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FM音源チップで「本物」再現、レトロサウンド向けのUSB音源が店頭デモ

OPNAやOPM、OPL3を搭載可能

 往年の音源チップである、OPM(YM2151)やOPNA(YM2608B)を搭載、レトロPCやアーケードゲームの「本物の」サウンドを楽しめるという音源システム「G.I.M.I.C」が三月兎2号店でデモ中だ。同店は10月中旬から販売する予定。

 「本物のチップを搭載しているので、エミュレータとは違い、“完全に同じ音”を再現できる」(同店)のがウリという。

 製品は、ベースとなるマザーボード「GMC-MB2」と、複数の音源モジュールとで構成。マザーやモジュールはむき出しの状態だが、別途用意したNUCケースに内蔵できるほか、マザーを固定するためのアクリル台も用意されている。

 マザーの予価は、Standard版が31,500円、Professional版が50,400円、音源モジュールの予価はOPNAが25,200円、OPMが20,160円、OPL3が17,640円、アクリル台の予価は3,780円。

PC-9801やX68000、Sound Blaster 16などのサウンドを再現可能

OPNA(YM2606B)チップ

 G.I.M.I.Cは、同人サークル「G.I.M.I.C Project」が製作したUSB接続のサウンドユニット。異なる音源チップが搭載された数種類のモジュールが用意されており、モジュールをマザーに載せ替えることで様々な音色が楽しめるのが特徴だ。

 モジュールのラインナップは、YM2608Bチップを搭載した「OPNAモジュール」、YM2151の「OPMモジュール」、「YMF262-M」の「OPL3モジュール」など。同店で販売されるのは上記3種類の予定だが、他に「YMF288-M」を搭載した「OPN3Lモジュール」(生産完了、在庫限り)もラインナップされている。

 これらの音源チップは、往年のNEC製パソコン「PC-9801」シリーズで“86ボード”と呼ばれたサウンドカード(PC-9801-86)や、X68000、PC-8801シリーズ、昔のアーケードゲーム基板、PC/AT互換機向けのSound Blaster 16など往年のハードでも使われていたもの。その名前に懐かしさを感じるユーザーも少なくないだろう。

 マザーには、サウンド出力用のステレオミニジャックや、PC接続用のmicro USB端子、microSDカードスロットなどが搭載。Professional版には、MIDI入出力などが使用できるブレイクアウト端子や、キーボードなどのUSBデバイスが接続できるUSBホスト端子(標準A)も搭載されている。

 Professional版では、ACアダプタでの電源供給に対応することで音質も追求。USBでのバスパワー供給時よりS/N比が大幅に向上するという。

 また、マザーのサイズはNUC規格にあわせており、市販のNUCケースが使用可能とのこと。同プロジェクトは、アビーの「NE01」「NE02」「NE03」が使用できることを確認したとしている。

単体動作時はMXDRVやPMD、FMPなどの曲データを再生可PC接続時はエミュレータとの連携動作も

店頭デモでは、PC-9801エミュレータと連携動作中。ちなみにこのエミュレータは「著作権上問題がない互換BIOSを使ったもの」(同店)で、再生ソフトはオンラインソフトのView-Key
単体再生できる曲データ
音源チップの生レジスタを表示中。数値は刻々と変わっていく
設定情報を可視化した画面。こちらの表示も刻々と変わっていく

 PCからの制御には、フリーソフトの「hoot」「FMP7」などが使用できるほか、VSTプラグイン「GIMIC VSTi」が現在開発中(有料販売予定)。さらに対応エミュレータと連携した動作も行えるという。また、本体のみで使用することもでき、MXDRVやPMD/FMP形式のファイルをmicroSDカードに記録、カードを本体に装着することでサウンドを再生できる。

 マザーボードの付属品は音源モジュール接続ケーブル、外部電源中継ケーブル(Professional版のみ)など。microSDカードやUSBケーブル、ACアダプタ(Professional版のみ対応)は別途用意する必要がある。

 ちなみに、G.I.M.I.Cは、これまでにコミックマーケットなどの同人誌即売会で直接販売されているほか、大阪のシリコンハウス共立(店舗)、共立エレショップ(通販)で委託販売されているが、同店によれば「関東地区での店頭販売は初」という。

[撮影協力:三月兎2号店]