取材中に見つけた○○なもの

アキバエレショーで見てきたWi-Fi可視化が面白かった件

アキバエレショーは、秋葉原にある電機・電子部品商社が製品を展示する場で、2月7日に開催されたのが第2回。出展社は71社、サンハヤト・サトーパーツ・村田製作所など電子工作をしている方なら聞き覚えのあるメーカーの名前もありますが、展示されているのはFA機器や回路基板製作用のUVプリンターなどと完全にビジネス向けです。

 「アキバエレショー」というビジネス向けの展示会が2月上旬に行われたのですが、会場にあった「Wi-Fiの可視化」がとても面白かったのでちょっとご紹介。

 この展示を行っていたのは「計測器ランド」というショップも運営している東洋計測器のブースで、展示されていたのはNETSCOUT社が提供する無線LAN環境(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)の調査解析システム。

 「AirMagnet(エアマグネット)」というソフトで収集したデータをリアルタイムで分析する、というもので、会場に飛び交う1,000以上の無線を分析、例えば「携帯会社が提供している公式Wi-Fiの強度分布」といったものをモニターに表示できます。

無線LANの電波強度を色分けして表示

これがSoftbankのWi-Fi
これがdocomoのWi-Fi(写真ボケてますが、雰囲気は伝わるかなと……)
電波強度を表示していない状態
一定の強さのところでマスキングすることも可能。これはdocomoのWi-Fiのヒートマップをマスキングしたもの。実は濃い緑の地点にアンテナがたっているそうです。

 上の図はアキバエレショーの会場になったUDX2階アキバスクエアを測定したもの。測定ポイントと電波強度などがカラーで直観的に表示されています。点線は、ブース担当者さんがAirMagnetを入れたノートPCを持ってサーベイ(測定)した部分で、塗られているカラー(ヒートマップ)が電波強度(オレンジが最も強く、黄色→緑の順で弱くなる)を示します。

 無線に関する知識が全くなくても、強さが目で見て分かるのはかなり感動です。特にWi-Fiが飛びかっているだろう秋葉原、しかも多くの人が行き交う展示会場で測定のデモが見られたのは貴重だなと。

 ちなみに測定は、「ノートPCを持ちつつ移動、3~6m歩いたら、10秒ほど留まり測定」というのを繰り返し、地図の白い部分をちょっとずつ埋めていくそう。

 このほか、無線LANで使用する周波数帯(2.4G/5GHz帯)専用のスぺクトラム解析ツールもありました。周波数帯が近い電子レンジやBluetoothなどとの干渉を防ぐため、事前に測定して干渉源が発生しやすい時間帯を調べたり、干渉波がなく安心して使用できる周波数帯を探すのに役立てようというものだそうです。

 これらシステムは、駅や空港などの公共施設やショッピングセンターなどの電波改善のために作られたシステムだそうで、実際にかなりのシェアがあるとのこと。ノートPCにAirMagnetをインストールすれば同じ環境で計測ができるそうです。

ハンディタイプのチェッカーも

AirCheck G2で電波状況を確認中

 ノートPCと組み合わせるシステムのほか、気軽に測定できるハンディタイプのWi-Fiチェッカー(「OneTouch AT」と「AirCheck G2」)も展示されていました。

 「いくら測量するからといって、いきなりショッピングモールにノートPCを持ったおじさん達がうろついていたらびっくりされちゃいますから。まずWi-Fiチェッカーでお試ししてもらって、本格的に計測して改善してみては?とご提案させて頂いています」(東洋計測器さん)。

 AirCheck G2でWi-Fiを解析している様子です。SSIDが一覧で表示され、セキュリティの設定状況など色々な情報を見やすく表示しています。SNRというのは信号とノイズの比でこの値が大きければノイズの影響が少ない良い状態ということに。

 最近ではスマートフォンの無料アプリでもWi-Fiの電波強度を簡単に見ることができますが、展示していた業務用測定機器では、接続確認からアクセスポイントの信号レベルだけでなく、速度、ルーターまでの通信、インターネット上のサーバーなど、設定した項目に対してすべてのテストを自動的に実行してくれ、トラブルシューティングまでやってくれるそうです。

 今回はWi-Fiで生じた問題のトラブルシューティングまで見ることは叶いませんでしたが、東洋計測器の実店舗に訪れれば専門のスタッフの方が応対し詳しく説明してくれます。ちなみに同社、2016年にNETSCOUTの日本総代理店になったそうで、「手厚くサポートします!」とのこと。

 プロ用の道具って凄い。そしてそんな凄いものを普通にお店でぽんと買えるのが秋葉原なんだと思うと、やはり秋葉原は電気街なのだと感じられた1日でした。