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掴む、投げる、そして転ぶ…、「HTC Vive」でどっぷりVRに浸かる女の子たち

ツクモ DE つくる女 イベントレポート text by 林 佑樹

「女の子が最新VRを体験しちゃうじょ?! ~HTC Viveをがっつり体験!」。左から、大河原あゆみさん(ゲストMC)、山下まみさん(メインMC)、お笑い芸人コンビ たぬきごはん(ゲスト)。以上のメンバーでHTC Vive体験なニコ生となった

 ツクモで定期的に開催されているイベント「ツクモ DE つくる女」の第21弾「女の子が最新VRを体験しちゃうじょ?! ~HTC Viveをがっつり体験!」が、23日(土)にツクモパソコン本店で開催された。通常は見学可能なイベントだが、今回はHTC Viveを使用する関係上、ニコニコ生放送のみでの開催となった。

 HTC Viveはご存じの方も多いと思うが、トラッキング仕様は幅広く、1.5mのスクエアスペースのフラットな空間の用意が前提条件。付属するベースステーション×2は、上下左右120°の広範囲にトラッキング用IRを照射しており、HMDとViveコントローラーの位置を取得する関係上、今回は観覧席を用意できなかったわけだ。

 なお、ベースステーションは1基のみでも使用可能なので、いちおう日本家屋にありがちな狭い部屋にも対応している(狭い部屋向けの広角レンズアダプターがほしいところだが)。HTC Viveの詳細については、こちらの記事を参照してほしい。

セッティングの状態。写真右手にあるライトスタンド上部にあるものが、ベースステーション。対角線上にもう1基ある
ベースステーションの角度は30度くらいに傾ける必要がある
HTC Vive本体とViveコントローラー
放送中の様子。AMD 西川氏による解説もあった
HTC Vive Ready PC取得予定の「G-GEAR mini VG7J-B81T/HV1」を実際に使用してのデモとなった。搭載されるGPUはAMD Radeon R9 Nano。要求スペックの高いVRにしっかりと対応したもので、ゲーミングPCとしても十分な性能を持つ
AMD Radeon R9 Nanoをアピールする西川氏。High Bandwidth Memory(4096bit帯域)をプッシュしていた。またボード長の短いハイエンドGPUとしても弥勒的な製品。SAPPHIRE SA-R9NANO-4GAMDが、いつの間にか税込64,778円と、だいぶ狙いやすい価格になっていた。
今回の環境は、ニコニコ超会議(4月29日〜30日)でも用意される
AMDの非公式応援キャラクター「愛真田 心」もちゃんといた。ところで、Ikinaもしれっと混ざらないだろうか

 実際にHTC Viveの体験をしたのは、山下まみさんと、たぬきごはんの宍倉 孝雄さんとほり ゆうこさんの計三人。山下まみさんは、すでにVR経験はアリだが、軽く触った程度だという。たぬきごはんの二人については、経験無しといった状態からのスタートだった。まずは、「Job Simulator」からで、これは山下まみさんが担当。Job Simulatorは、いくつものジョブを体験できるというものだが、フリーダムな面もあり、わりと好き勝手に遊べるタイトルだ。また、Viveコントローラーで掴む、投げるといった操作を行うほか、実際に背を伸ばしたり、しゃがんだりもするため、没入感を知るにはちょうどいいタイトルだ。生放送をタイムシフトで見ると分かるが、途中、山下まみさんはVR空間上の机の先にあるオブジェクトを確認しようと、身を乗り出してしまい、大きく転倒するシーンがあった。

HTC Viveを装着した山下まみさん
プレイはこんな感じ。3次元的な動きを要求される
これは天井のスプリンクラーにモノを投げつけようとしているところ

 たぬきごはんの宍倉さんが挑戦したのは、「The Lab」内のミニゲーム。タワーオブディフェンスのコマのひとつになって、ゲートに向かう敵を弓で射るというものだ。ゲーム中では、矢をつがえて、引き絞って、エイミング、そして放つ、といったアクションを実際に行なう必要がある。とても楽しく、シンプルにVRゲームの魅力を把握できるものだ。

弓で射ろうとしている宍倉さん。こういった明瞭なアクションだと、VRの楽しさがわかりやすい。また遊んでいる感覚が見ている側にも伝わるため、周りで見ている人も楽しめる
実際のゲーム画面。HMDから見ると、ちょうどいい位置に弓と矢があるため、没入感が増すというわけだ

 最後に、たぬきごはんのほりさんは、ホラーものである「The Visitor」を体験した。プレイというよりは、空間内であれこれ起きるホラーな現象を体感するもので、Viveコントローラーは不要だ(筆者としては、お化け屋敷が大嫌いなので、2度とプレイしたくないタイトルの上位に位置していたりする)。

 結果としては、人力フィードバックによる影響も大きいが、下記写真のように、すごい体勢になるほどだった。フィードバックについては、国内だとCEATEC 2016で触覚フィードバックが多く発表されているため、いずれはぼっちでもマルチフィードバック付きのVRが楽しめるようになるだろう。ゲームコントローラーのバイブレーションもフィードバックのひとつで、それを発展させたものと考えれば、イメージしやすいハズだ。

HMDを装着したほりさん。The Visitorは暗いお部屋が舞台なので、わりとこんなポーズになりがち。また椅子に座っての体験となっているが、スペースに余裕があれば、ベッドに寝た状態からのスタートを推奨する
人力フィードバックの様子。これがなくても十分に怖いタイトルなのだが、フィードバックがあると思いっきり怖くなる
良い笑顔である
ティッシュがふわっと触れるだけでも驚くさまは、タイムシフトでチェックしてみよう。筆者も似たような人力フィードバックを受けたことがあるが、その際はフツーにジャブを放ってしまった。真似をする時は、対象者の反応に注意しよう
霧吹きによるフィードバック
サーキュレーターによるフィードバック
VR体験済みだと怖さがわかるのか、真顔でモニターを見つめる3人
プレイ画面は、見ている側だと、暗い部分が多くわかりにくいのだが、低解像度のHMDでも体感できる配慮としては正解だ。必然的に明るい場所に目がいくし、細かい物体の動きも検知してもらいやすい
The Visitorの最後は、どうしても避ける行動をしやすい演出が待っている。よって、写真のようなダイナミックアクションになるというか、多くの人が反射的な動きをするだろう

 VRはその性質上、実際に体験してみないと分からない点が多い。現時点では設置条件や必要なデバイス、要求スペックの高さから、ホイホイとスタートできるものではない。ただ、今回の生放送を見てもわかるように、実況向きの要素もあり、2016年Q2以降の盛り上がりが期待されている。秋葉原やイベントなどでは、タッチ&トライするチャンスが多くなりつつあるので、是非体験してみてほしい。それから、「VR用の空間どうしようかなぁ」という点については自分の部屋と相談しよう。可能性と楽しさについては『女の子が最新VRを体験しちゃうじょ!~HTC Viveをガッツリ体験!~』をタイムシフト視聴してみると、よくわかるハズだ。

[撮影協力:ツクモパソコン本店]