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10TB HDDは今春発売、HGSTが実機をデモ

ヘリウム封入の「Ultrastar He10」

店頭デモされたUltrastar He10の10TBモデル

 現在8TB品までが発売されている3.5インチHDDだが、この春、ついに10TB HDDが発売されることになりそうだ。

 これは、30日(土)にツクモパソコン本店で行われたイベント「ASUSTOR&HGST NASイベント」で、HGSTがヘリウム封入タイプの最新モデル「Ultrastar He10」を解説、動作デモまで行ったもの。

 同社では、「3〜4月に量産出荷を始める予定で、既に昨年11月に評価用の出荷も始めている」としている。

7枚プラッタ+ヘリウム封入で10TBを実現価格は未定

内部が確認できる展示サンプル
デバイスマネージャの表示
HGSTは2001年からヘリウム封入モデルを研究してきたという
現在は高価なヘリウム封入モデルだが、徐々に価格差は縮まっていくとのこと
NETFLIXのデータセンターでも採用されているとか
会場の様子

 イベントで説明された「Ultrastar He10」は、昨年6月に出荷開始が発表された10TB HDD「Ultrastar Archive Ha10」に続く2シリーズ目の「10TBクラスHDD」。

 Ultrastar Archive Ha10はヘリウム封入に加えて、読み書きに独特の特性が出る「SMR技術」を利用した製品で、今のところ店頭販売は確認されていないが、今回の「Ultrastar He10」は一般的な書き込み方式(PMR)を採用。「SMRのようなクセがなく、ごく普通のHDDとして利用できる」(HGST)という。

 仕様については、前世代のヘリウム封入モデル「Ultrastar He8」と比べて「容量で25%増、消費電力で22%減、速度で21%増」(SATAモデル)とされており、特に消費電力については「He8ではSASモデルと共通の基板設計だったが、He10では個別に設計し、消費電力なども最適化した」(同社)結果という。

 また、製品の位置づけとしては「エンタープライズ用途やNAS向け」で変わりなく、そうした用途向けの高い信頼性やそれを実現するための機能を搭載している。ヘリウム封入の効果である、低い動作音量もウリという。

 10TBモデルの具体的な仕様は、回転速度が7,200rpm、プラッタ枚数が7、平均転送速度が249MB/s、平均シークタイムが8ms(リード)/8.6ms(ライト)、バッファ容量が256MB、消費電力が6.8W(動作時)/5W(アイドル時)、対応インターフェイスが6Gbps SATA。

 価格は「未定」とされたが、今後の見通しとして「ヘリウム封入タイプのHDDは通常タイプより高値だが、この差は徐々に縮まっていく」という見解を披露。「すぐに同じになる、ということはない」としながらも、生産量の増加につれて価格が下がっていくという。

 イベント会場では、このUltrastar He10の実機がUSB接続でデモされたほか、7枚/14ヘッドの内部構造を確認できる展示サンプルも用意。「ヘリウムでないとプラッタ7枚を回転できない」「我々は2001年から研究を開始、様々なテストや知見を重ねてきた」「昨年までに400万台以上のヘリウムモデルを出荷、NETFLIXなどのデータセンターでも採用されている」など、他社と比較したアドバンテージをアピールしている。

液体中でも動作するHDD?

 なお、イベント会場となったツクモパソコン本店IIでは売り場でHDDの液没デモも実施。

 これは、ヘリウム封入のための密封構造をアピールするためのもので、基板なども含めてまるごと液体(フロリナート)内に沈め、それでもHDDが動作する、ということを紹介していた。

[撮影協力:ツクモパソコン本店II]