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「Haswell」がついに登場、i7からXeonまで多数発売

(6/2 1:47更新)Core i7-4770Kの開封写真を追加。

 開発コード名「Haswell」ことIntelの新世代CPUがついに登場、デスクトップPC向けのCoreファミリと、サーバー向けのXeonファミリがリテール品・バルク品で多数発売された。

 販売されているのは、Coreファミリが、最上位のCore i7-4770KやCore i5-4670Kなど14モデル、Xeonファミリが、グラフィックス機能搭載のXeon E3-1285v3や非搭載のXeon E3-1280v3など13モデル。一部を除き大半がクアッドコアだ(Core i5-4570TとXeon E3-1230Lv3はデュアルコア)(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

GPU性能と省電力性を強化、第4世代のCoreファミリ

 Haswellは、2012年4月にデビューしたIvy Bridgeの次世代CPU。Coreファミリとしては第4世代となる。

 進化点として挙げられるのは、内蔵グラフィックスの性能。上位モデルでは「Iris」という新ブランドのDirectX 11.1対応GPUが採用されており、Intelによれば、最上位モデルでキャッシュ用のeDRAMを内蔵する「Intel Iris Pro Graphics 5200」では、2006年の内蔵GPUより性能が75倍向上しているという。

 今回登場したCore i7-4770Kなどで採用されているのは、それよりも下のモデルの「Intel HD Graphics 4600」だが、Intelは「Core i7-4770KはCore i7-3770Kの約1.8倍のグラフィックス性能を持つ」としている。

 このほか、ハードウェアエンコーダのQuick Sync Videoの高速化や、3画面出力、4K2Kディスプレイ、DisplayPort 1.2などへの対応もうたわれている。

 もう1つの進化点は省電力性。製造プロセスルールは、世代としてはIvy Bridgeと同じ22nmだが、Haswellでは改良型の22nmプロセスが採用、リーク電流がIvy Bridge比で2~3倍減少しているという。

 これにより、動作時・アイドル時の両方の消費電力削減を実現。特にモバイルプラットフォームでのメリットは顕著で、Intelは「動作時のバッテリー持続時間が50%増加、アイドル時/スタンバイ時では2~3倍増加する」などとしている。

新ソケット「LGA1150」採用

 CPUソケットは新形状のLGA1150を採用。

 Sandy BridgeからIvy Bridgeへの移行時は、旧型マザーの流用も可能だったが、Haswellではそれは不可能に。反面、各社ともマザーボードを新設計、独自機能を強化している印象だ。

 対応チップセットは新型の「Intel 8シリーズ」で、Intel Z87 Expressなどのチップセットを搭載したLGA1150マザーが各社から発売されている。

 ただ、内蔵メモリインターフェイスはデュアルチャンネルDDR3のままであるため、メモリについては既存のものが流用できる。最大対応メモリはDDR3 1600。拡張カードインターフェイスも従来同様PCI Express 3.0を搭載する。

 キャッシュ容量はCore i7シリーズとXeonファミリが8MB、Core i5シリーズが6MB(i5-4570Tは4MB)。Hyper-ThreadingはCore i7シリーズ全てとCore i5-4570T、Xeonファミリの大半(E3-1220v3/1225v3以外)に搭載されている。

 自動オーバークロック機能のTurbo Boost 2.0も従来どおり搭載。Core i7-4770Kの場合は、通常クロックが3.5GHzで、Turbo時は最大3.9GHzに上昇する。また、XeonファミリではTurbo時のクロックによって動作するコア数が異なり、通常クロック3.6GHzのE3-1285v3の場合は、3.8GHz時で4コア、4GHz時で1コアとなる。

TDPは基本3段階、「K」は倍率固定ナシ

 TDPは最大84Wで、Coreファミリでは省電力タイプとして65W、45W、35Wが用意されている。TDPは型番末尾のアルファベットでも判別可能で、「K」または無印が84W、「S」が65W、「T」が45Wまたは35Wとなる。「K」は、従来と同じくクロック倍率が固定されていないことも示している。

 Xeonファミリの場合は84W、82W、80W、65W、45W、25W、16Wと、Coreファミリより細分化されている。こちらも型番でも判別可能で、型番の「v3」の前に「L」が付く場合は65W以下、無印の場合は80W以上となる。

 また、TDP 65WのCore i7-4770Sは、通常クロックは3.1GHzで4770Kより低いが、Turbo時は4770Kと同じ最大3.9GHzに上昇する。省電力性とパフォーマンスを両立させたい人にとっては注目と言えそうだ。

 ※6月26日(水)更新:当初、ショップからの入荷案内を元に、発売済み製品として「Xeon E3-1220Lv3(TDP16W)」の情報を掲載しておりましたが、実際は入荷しておりませんでした。このため、記事の内容を一部変更いたしました。訂正してお詫び申し上げます。

【Core i7-4770Kを開けてみた】
パッケージ
上位モデルとしてはCPUクーラーは薄い

[撮影協力:BUY MORE秋葉原本店ツクモパソコン本店]

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