に備えたHDMI端子×1と、AVコンポーネント入力の2系統。入力された映像を遅延なく出力可能なHDMI端子を備えており、ディスプレイとHD PVR Rocketを接続することで、PC接続時、単体時を問わず、録画中も遅延の無い状態での映像出力が可能となっています。

・HD PVR Rocketの主な仕様
映像入力 HDMI/コンポーネント端子  音声入力 マイク端子
搭載エンコーダー H.264 AVCHD ハードウェアエンコーダー
最大入力解像度 1920×1080ドット/60fps  最大録画解像度 1920×1080ドット/30fps
録画ビットレート 1M~18Mbps  録画フォーマット 本体単体録画時:MP4/PC接続時:TS
PC接続インターフェース USB2.0(B端子)  ストレージ接続インターフェース USB2.0(A端子)
寸法 120.6×88.9×38.1mm(幅×奥行き×高さ)  重量 130g(本体のみ)
電源 USB(5V/0.9A)

 映像入力の他に、HD PVR Rocketはオーディオミキサーを備えており、筐体前面のマイク端子から音声を入力することで、HDMI/アナログRCAからの音声入力に声をミックスした状態で録音できます。マイク端子からのオーディオ入力については、筐体上面にタッチ操作式のパネルが設けられており、音量やミュート、設定のロックなどが可能です。

 動作のために必要な電源は、本体背面のBタイプのUSB端子から供給する仕様となっており、付属のUSBケーブルには、PCと接続して録画を行うための黒いUSB端子と、単体録画時用に電源供給のみを行う赤いUSB端子が設けられています。

USBストレージ接続時。接続するUSBストレージは、2.5MB/sec以上の転送速度が必要。
マイク入力端子の制御用パネル。指でタッチすることで操作を行う。
PC上で録画を行う専用ソフト「Hauppauge Capture」。マイク入力部の下にあるゲーム/ボイスの入力バランスは単体録画時にも反映されるため、単体録画時の音量が小さすぎる場合はここで設定が必要。

 ゲーム機などと接続する際は問題ありませんが、PCと接続する際は音声信号の扱いに注意が必要です。PC本体にスピーカーを接続していたり、USBサウンドアダプタがメインのサウンドデバイスになっている場合、HD PVR Rocketに音声信号は出力されません。音声を録音する際は、アナログ音声ケーブルを接続するか、既定のサウンドデバイスを変更するなどの対応が必要になります。


タブレットの画面もキャプチャ、電源はモバイルバッテリーも利用可能

 主にゲーム機のキャプチャを想定しているHD PVR Rocketですが、HDMI出力端子を備えた機器であれば接続が可能なので、AndroidやWindowsを搭載したタブレットの画面をキャプチャすることも可能です。

Surface 2との接続例。Surface 2はHDMI出力とUSBポートを備えているため、HD PVR Rocketへの映像入力と給電を単体で行える。
USB給電で動作するHD PVR Rocketは、モバイルバッテリー(5V/1A出力以上対応品)での動作も可能。
実際にキャプチャした「艦隊これくしょん~艦これ~」の動画
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 筆者手持ちのSurface 2やICONIA TAB A700-S16Sで画面をキャプチャしてみたところ、タブレット側の仕様により、強制的に横画面(横1920ドット × 縦1080ドット)での出力になってしまうものの、特に操作感を損なうことなく画面のキャプチャーを取得できました。

 単体録画モードを活用すれば、外出先でタブレットを使ったゲームのプレイ画面をキャプチャーすることはもちろん、Android用アプリケーションの動作を、カメラを使うことなく撮影できます。自分のゲームプレイを余すことなく録画したいユーザーだけでなく、ソフトウェアのデモンストレーション用素材の取得にも使うことができそうです。


BIOS操作、Mantleのキャプチャも可能。使い方次第では面白いキャプチャユニット

 ビデオカードや、オンボード映像出力を備えたマザーボードの大半がHDMI端子を備えていることを考えると、最近のパーツを用いた自作PCの多くがHD PVR Rocketで画面をキャプチャすることが出来ます。

 Windows上で画面をキャプチャする方法は多く、キャプチャーユニットを用いずとも録画を行うことの出来るアプリケーションもありますが、HD PVR Rocketなら、キャプチャーソフトの立ち上げが出来ないBIOS/UEFI画面や、起動中の動画を録画できるほか、ソフトウェアキャプチャが困難なAMDの独自API「Mantle」を利用したゲーム画面も手軽に録画できます。

UEFI画面も簡単にキャプチャ
Mantle版BATTLEFIELD 4のプレイ画面もキャプチャ可能
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 また、HD PVR Rocketは音声を簡単に入れることができるので、動画編集ソフトを用いることなく、UEFI/BIOSの操作を音声解説付きで紹介する動画も作成可能。自作PC関連の動画レビュー製作にも好適であると言えます。

 録画した動画のフレームレートが30fpsというところが少々残念ですが、まさにボタン一つで録画が可能な単体録画機能の手軽さは魅力です。

 自分のプレイしたゲームの動画を撮影するという、製品本来の目的に沿った使い方も良いですが、レビューを作成される方やソフトウェア開発者の方は、動画レビューや製品のデモンストレーション動画の作成に活用してみてはいかがでしょう。

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