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ZOTACが名古屋のイベントで独自クーラーのGeForce GTX 1080 Tiを初披露、週末販売開始

NVIDIAの解説や、元アジアチャンピオンと元日本チャンピオンのレジェンド対決も実施 text by 石川ひさよし

 ZOTACは8日(土)、ツクモ名古屋1号店にて「NVIDIA×ZOTACゲーミングイベント in ツクモ名古屋1号店 スペシャルイベント」を開催した。

 ZOTACのGeForce GTX 1080 Ti搭載オリジナルクーラーモデルの発表に合わせたイベントで、同日3モデルの投入が明らかにされた。

 また、イベントではZOTACのセッションのほかに、NVIDIAによるGeForce GTX 1080 Tiの解説実施。さらに、NVIDIA所属でCounter-Strike1.6の元アジアチャンピオン noppo氏と、BattleField2142で日本チャンピオンだったインプレス所属の営業 圓井氏による、PCゲーム「For Honor」を使った「レジェンド対決」も行われた。

ZOTACは3種類のGeForce GTX 1080 Tiオリジナルクーラーモデルを投入

プレゼンを行ったZOTACの呉羽氏

 ZOTACのセッションで明らかにされたオリジナルクーラー版GeForce GTX 1080 Tiカードは3モデル。現在販売中の同社Founders Editionと合わせて4ラインナップとなる。発売は4月15日(土)の予定。

 ZOTACの呉羽氏がZOTACの歴史などとともに、ビデオカード製品のグレードの読み解き方にも触れた。同社OCモデルに付けられる「AMP」はAmplifier(増幅器)の意味で、AMPモデルのなかにも「EXTREME」、「OMEGA」、そして無印AMPの3グレードに分けられる。

今回の展示モデル
最上位のGeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeはデモ機に組み込まれた状態で展示
ZOTACビデオカードの製品名とグレード順の関係をまとめたスライド

 今回公表されたAMPエディションは2つで、最上位であるEXTREMEの「GeForce GTX 1080 Ti AMP Extreme」(ZT-P10810C-10P)および無印AMPの「GeForce GTX 1080 Ti AMP Edition」(ZT-P10810D-10P)。

 GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeは、シリーズ最高クロックであるとともに、3連9cm径ファンを搭載する「ICESTORM」クーラーや、LEDライティング機能「SPECTRA」、準ファンレス機能「FREEZE」に加え、16+2フェーズ電源回路(FEは14フェーズ)を搭載する。

GeForce GTX 1080 Ti AMP Extreme
GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeの特徴
今回はゲーム対決用機材として展示された
強化された電源回路を搭載するとともに、背面はEXOARMORバックプレートを組み合わせている
GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeに用いられる冷却技術

 プレゼンテーションのなかでは、ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークによる4K、DirectX 11、最高品質時の計測で、Founders Edition比+9%、フルHDの場合で同+6%スコアが向上すると紹介された。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークにおけるFounders EditionとAMP Extremeとのスコア差。4Kでは9%も向上

 GeForce GTX 1080 Ti AMP Editionは、2連10cm径ファンの「ICESTORM」クーラーを採用する点でEXTREMEとは外観から異なり、OC幅もEXTREMEよりは抑えられるが「高速」と表現されており期待できる。ほか、LEDライティング機能「SPECTRA」や16+2フェーズ電源回路、準ファンレス機能「FREEZE」などは同様。

GeForce GTX 1080 Ti AMP Editionは、EXTREMEよりもコンパクトな設計で扱いやすさが◎
GeForce GTX 1080 Ti AMP Editionの特徴
LEDライティング機能の「SPECTRA」での発光箇所と制御ユーティリティ。ZOTACはOCツール「FIRESTORM」が統合管理する

 もう1つのGeForce GTX 1080 Tiカードは「GeForce GTX 1080 Ti Blower」(ZT-P10810B-10P)。こちらはFoundersEditionとはデザインが異なるが同じ外排気クーラー構造のモデル。2スロット厚に収まることで高密度に実装するSLI構成や、同様に排気を重視する場合の製品選択肢として。また、Founders Editionの保守のためのニーズを狙った製品だ。

