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“殻割りHaswell-E”に対応するX99マザーがMSIから登場

CPUの殻割りは「ホットエアガンではんだを溶かす」

 “殻割りCPU”の保護カバーが付属するMSIのX99マザー「X99S XPOWER AC」が発売された。同社によれば、Haswell-Eの殻割りではホットエアガンが必要という。店頭価格は税込48,400円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

CPUの殻割りはホットエアガンではんだを溶かす必要あり

 X99S XPOWER ACは、Intel X99 Expressを搭載したE-ATXタイプのLGA2011-v3マザーボード。

 オーバークロック向けのモデルで、高速のDDR4-3333メモリをサポートするほか、CPUのクロック・倍率の調節などが可能な各種ボタン、BCLKが柔軟に調節できる「OC Engine」、一時的にクロック倍率を下げ、OS起動時のフリーズを防ぐ「Slow Mode」、テスター用端子「V-Check Points 2」など、多くのマニアックな機能が装備されている。

 また、ヒートスプレッダを除去した、いわゆる殻割りCPUを保護するカバー「Delid Die Guard(殻割りダイ・ガード)」も付属。CPUに被せてコアと基板との段差部分を減らし、コアを保護するというもので、冷却ヘッドを接触させた際にコアが欠けたりするのを防ぐという。

 ただ、LGA2011-v3プラットフォームの正式発表前は、Haswell-Eではヒートスプレッダとコアがグリスで接着されているとしていた同社だが、発表後にはソルダリング(はんだによる接着)であることが判明している。

 Delid Die Guardのマニュアルでも、殻割りの手順について「ホットエアガンではんだを溶かす」「耐熱性のある手袋を装着し、ヒートスプレッダを剥がす」などと説明されており、これまでより難度が高いことが分かる。

 そもそも、殻割りが注目されるようになったのは、LGA1155対応のIvy Bridgeでグリスが使われていたため。はんだより熱伝導率が低いグリスを取り除くことで、CPUの冷却効率を上げるのが目的だった。

 そのことから、ソルダリングが用いられているHaswell-Eでは、殻割りの必要性は下がったとも言えそうだが、同社によればヒートスプレッダを取り除くことによるメリットはあるとのこと。同社のテストでは、殻割りの前後で10℃の差があったという。

 X99S XPOWER ACのスロット数はPCIe x16×5、PCIe x1×1、DDR4 DIMM×8(最大128GB)。主な搭載機能・インターフェイスはGigabit Ethernet、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.0、6Gbps SATA、SATA Express、M.2(32Gbps対応)、USB 3.0、7.1チャンネルサウンド。

[撮影協力:ツクモパソコン本店]

MSI X99S XPOWER AC