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モンハンワールドは外付けSSDで快適に! PS4 ProをCrucial MX500で高速化

1TB SSDをゲーム機にフル活用、FF15やニーア オートマタのロード時間も短縮

 モンスターハンター:ワールドの発売などによって再び注目を集めているPS4。上位のPS4 Proも含め、内蔵ドライブはHDDだが、SSHDやSSDに換装することでゲームロード時間を短縮できることが知られている。

 弊誌でも内蔵ドライブの換装のレビューを行っているが、2018年の最新型SSDを使用した際の効果を、PS4 Proを使用して改めて検証してみたい。

 今回テストを行うのは、内蔵HDDを最新SSDに換装した際にどうかわるのか、最新SSDを外付けケースに入れて接続した際に快適になるのかの2点だ。

 結論から書くと、手軽にPS4 Proを快適にするなら外付けSSDの増設はかなりお勧めだ。もちろん内蔵ドライブをSSDに換装するのがベストだが、ある程度の知識や技術は必要になる。手軽にPS4のゲームを快適に遊びたいといったユーザーは是非外付けSSDの節を見てもらいたい。

 なお、PS4 Proの下位にあたる薄型PS4を使った場合の検証結果は別記事に掲載しているので、そちらも参考にしてほしい。


PS4 Proの内蔵ストレージを1TB SSDに換装使用するのはCrucialの最新モデルMX500

Crucial CT1000MX500SSD1。Crucial MX500 シリーズの1TBモデルで、SATA接続かつ7mm厚の2.5インチSSD。Microの最新世代の3D NANDを搭載したモデルで、容量は250GB、500GB、1TB、2TBがラインナップされている。
CT1000MX500SSD1をPCに接続した際の速度。最新世代のSSDらしく、リード約560MB/s・ライト約510MB/sと高速だ。

 それでは内蔵ドライブの換装手順からお届けしよう。

 PS4 Proの内蔵ストレージとして利用するためには、インターフェイスにSATAを使用する2.5インチのSSDまたはHDDで、厚さ9.5mm以下かつ容量160GB以上である必要がある。

 今回用意したSSDは、Crucial MX500シリーズの1TBモデル「Crucial CT1000MX500SSD1」。このモデルはPS4 Proの対応ストレージ要件をすべて満たしている。

 PS4 Proの内部ストレージをSSDに交換する場合、交換したSSDにPS4のシステムを再インストールする必要があるため、事前に「アップデートファイル(再インストール用)」をUSBストレージに入れて準備しておこう。

 また、内部ストレージに置いてあるセーブデータも忘れずにバックアップしておきたい。もし、1TBや2TBといった容量を持ったUSBストレージを持っているなら、PS4 Proのメニュー内にある「バックアップ/復元」から「PS4をバックアップする」でバックアップイメージを作成しておけば、インストール済みのゲームや各種設定を全て移行することもできる。

PS4自体のバックアップを作成しておけば、ストレージ交換前の環境をそのまま移行することもできる。
試しに240GB分のバックアップデータの作成と復元を行ったが、それぞれ1時間程度の時間を要した。

 それではストレージの換装作業に入ろう。

 PS4 Proの内蔵ストレージには、本体背面の樹脂カバーを外すことでアクセスできる。固定ねじを外してディスクトレイを引き出し、標準搭載のHDDをSSDに載せ替えて戻せばOKだ。

 その後、PS4 Proを起動してシステムのインストールを行えば交換作業は完了だ。必要に応じてバックアップデータの復元やセーブデータの移動などを行うことになる。

本体背面の樹脂カバーを外すことで内部ストレージにアクセスできる。
樹脂カバーを外すとディスクトレイを固定しているねじにアクセスできるので、これを取り外す。
本体から取り出したディスクトレイと標準搭載のHDD。
HDDはディスクトレイ側面から4か所ねじ止めされているのでこれを外す。
元々内蔵されていたHDDは東芝 MQ01ABD100。
交換用のSSDをディスクトレイにねじ止めする。ディスクの向きは要注意!後は本体に戻すだけだ。
再セットアップ時はこのようにシステム再インストールがガイドされ、迷うことは無い。
最終的にセーブデータをバックアップから書き戻せば作業は環境だ。

SSD換装で最高2倍程度ロード時間が短縮される例もHDDとSSDでロード時間を比較

元々の内蔵HDDとSSDのCrucial MX500 1TBで速度を比較。

 それでは、標準のHDDと交換したSSDでどの程度ゲームのロード時間が変わるのかを紹介しよう。

 テストは、ゲームを選択して起動が完了するまでの時間と、ゲーム起動後にセーブデータを選択して操作可能になるまでの2種類で比較してみた。

 今回のテストに用いたゲームは、「モンスターハンター:ワールド」、「ファイナルファンタジーXV」、「ニーア オートマタ」の3本だ。

モンスターハンター:ワールド
ファイナルファンタジーXV
ニーア オートマタ

 まずはゲームの起動時間の比較結果だ。いずれもSSDがHDDより短い時間で起動を完了しており、その差はおおよそ15~20%程度高速となっている。

ゲームの起動時間

 続いて、セーブデータをロードして実際のゲーム画面が描画されるまでの時間を比較した。

 ゲームの起動時間よりもHDDとSSDの差は拡大しており、モンスターハンター:ワールドやファイナルファンタジーXIVでは、SSDがHDDの半分以下の時間でロードが完了している。

