取材中に見つけた○○なもの

SSDの裏話をSSDコントローラメーカー「シグリード」に聞いてみた

2TB SSDのサンプルと450万円のNANDチェック機器を店頭デモ中

 SSDコントローラの開発やNANDフラッシュの検証機などを開発する「シグリード」の製品展示がパソコンショップ アークで実施中。

 展示期間は4月6日(月)までで、ゴールデンウィーク期間(4月第4週〜5月10日(日)まで)も展示する予定とのこと。

 設営時にシグリードのスタッフに話を聞くことができたので、SSDの裏話を少し聞いてみました。


SSDの寿命はECCの効果で決まる? 2TB SSDがなかなか出てこないわけには理由が

SL2007C-S搭載SSDのサンプル
裏面側、NANDは2TB分実装
コントローラ

 パソコンショップ アークで展示されているのは、シグリード製のSSDコントローラとNANDフラッシュ検証機。はじめにSSDコントローラのSL2007Cから紹介します。

 SL2007Cは、リード550MB/s・ライト450MB/sの6Gbps SATA用SSDコントローラ。速度は業界トップというわけではありませんが、強力なECC(誤り訂正符号)機能がウリのモデル。展示はSSD基板に実装されたかたちで行われています。

 SSDの寿命はNANDフラッシュ自体の書き換え可能回数だけでなく、ECCの出来に大きく左右されるそう。例えば、ECCを最適化することで、ワンランク下のNANDフラッシュを使ったとしても、上位モデルと同等の寿命を実現できるくらいに効果があるとか。ECCを作りこんでいるメーカーはあまりないそうなので、この点が他のコントローラに対してのアドバンテージだそうです。

 複数メーカーとコンタクトをとっているそうなので、遠くないうちに搭載モデルが秋葉原で発売されるかもしれません。個人的には、日本のメーカーから日本のコントローラ+NANDといったSSDが出てきて欲しいところ。

SSDコントローラの機能紹介

 ちなみに、展示されているサンプルは2TB分のNANDフラッシュメモリを搭載したもの。一応2TB SSDなのですが、電源を入れた際に認識される容量は1TBになってしまうんだとか。

 なかなか2TB SSDが出てこない理由と合わせて聞いてみたところ、「32bitコントローラの制限」(メーカー)だそうです。32bitコントローラで2TBを実現するには、物理的に2個のコントローラを実装して束ねるか、かなりトリッキーなことをする必要があるそうで、特殊なモデルに限定されてしまうそう。

 32bit OSでは、メモリの最大容量や、使えるHDDの最大容量などの制限が過去問題になりましたが、SSDのコントローラにも同じことが起きているようです。「64bitのSSDコントローラを作れば良いじゃん!」という話ではありますが、今すぐに出そうとした場合、開発費をそのまま価格に反映するとコントローラ1個の価格は50〜100倍になるとか。64bitコントローラの研究自体はしているそうですが、2TB以上のSSDが手に入れやすくなるのは少し先になるかもしれません。

 ついでにSSDの速度は今後どうなるのか、M.2 SSDなどの話も聞いてみたところ、コントローラ自体はPCI Expressの接続レーン分の速度がでるくらいのポテンシャルはあるそうです。ただし、M.2は基板サイズの問題でNANDフラッシュメモリを多く実装できないため、接続チャネルを増やして速度を上げることが難しく、速度をどう伸ばすのかが課題になっているとか。

 Intelが出しているようなNVMeのPCI Expressカード型であれば2GB/sや3GB/sといった速度も可能だそうですが、現状はIntelのサーバー向けモデルがあるくらいで、どこかが開発しているといったような話も聞かないそうです。コンシューマ向けでカード型の高速SSDは発売されれば需要があると思うんですけどね……。


NANDフラッシュ検証機は約450万円、速度やエラーの出方などを細かく検証可能

NAND検証機 SigNASII
エラーレートや速度の検証がチップ単位で可能
ECCをどの程度強くかければエラーが出なくなるのかもテスト可能

 SSDと合わせて展示されているがNANDフラッシュ検証機の「SigNASII」。NANDフラッシュ2枚を同時にチェック可能なモデルで、エラーレートや速度の検証などが可能。NANDの品質チェックや、どうNANDチップが壊れていくのか、壊れた原因をチェックするといった用途に使う機器。

 価格は約450万円と個人では手が出せない価格帯ですが、海外のフラッシュメモリメーカーなどから引き合いがあるそうです。故障した原因を突き止めたり、NANDフラッシュがカタログシート通りの性能が発揮されているかを調べたりと、製造メーカーには必須といえるかもしれません。ちなみに、128枚のNANDフラッシュを同時チェック可能な上位モデルSigNASIIIもラインナップされています。

 NANDフラッシュはSLCがやはりエラーが少なく、MLC、TLCとなるにしたがりエラーが発生しやすくなるそうです。実際にどの程度のECCをかけるとエラーがでなくなるかの結果が店頭では表示されており、店頭デモで使われているNANDフラッシュは24bit ECCで補正することでエラーが発生しなくなっていました。

SigNASIIの機能紹介

 2TB NANDフラッシュ実装SSDや、製造メーカー向けの機器を見てみたいという方は店頭に足を運んでみてはいかがでしょうか。

(久保 勇)