GeForce GTX 1080 Ti Blowe

GeForceのアップデートを高橋氏が解説、TITAN XPの話もちょっとだけ

プレゼント行ったNVIDIA 高橋氏

 午前2つめのセッションはNVIDIAの高橋氏によるGeForceアップデート紹介。Pascal世代のGPUの機能とともに、直近12カ月のアップデートについて解説があった。

 気になるプレゼンテーションでは、まずドライバによるDirectX 12のパフォーマンスアップ。ゲームのリリース時のものと3月のものをフレームレートで比べると、平均16%、タイトルによっては33%ものパフォーマンス向上があったとのことだ。ほか、VULKANへの最適化も進んでいるとのこと。

ドライバの最適化によって、バージョンアップ毎にパフォーマンスが進化

 ゲーム世界を自由にキャプチャし演出なども行えるANSELについても、対応タイトルが充実してきたことを報告。最新の対応タイトルとしてTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsを映像とともに紹介した。

ゲーム世界を自由にキャプチャできるANSELは対応タイトルも拡大中。最新タイトルとしてTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsのプロモーションビデオが紹介された

 今回のメインであるGeForce GTX 1080 Tiについては、スペックを紹介するとともに、ポイントとなるスペックにビデオメモリサイズを紹介。

 解像度が高まるとともに必要となるビデオメモリの量も増大し、11GB搭載するGeForce GTX 1080 Tiでは4Kをカバーできるとアピールした。また、従来よりx80の上位にx80 Tiが投入されてきたが、GeForce GTX 1080と1080 Tiでは、従来のx80対x80 Tiよりもパフォーマンスの開きが大きいと説明。GeForce GTX 780対780 Tiでは18%であるのに対して1080対1080 Tiでは35%という大きな開きがあると言う。十分にアップグレードの価値があるというわけだ。

GeForce GTX 1080 Tiは11GBのビデオメモリで、高解像度プレイ向け
GeForce GTX 1080に対してGeForce GTX 1080 Tiは大幅にパフォーマンスアップ
x80 Tiモデルとx80無印モデルの性能差は歴代のTi付きモデルの中でも最高だという

 なお、このイベントの直前に発表された「TITAN XP」についても多少の紹介があったものの、NVIDIA Japanとしては現時点で予定は未定とのこと。その上で、GeForce GTX 1080 Ti、TITAN XPのパフォーマンス差は小さい(10%以下)と説明した。ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeのように、GeForce GTX 1080 Tiをベースとした大幅なOCモデルであればほぼ同等のパフォーマンスになるとのことだ。

 ほか、GeForce GTX 1080 Tiと合わせて発表されているGeForce GTX 1080/1060のメモリオーバーうロック版については、間もなく登場する見込みとのことだ。

アジアチャンピオン対日本チャンピオンの生対戦も

アジアチャンピオンのnoppo氏と日本チャンピオン圓井氏が対決

 エキシビションとして開催されたのが、レジェンドゲーマーによる対決。NVIDIA所属でイベントでもお馴染みの元アジアチャンピオンnoppo氏と、インプレス所属の営業で元日本チャンピオン圓井氏が「For Honor」で対決した。

 ゲームの紹介や、いくつかのテクニックの紹介を交えながら始まった対決は1対1で戦うデュエルモード。

 まだリリースから1カ月程度のFor Honor、両者とも仕事の合間を縫って練習してきたとのことで、試合は互角に近い戦い。noppo氏は野武士を選択しアウトレンジ攻撃を仕掛ければ、圓井氏は投げを狙った接近戦を仕掛けて一進一退。最終的に3対2で圓井氏が辛勝した。

口数は圓井氏よりも少ないが的確なnoppo氏に対し、解説のために喋るとプレイがラフになる圓井氏
2人ともまだそこまで慣れていないという最新タイトル「For Honor」で対決

 その後、レジェンドと参加者が対戦できるコーナーでは、まず普段パッド操作をしている圓井氏にはキーボード&マウス操作をハンデに課し、初めてのプレイにも関わらず2人の方が勝利。一方noppo氏はレジェンドの威厳にかけ、ガチプレイで1人を破った。2人のレジェンドによる操作や攻略のコツも役に立っただろうか。

 なお、For HonorはフルHD、最高画質設定の場合、ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeなら平均200fps近く出ていた。4Kは機材の不調によりウインドウモードでデモされたが十分にプレイアブルだった。

[撮影協力:ツクモ名古屋1号店]