セーブデータのロード時間

 ゲームの起動やセーブデータのロード以外にも、ゲーム中においてのマップ切り替えなどで生じるロード時間の短縮にSSDは効果を発揮する。

 モンスターハンター:ワールドで探索に出発するにあたってのロード時間を比較したのが以下の動画だ。探索の開始を決定してから操作が可能になるまでの時間は、HDDが約52秒なのに対し、SSDは約19秒と半分以下の時間でロードを完了している。

【SSDとHDDのロード時間比較(モンスターハンター:ワールド)】
モンスターハンター:ワールドで探索に出発する際のロード時間はSSD換装でかなり改善される。ゲームを遊ぶ上でかなりの回数ロードすることになるので、効果は大きい。

 これらの検証結果から、起動時間やロード時間の短縮においてSSDの優位は明らかだ。広範囲なマップを描画するために大量のデータをロードするモンスターハンター:ワールドやファイナルファンタジーXIVのようなゲームでは、PS4 ProのストレージをSSD導入による恩恵は大きい。


手軽にゲームのロード時間を短縮するなら外付けSSDPS4 Pro + 外付けSSDはかなりアリ!

SSDを外付けケースに入れて繋ぐだけでもゲームの高速化は可能だ。
拡張ストレージとして利用可能なUSBストレージの条件

 冒頭でも触れたが、簡単な部類とは言え、PS4 ProのSSD換装はある程度知識や技術が必要になる。PS4のシステムインストール用のファイルはPCが無ければ用意できなかったり、ねじを外して付け替えてといった作業は手間もかかる。

 そういったことが良くわからなかったり、面倒だというユーザーにお勧めしたいのがSSDを外付けドライブにして増設する方法だ。

 システムソフトウェア バージョン4.50以降のPS4では、USBストレージをゲームのインストール先として利用可能とする「拡張ストレージ化」がサポートされている。

 拡張ストレージとして使用可能なUSBドライブの条件は、「PS4に直接接続すること」「USB 3.0以上のインターフェイスであること」、「容量は250GB以上、8TB以下」の3点を満たしたものになる。この条件を満たせば、外付けHDDや外付けSSD、USBメモリなどが拡張ストレージとして利用可能だ。

 今回は、玄人志向のUSB3.1対応2.5インチドライブケース「GW2.5FST-SU3.1」を使い、Crucial CT1000MX500SSD1を外付けSSDとして拡張ストレージ化してみた。

玄人志向 GW2.5FST-SU3.1。USB 3.1 Gen 2対応の2.5インチドライブケース
GW2.5FST-SU3.1にCT1000MX500SSD1を搭載して拡張ストレージとして利用する

 拡張ストレージ化は、設定の周辺機器から「USBストレージ機器」から接続したストレージを選択し、「拡張ストレージとしてフォーマットする」を実行することで行える。

 拡張ストレージ化が完了した後は、設定のストレージから本体にインストールしたゲームを拡張ストレージへ移動させることができる。

USBストレージを選択して「拡張ストレージとしてフォーマットする」を選択して処理を実行する。
拡張ストレージ化が完了すると、ストレージの一覧に拡張ストレージ化したUSBストレージが表示される。
本体ストレージのアプリケーション一覧画面でオプションメニューを開くと、「拡張ストレージへの移動する」という項目が表示される。
移動したいゲームを選択して拡張ストレージに移動する。

 では、拡張ストレージとして利用したSSDのパフォーマンスを確認していこう。なお、外付けSSD利用時の本体ストレージにはPS4 Pro標準搭載のHDDを利用している。

 ゲームの起動時間の比較だが、拡張ストレージ化したSSDは本体に内蔵したSSDに肉薄しており、HDDよりも明らかに高速だ。

ゲームの起動時間

 セーブデータのロード時間では、内蔵したSSDに1秒ほどリードされているが、速度は内蔵SSDにかなり近いものがあり、HDDを圧倒する点は変わりない。

セーブデータのロード時間

 内蔵ストレージ用のインターフェイスが6Gbps SATAとなったPS4 Proでは、SSDを内蔵するのが最も高速だが、USB3.0以上に対応した高速なドライブケースを持っているなら、PS4のシステム移行作業などをする必要のない拡張ストレージとしてSSDを利用するのも一考の価値がある。手軽かつSSDなどに詳しくないユーザーでも導入できる意義は大きい。

 もちろん、相性やデバイス自体の性能差などもあるので、全てのSSDと外付けケースの組み合わせで今回のような高速性が発揮されるわけでは無いし、逆にさらに高速な結果が出る組み合わせもあるかもしれない。鉄板構成の一つとして、Crucial MX500の1TBモデルに玄人志向のGW2.5FST-SU3.1を組み合わせる例を覚えておいてもらえば幸いだ。

内蔵でも外付けでもPS4 Proのゲームを快適にできる最新SSD

 PS4 ProでSSDを利用すれば、セーブデータのロードやマップの切り替えなどゲームプレイで避けては通れないロード時間を大きく短縮できる。

 今回の検証に使用したCrucial MX500シリーズは、最新の3D NANDフラッシュの採用により総書き込みバイト数は360TB(1TBモデル)に達しており、耐久性もPS4の内蔵ストレージとして申し分ない。

 耐久性と速度を両立する最新のSATA SSDであれば、内蔵でも外付けでも、PS4 Proでのゲームをより快適にできる。ロード時間を短縮して存分にゲームを楽しむためにも、PS4 ProではぜひともSSDを使いたい。

[制作協力:Crucial]