取材中に見つけた○○なもの

熾烈な戦いを繰り広げたPentium III vs Athlonの“1GHzバトル”

2000年の秋葉原

1GHzを巡る両者の争い

 1999年ギリギリまで続いたIntelとAMDのクロック競争。2000年前半には大台となる“1GHz”を達成したCPUが店頭に登場しました。さて、どちらがx86初の1GHzを達成できたでしょうか? 今回は2000年の年明け早々から再開されたIntelとAMDのクロック競争を紹介します。

※社名、製品名、販売店名は取材当時のものです。

年明けの1月早々にPentium III 800MHzが販売開始、AMDはAthlon 800MHzを店頭デモ

 一部のショップでバルク版のPentium III 800MHzが販売開始。入荷したのはSECC2タイプで、100MHz×8と133MHz×6の2モデル。一方のAMDはAthlon 800MHz搭載PCのデモを開始しました。(撮影:TWO-TOP秋葉原1号店、TWO-TOP秋葉原2号店、フェイス)

 Pentium III 800MHzの発売に遅れること数週間、バルク版のAthlon 800MHzが販売スタートしました。しかし、組み込み向けCPUの単体販売は駄目だというAMDからの注意により、販売が中止される一幕も。(撮影:TWO-TOP秋葉原1号店)

3月にAthlon 850MHzが登場、クロック競争はAMDが一歩リード

 x86 CPUクロック競争はAthlon 850MHzの登場によりAMDが単独トップに。同時にAthlon 800MHzのリテールパッケージも発売されました。(撮影:DAV2号店、PCiN秋葉原、WAVE EYE秋葉原店)

【2000年3月始めにAMD、Intelともに1GHz CPUの出荷開始をアナウンス】

AMD、Athlon 1GHzを正式発表 1GHz搭載機はCompaqとGATEWAYから(PC Watch)

Intelも1GHz到達 Pentium III 1GHz発表(PC Watch)

 3月頭に発表された1GHz CPUの出荷開始。このときはAMDが2日早くリリースを出しました。両社ともに完成品PC向けとしての出荷であり、CPU単体で秋葉原店頭に並ぶのには少し時間がかかりました。

Gateway直営ショップでAthlon 1GHz搭載PCのデモが開始(撮影:秋葉原ゲートウェイカントリー)

IntelからPentium III 866MHzが登場するも、AMDはAthlon 950MHzで再度逆転

 どちらも1GHz CPUが発表され、後は発売を待つばかりとなった3月。IntelはPentium III 866MHzでクロック競争のトップに立ちましたが、記事タイトルにもあるとおり3日でAthlon 950MHzに逆転されてしまいます。(撮影:TWO-TOP秋葉原1号店、TWO-TOP秋葉原2号店、OVERTOP、BLESS、ツクモパソコン本店II、PCiN秋葉原、WAVE EYE秋葉原店)

店頭にAthlon 1GHzが登場、バルク版

 店頭に登場した初の1GHz CPUはAMDのAthlonとなりました。Pentium III 1GHzのCPU単品販売は3ヶ月遅れの7月から開始されました。(撮影:コムサテライト2号店、PCiN秋葉原、WAVE EYE秋葉原店、USER'S SIDE本店)

新プラットフォームに移行し、AMDとIntelの戦いは続く

 2000年中盤からAthlonは2次キャッシュを統合した新コア「Thunderbird」を導入し、形状もSlot AからSocket Aへと移行していきます。オーバー1GHz製品や価格改定で攻めるAMDに対し、2000年のIntelは新チップセットやRDRAMの導入に苦戦し、製品のロードマップも度々変更されるなど苦しい戦いを強いられますが、年末にはクロック競争で優位にたつ「Pentium 4」をリリースします。

x86 CPU最速を更新するAthlon 1.1GHzの登場ととも価格改定が行われ、Athlon 1GHzは5万円台へと大幅値下げ。ギガヘルツCPUがより購入しやすくなりました(撮影:高速電脳、テクノハウス東映)
x86 CPU最速となる1.5GHzがラインナップされたPentium 4は11月に登場。動作には高価なRDRAMが必要でしたが、正規パッケージには64MBのRDRAM2枚が同梱されていました(撮影:TSUKUMO eX)