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無線LANがギガビット到達、実測900Mbps超の新規格「11ac」ドラフト版ルータが発売に

公称1,300Mbps、PC用アダプタは今後発売

 公称1,300Mbps、実測値でも900Mbps超を叩きだすという高速無線LANの新規格「IEEE 802.11ac」のドラフト版に準拠するという無線LAN機器が初登場、バッファローの「WZR-1750DHP」が発売された。

 実売価格は19,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)

 ただし、PCなどを接続できるアダプタなどは未発売。WZR-1750DHP同士の通信はできるため、現時点でも「無線による中継用」としては利用できるが、それ以外ではIEEE 802.11a/b/g/nの無線ルータとして使うことになる。

 PC向けのUSBアダプタはNECが5月中旬に発売する旨、アナウンスしている。

ドラフト段階のIEEE 802.11acに対応規格の最大は6.9Gbps超

実測値915Mbpsをうたっている
USB 3.0も搭載
設定はスマホで

 IEEE 802.11acはIEEE 802.11nの次世代にあたる無線LAN規格。最大8本のアンテナを束ねて伝送速度を高速化するMIMO技術などにより、最大6.93Gbpsでの通信が可能とされており、現在は、米国電気電子学会(IEEE)で正式規格を策定しようという段階にある。

 IEEE 802.11acについては、「802.11ac技術採用」という製品が既に発売されているが、これらの通信速度は最大600Mbps。これは、電波法施行規則などで802.11acの国内使用が制限されていたことも一因だが、27日(水)付けの改正で802.11acの国内使用が可能となり、今回のWZR-1750DHPも「改正された電波法関連規則に準拠した802.11ac(Draft)に対応する」(バッファロー)として発売された。

5GHz帯で公称1,300Mbps、実測900Mbps超

 WZR-1750DHPは、3本の送受信アンテナにより802.11ac通信モードで最大1,300Mbpsのデータ転送速度を実現したという製品。

 1,300Mbpsは規格値とされているが、バッファローによれば、住居の同一階層で使用した場合の実測値を約915Mbpsと公表。また、住居の1Fから2Fでも約651Mbps、1Fから3Fでも約539Mbpsという従来以上の高速通信が可能としている。

 また、2.4GHz帯の802.11b/g/nにも対応する。最大データ転送速度は450Mbps。

 このほか、USB HDDなどを接続してネットワーク経由でアクセスできる簡易NAS機能も装備。今後のファームウェアバージョンアップにより、プリンタやスキャナなどの共有もサポートするという。USBポート数はUSB 3.0×1、USB 2.0×1。

 本体サイズは幅34×高さ212×奥行き183mm(スタンドを除く)。有線LANポートは5基(WAN×1、LAN×4、Gigabit Ethernet対応)。付属品はスタンド、LANケーブル、ACアダプタなど。

 なお、802.11ac準拠のUSB子機は未発売だが、WZR-1750DHPは子機としても機能する。バッファローでは、2台のWZR-1750DHPをセットにした「親機+中継機/LAN接続子機セット」の「WZR-1750DHP/E」もラインナップしている(同社通販サイトでの価格は37,800円、4月下旬出荷予定)。

 また、USB子機については、USB 3.0接続の「AtermWL9000U」が5月中旬にNECから発売される予定だ。

バッファロー WZR-1750DHP