借りてみたらこうだった!

GIGABYTEのゲーム向けZ97搭載マザー「GA-Z97X-Gaming 5」をテスト

同社製ゲーミングマザーの中堅モデル

GA-Z97X-Gaming 5

 今回お借りしたのは、Intel Z97 Expressチップセットを搭載した、GIGABYTE製ゲーミングマザーボード「GA-Z97X-Gaming 5」。実売価格(税込)19,000円前後の、LGA1150対応マザーボードです。

GIGABYTE製ゲーミングマザーボードの中堅モデル

バックパネルIO。HDMIポート、オーディオ入出力に金メッキが施されている。
10Gbps対応のM.2スロット。42/60/80mm長のカードを固定可能。なお、SATA ExpressとSATA 4/5ポートとは排他利用。

 GIGABYTEは、「Gaming」と名の付くIntel Z97 Expressチップセット搭載マザーボードを現時点で8種類もラインナップしており、G1.Gamingシリーズとして製品を展開しています(G1.Gamingシリーズは現時点で全13種)。今回紹介するGA-Z97X-Gaming 5は、その中堅に位置する製品です。

 GA-Z97X-Gaming 5は、標準的なATXマザーボードより、やや横幅の狭い305mm×225mmの基板を採用。少々コンパクトな基板ですが、インターフェース類は充実しており、10Gbps転送対応のSATA Express、M.2スロットと言った、Intel Z97 Expressチップセット搭載マザーボードらしい装備の他、ゲーム用LANコントローラ「Qualcomm Atheros Killer E2201」も搭載しています。

 なお、ストレージ用の高速インターフェースとして期待される、SATA ExpressとM.2スロットは、排他利用での実装となっています。もっとも、ゲーミングPCに、いくつも高速なSSDが必要ということも無いでしょうから、排他利用でもそれほど問題は無いでしょう。

 ここまで上げたものを含め、GA-Z97X-Gaming 5が持つマザーボードとしての機能は、下位モデルであるGA-Z97X-Gaming 3とほぼ同等です。GA-Z97X-Gaming 5では、機能を追加する代わりに、より耐久性の高い日本ケミコン製のブラック固体コンデンサの採用や、バックパネルIO部への金メッキ処理、サウンド回路への音響用コンデンサの採用など、より品質の高いパーツを採用しています。

SATA Expressと、SATAポート。灰色のSATAポートのうち、下段の2ポート(SATA 4/5ポート)は、SATA Expressと物理的に排他利用となっている。また、M.2ポートとの同時利用も不可。
LANコントローラ「Qualcomm Atheros Killer E2201」。
金メッキカバーで覆われたサウンドチップ「Realtek ALC1150」。周辺のコンデンサはニチコン製の音響用コンデンサ。
リアパネルの出力用に、TEXAS INSTRUMENTS製のオペアンプN5532を搭載。
両ラッチタイプのメモリスロットを4本搭載。
電源部は8フェーズ仕様。
拡張スロット。3-Way Cross Fireと、2-Way SLIをサポート。


UEFIには新メニュー「Startup Guide」が追加

新たに追加された「Startup Guide」。基本的なメニューをタイル状に並べて表示されている。

 UEFIは、Intel 8 シリーズチップセット時代に用意された新デザインGUIと、旧来のBIOSライクなGUIが両方用意されている他、新たに簡単な設定を並べたStartup GuideというGUIが用意されました。

 タイル状に各メニューを並べたStartup Guideでは、ブート順の変更や時刻の設定、Load Defaultなどを操作可能。CPUやメモリの動作設定は行えませんが、OSのインストール時に設定が必要な項目に、手間なくアクセスできるようしつらえてあります。

 なお、UEFIのGUIは、F2キーを押すことで切り替えが可能です。CPUのオーバークロックや、メモリの動作設定を行うのであれば、従来のGUIに切り替えて設定を行いましょう。

新しいデザインの設定メニュー。F6キーを押すことで、高解像度モード(左)と低解像度モード(右)の切り替えが可能。
  旧デザインの設定メニュー。


Haswell RefreshとHaswellを載せてテストを実施

 Intel Z97 Expressチップセットと言えば、Haswell Refreshと同時に登場した訳ですが、HaswellとHaswell Refresh、どの程度の差が出るものなのでしょう。Intel Core i7-4790と、Intel Core i7-4770KをGA-Z97X-Gaming 5に載せ、CINEBENCH R15を実行してみました。

CHINEBCH R15の実行結果
Core i7-4790
Core i7-4770K
CHINEBCH R15実行時のCPU温度(最高)

 マザーボード GIGABYTEGA-Z97X-Gaming 5 (rev. 1.0)
 メモリ DDR3-1600 8GB×2 (G.SKILLF3-1600C9D-16GAR
 ビデオカード GIGABYTEGV-R929XOC-4GD
 CPUクーラー Intel 純正リテールクーラー(Core i7-4790付属品)
 OS 日本マイクロソフトWindows 8.1 Pro Update(64bit)
 室温 23.0±0.5℃

 CPUのパフォーマンスに関しては、動作クロックで優れるIntel Core i7-4790が、順当にIntel Core i7-4770Kを上回っていますね。一方、CPUコアの温度については、Intel Core i7-4790がIntel Core i7-4770Kより4℃ほど低い結果となりました。

 CPUが変われば内蔵温度センサー自体も変わるので、参考程度の比較ではありますが、より高い動作クロックでありながら、CPU温度(=発熱)が低く抑えられているのは良い結果ですね。今のところ、Intel Core i7-4790の価格は、Intel Core i7-4770Kと同じか安いくらいなので、オーバークロックをしないのであれば、Haswell RefreshのIntel Core i7-4790がベターでしょう。


Haswell RefreshとミドルハイGPUを載せたくなるゲーミングマザーボード

 Intel Z97 Expressチップセット搭載マザーボードで採用製品の増えたM.2スロットとSATA Expressを両方備え、ゲーム用LANコントローラと、高品位なサウンド機能も搭載。GA-Z97X-Gaming 5は、2万円前後のゲーミングマザーボードに期待する機能を一通り抑えた製品と言えるでしょう。

 今回はIntel Core i7-4790を搭載しましたが、フルHD解像度でのゲームプレイを目標に、Intel Core i5-4690あたりのCPUと、ミドルハイGPU搭載ビデオカードを組み合わせれば、コスト、消費電力、諸々のバランスが取れたゲーミングPCが出来そうです。

 前述の通り、マザーボードの機能としては、下位モデルのGA-Z97X-Gaming 3とほぼ同等なので、コストパフォーマンスを重視するならGA-Z97X-Gaming 3。サウンド周りのクオリティや、耐久性を重視するならGA-Z97X-Gaming 5と言った具合で選んでみると良さそうです。