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“DirectX 12ならRadeon” AMDがスペシャルイベントを開催

ウルトラワイド液晶とゲームの親和性の高さについても解説 text by 石井英男

解説を行なったのは、店頭イベントではお馴染みの日本AMDマーケティング部の井戸川淳氏だ

 AMDの新製品発売を記念するスペシャルイベント「AMDの秋祭り 秋の夜長はAMDで決まり!」が9月26日(土)、ドスパラパーツ館ドスパラ秋葉原本店で開催された。スケジュールは、ドスパラパーツ館が13:00~14:00と16:00~17:00、ドスパラ秋葉原本店が14:30~15:30と17:30~18:30の合計4回で、内容は「AMD APU 5つのお勧めポイント」が2回ずつ、「New Radeonシリーズ紹介」が2回ずつであった。

 このイベントでは、ゲスト解説者として日本AMDマーケティング部の井戸川淳氏が登場し、豊富な資料を交えて、AMDのAPUとGPUの利点をじっくりと解説していた。ドスパラ秋葉原本店で開催された2回目のイベントの様子をレポートする。

取材したのは最終の17:30からの回だが、店頭にはAMDファンを中心に60人近くの観衆が集まった
2015年6月に発売されたAMD Radeonシリーズの製品ラインナップ
AMD Radeonシリーズの5つの特徴
1つめのポイントは「DX12ならRadeon」というものだ

 イベントはドスパラ秋葉原本店の店頭で行なわれたのだが、時間になると続々と観衆が詰めかけ、かなりの賑わいとなった。井戸川氏はまず、6月に発売されたAMD Radeonシリーズの製品ラインナップを紹介し、AMD Radeonシリーズには、5つの特徴があるとした。その特徴とは「DX12ならRadeon」「4K環境に最適」「AMD FreeSyncテクノロジー」「HBM搭載」「AMD LiquidVRテクノロジー」である。このうちHBM搭載に関しては、最上位のRadeon R9 Fury X/Nanoのみの特徴であるが、それ以外はほぼ全ての新製品に当てはまる。AMDはGPUの性能をフルに引き出すためにMantleという独自APIを開発・採用しているが、最新のDirectX 12や次期Open GLのVulkanはMantleをベースにしたものであり、現在はもちろん、将来性についても安心だとアピールした。

DirectX 12や次期Open GLのVulkanは、AMD独自APIのMantleをベースにしている
2つめのポイントは「4K環境に最適」であり、Radeonシリーズは1080pのHDディスプレイで4K品質の画像を再生できるVSR(Virtual Super Resolution)機能を備えている
3つめのポイントは「AMD FreeSyncテクノロジー」であり、対応ディスプレイとの組み合わせで、ちらつきやティアリングを抑えることが可能だ
ここで、LGエレクトロニクス プロダクトマーケティングチームの森斗志也氏が登場

 3つめのポイントであるちらつきやティアリングを抑えるAMD FreeSyncテクノロジーの解説については、LGエレクトロニクス プロダクトマーケティングチームの森斗志也氏が登場。LGエレクトロニクスのウルトラワイドモニターとゲームの親和性の高さについて解説を行なった。LGエレクトロニクスは、いち早くAMD FreeSyncテクノロジー対応ディスプレイをリリースしており、もちろん、このアスペクト比21:9のウルトラワイドモニターもAMD FreeSyncテクノロジーである。

LGエレクトロニクスのウルトラワイド液晶はアスペクト比が21:9の横長であり、シネスコサイズの映画を見るのに最適である
16:9のフルHDモニターに比べて、21:9のウルトラワイドモニターでは、見える範囲が広がるため、臨場感が増す
視野が広がることで、フルHDでは見えない敵をいち早く見つけることができ、より有利に戦える
また、各種ウィンドウの占有率が下がるので、ゲームのメイン画面をより広く使える
さらに、攻略サイトやSNSを閲覧しながら、ゲームをプレイするのも快適だ
LGエレクトロニクスの液晶ディスプレイは、高開口率のAH-IPSパネルを採用しており、広視野角を実現している
健康への配慮として、DC調光方式を採用。ちらつきがなく目に優しい
もうひとつの健康への配慮として、ブルーライト低減モードがある。ブルーライト低減モードは2つあり、最大約83%もブルーライトを低減できる
LGエレクトロニクスのウルトラワイドモニターは、AMD FreeSyncテクノロジーに対応していることが魅力の一つであり、激しい動きでも、ティアリングをなくし、スムーズな画面表示を実現する
モニターのスケーラーチップを介さず、直接映像を出力することで、フレーム遅延を最低限に抑える、DASモードも備えている
また、画面の暗い部分を自動的に感知し、明るく表示する「ブラックスタビライザー」機能を搭載。FPSなどで見えづらかった場所が明るくなり、視認性が向上する
再び講演者が日本AMDの井戸川氏に代わり、4つめのポイントである「HBM搭載」について解説した。HBMはFury Xにのみ採用されている技術だ
Fury Xのチップの現物。中央の大きなダイがグラフィックスコアで、その周りに4つのHBMが搭載されている

