取材中に見つけた○○なもの

Raspberry PiでノートPCをつくる組み立てキット「pi-top」の内容物を一挙公開!

【DOS/V POWER REPORT】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 「pi-top」は、Raspberry Piを使ったノートPCの組み立てキットです。DOS/V POWER REPORT 2016年6月号(2016年4月28日発売)に掲載されている紹介記事「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」では、組み立てやOSの日本語化なども紹介しています。

 ここでは、その一部をご紹介いたします。

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号 特別企画
「pi-top」入門講座 抜粋編

クラウドファンディング生まれのノートPC

 3Dプリンタでハードウェアを試作しやすくなったため、Raspberry Piをコアとして組み込んだ新製品をクラウドファンディングを通して提案することが一つのブームになっています。「pi-top」もその一つで、Raspberry Piを使ってノートPCを作ってしまおうというプロジェクトです。

 pi-topは、誰でも気軽に手に入れられ、もの作りを楽しめるようにと生み出されたキットです。ハンダ付けなどは必要なく、子供でも組み立てられます。使われている基板やパーツがどんなものであるかを理解し、ハードウェアを作ることはどういうことかを通じて、Raspberry Piを使ったもの作りを学んでもらうことが目的です。Raspberry Piのアドオンボード規格である「HAT」対応のオプションも発表され、pi-topと組み合わせた活用法も期待されています。

 Raspberry Pi財団の創始者Eben Uptonもこのpi-topを大いに気に入っており、彼はこれを子供向けの「よいおもちゃ」であると考えています。

 このpi-topプロジェクトは、クラウドファンディングのIndiegogoで2014年12月に必要調達額の約2倍の資金を集めて成立し、資者へのpi-topの発送は2015年5月を予定していましたが、実際は大幅に遅れて11月に発送が開始されました。また、HAT対応のオプションについては2016年初頭まで延期されました。これは、中国深センでの製造過程を通じて本体設計を大幅変更したことによるものです。クラウドファンディングは商品の購入ではなく「投資」に近い仕組です。投資の直接のリターンは商品ですが、メーカーとともに完成品を仕上げていくこうした「過程」を楽しめるのも投資の一環と考えましょう。

 さてpi-topですが、非常に柔軟な構造のため、本体内の空きスペースに拡張ボードを入れて電子工作を試したり、部品の一部を3Dプリンタで自作して入れ換えたり、pi-top OS以外のOSに入れ換えたりと、事実上フルカスタマイズが可能です。組み立てた後もなにかと楽しめる1台なのです。

pi-topでができる?

pi-topでは以下のようなことができます。

1. Raspberry PiをノートPC化
 組み立てれば13型ノートPCのできあがり!

2. 10時間前後バッテリ動作が可能
 大型バッテリと電源制御基板付きで長時間駆動!

3. Raspberry Piは交換できる
 ほかのRaspberry Piシリーズも使える!

【キットの内容物】

pi-topを構成するパーツは以下のとおりで、パーツの数としては自作PCと変わらない規模です。いまRaspberry Pi付きで注文すれば、64bit SoCを搭載する最新版「Raspberry Pi 3 Model B」が付属します。

 ちなみに日本国内で使用する場合、技術基準適合証明(技適)を取得した無線LANアダプタと、アース付き3ピンプラグに対応した電源タップか変換プラグが必要です。

直販価格:299.99ドル(Raspberry Pi付属)/269.99ドル(pi-top本体のみ)

■1. ベース
本体の下側のパーツ。手前に51.8Whのバッテリを内蔵する

■2. リッド
13.3型液晶(1,366×768ドット)を内蔵しノートPCのフタになる

■3. ベーストップ
キーボードとトラックパッドを内蔵する本体の上側のパーツ

■4. アクリルスライス
ベーストップの開口部をふさぐ半透明のカバーで、取り外せる

■5. ACアダプタ
US仕様3ピンプラグのACアダプタ。18V/3Aの出力を持つ

■6. ハブ
Raspberry Piの映像出力や電源、バッテリの制御などを行なう基板

■7. Raspberry Pi
Raspberry Pi本体。最新版はRaspberry Pi 3 Model B

■7. 内部電源ケーブル
ハブからRaspberry Piに電源を供給する短いMicro USBケーブル

■9. 内部映像ケーブル
Raspberry Piの映像をハブに出力する短いHDMIケーブル

■10. GPIOケーブル
Raspberry PiのGPIOをハブに接続するケーブル。ハブを制御する

■11. キーボードケーブル
ベーストップのキーボードをRaspberry Piに接続するケーブル

■12. 電源制御ケーブル
ベーストップの電源ボタンとハブを接続するケーブル

■13. ネジ類、工具一式
組み立てに使用するナットやボルト、組み立て工具などの一式

■14. 無線LANアダプタ
付属の無線LANアダプタ。原則として日本国内では使えない

■15. microSDカード
pi-top OSが書き込まれた8GBのmicroSDカード。Raspberry Piに取り付けて起動ディスクとして利用する

【製品情報URL】

pi-top:http://www.pi-top.com/
Indigogo Pi-Top, a Raspberry Pi laptop you build yourself!:https://www.indiegogo.com/projects/pi-top-a-raspberry-pi-laptop-you-build-yourself#/
Raspberry Pi - Teach, Learn, and Make with Raspberry Pi:https://www.raspberrypi.org/


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

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