 再び講演者が井戸川氏に代わり、4つめのポイント「HBM搭載」について解説を行なった。HBMは、Radeon R9 Fury X/Nanoのみに採用されている技術であり、GPUコアの隣にメモリのダイを4段積み重ねた構造になっている。HBMは、4,096bitという非常に幅広いインターフェイス幅で高い転送速度を実現する。5つめのポイントは、Oculus Riftなど、最近話題のVR環境を最大限に楽しむための技術だ。

5つめのポイントが「AMD LiquidVRテクノロジー」であり、VRのための技術である
ここから個別の製品紹介となる。AMD Radeon R7 300シリーズは、オンラインゲームのための製品である

 その後、個別の製品紹介に移り、各カテゴリーの競合製品に比べて、AMD GPUはパフォーマンス面で有利であるとの解説がなされた。今回のスペシャルイベントの目玉が、8月末に発表された新製品「Radeon R9 Nano」である。Radeon R9 Nanoは、Radeon R9 FuryXに搭載されているFijiチップと同じチップを採用し、カード長が158mmしかないというコンパクトさがウリだ。会場には、実際にRadeon R9 Nanoを搭載したマシンが展示されており、その小ささに驚く来場者が多かった。

 最後にお楽しみ抽選会が行われた。AMDのAPUやゲーミングヘッドホン、AMDグッズなどの豪華景品がプレゼントされ、このイベントはお開きとなった。なお、参加賞は抽選に外れた人も全員もらえることになっていた。

Radeon R7 360は、Radeon HD 7770の1.3倍のパフォーマンスを持ち、人気のオンラインゲームで60fpsを超える
Radeon R7 370は、Radeon HD 7790の1.4倍のパフォーマンスを持ち、1080pの高設定でプレイしてもGeForce GTX 750 Tiよりも速い
最近の主流になりつつあるフルHDを超える1440pでゲームをプレイするユーザーのための製品がRadeon R9 380である
Radeon R9 380は、Radeon HD 7850の1.8倍のパフォーマンスを持つ。メモリインターフェイス幅は256bitである
さらにハイエンドな環境である4Kゲームや4K映像のための製品がRadeon R9 390とRadeon R9 390Xである
Radeon R9 390は、Radeon HD 7950の1.6倍のパフォーマンスを持ち、4Kの高設定でプレイしてもGeForce GTX 970よりも速い
Radeon R9 390Xは、Radeon HD 7970の1.7倍のパフォーマンスを持ち、4Kの高設定でプレイしてもGeForce GTX 980よりも速い
Radeonシリーズの5つの特徴を全て兼ね備えた製品が、最上位のRadeon R9 Fury Xである
Fury Xの最大の特徴が、世界初のHBM搭載である。メモリインターフェイス幅は4,096bitと非常に広く、帯域幅はR9 290Xと比べても60%向上している
さらに、チップの他にビデオメモリが必要ないので、より省スペース性が高い
Radeon R9 Fury Xは、基板が小さいため、コンパクトなPCにも搭載できる
Radeon R9 Fury Xの特徴。ロゴが赤色に光ったり、8個のLEDでGPU使用率を知らせるGPUタコメーターの装備など、外観にもこだわっている。冷却には液冷システムを採用しており、負荷時のGPU温度も低い
Radeln R9 Fury Xなら、負荷が高いゲーム「Far Cry 4」を4Kの最高設定にしても平均54fpsという十分なフレームレートを実現
Radeon R9 Furyは、4Kの高設定でプレイしてもGeForce GTX 980よりも速い
8月末に発表された最新製品「Radeon R9 Nano」
Radeon R9 Nanoのカード長は約15cmであり、一般的な電源ユニットの奥行きと同程度だ
Radeon R9 Nanoは、Radeon R9 290Xよも40%カード長が短い
また、Radeon R9 Nanoは静音性も非常に高く、42dBAという図書館並の静かさを実現。Radeon R9 290Xに比べると16dBAも低い
Radeon R9 Nanoは、消費電力当たりの性能と体積当たりの性能が従来の2倍に向上。消費電力は175Wと、ハイエンドビデオカードとしては非常に低い、
Radeon R9 Nanoは、Mini-ITXサイズにちょうど収まる
4KゲーミングPCの進化。2014年は左のような大型タワーマシンに2枚のビデオカードを装着する必要があったが、2015年初めにはRadeon R9 Fury Xの登場により、ビデオカードが1枚で済むようになり、今はRadeon R9 NanoによりMini-ITXサイズでも4KゲーミングPCを実現できるようになった
これまでMini-ITXサイズのビデオカードでは、1080pか1440pが快適にゲームをプレイできる限界であったが、Radeon R9 Nanoなら4Kでも十分遊べる
Radeon R9 Nanoは、世界最速のMini-ITXビデオカードであり、GeForce GTX 970のMini-ITX版よりも30%速い
Radeonシリーズのラインナップをもう一度整理。それぞれのニーズに合わせた最適な製品が用意されている
最後にお楽しみ抽選会が行なわれ、AMDのAPUやゲーミングヘッドホン、AMDグッズなどの豪華景品がプレゼントされた