【 2001年6月9日号 】

64bit CPU「Itanium」を搭載したサーバーの販売開始、デモ実施中

Itanium搭載サーバーItanium搭載サーバー
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 AMDからAthlon MPが登場したのに対し、Intelからはもっとスケールの大きい最新CPUが登場している。それは、先日発表されたIA-64アーキテクチャによる64bit CPU「Itanium」だ。もっとも、これは完全にエンタープライズ用の新アーキテクチャCPUであり、従来のx86系とは基本的に別物のためパーソナルユーザーにはほとんど関係ない。とはいえ、技術的にはなかなか興味深い点も多い。

 「Itanium」とはIA-64アーキテクチャと呼ばれるまったく新しい64bitのCPU。形式上、従来のx86アーキテクチャとの互換性もあるとはいえ、これはアプリケーション用ではなく、x86用に設計されたSCSIカードのBIOSなどに対応するためという位置付けのもので、基本的にOSやアプリケーションレベルではこれまでのアーキテクチャとは一線を画すものになっている。このCPUが導入される先はASPや巨大データベースのサーバーであり、結果的にライバルはSun Microsystemsなどのエンタープライズ系メーカーということになる。なお、AMDも64bit CPU「Sledgehammer」を開発中だが、こちらはx86アーキテクチャの拡張であり、従来のソフトウェアもそのまま動作する互換性を持つ予定になっている。

 「Itanium」搭載サーバーの販売を開始したのはぷらっとホーム。同店はもともとサーバーやUNIX関連の店頭販売はもとより、エンタープライズ向けソリューションのビジネスを本格的に展開しているところでもあり、今回の製品投入もその延長ということになる。独自のPrizeX 9600Mという型番をつけた「Itanium」搭載サーバ一の受注を開始し、すでに店頭でのデモもスタートしている。販売目的で「Itanium」搭載サーバーを店頭で常設デモしているのは、世界広しと言えどもここだけかも知れない。

 PrizeX 9600Mの標準構成は、Itanium 733MHz(Cache 2MB)×1、メモリ512MB、HDD 18.2GB×1というもので、SCSIカードやビデオカードもセットになっている。ケースは4Uラックマウント用だ。なお、FDDには標準で120MBのSuperDiskが搭載されているが、これはBIOSの容量がすでに2HDの1.44MBには入りきらないためだというのが、なかなか面白い。マザーボード上に搭載されているi460GXチップセットは最終仕様よりもひとつ前のステッピングのもので、これはあくまでも開発者や評価用に先行出荷するためのものと位置付けられ、後にアップグレードサービスが実施される予定という。標準構成の価格は1,950,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。このほか、オプションでCPU構成を733MHz(Cache 2MB)×2~800MHz(Cache 4MB)×2などに変更できる。

 価格から考えても、とても個人では買える物ではないが、店頭のデモは誰でも自由にチェックできる。デモ機の中身を覗くと圧巻で、2つ搭載されているItaniumには黒いボックス形状の冷却ツールが被され、まるでフルハイトのHDDのよう。「Caution Hot Surface」と書かれた黄色いステッカーが大きく目立ち、イメージとしては爆発物か放射能物質入りの危険物のようだ。まったくCPUの形は外からは見えない。その隣には電源用の巨大なヒートシンクも横たわり、実に物々しい。

 デモ機では64bit CPUに対応したTurbo Linuxが動作しており、これを利用することでパフォーマンスも体感が可能だ。エンタープライズなど関係ないという向きも、Intelの最新CPUを直接操作して体感してみるという意味で、チェックしてみるというのも有意義だろう。同店の話によると、単体でCPUを販売する予定もあるというから、実は意外にも個人で64bit CPUを使える日はそう遠くない将来にやってくるのかも知れない。

□Itanium(インテル)
http://support.intel.co.jp/jp/developer/design/IA-64/index.htm
□PrizeX 9600M(ぷらっとホーム)
http://www.plathome.co.jp/factory/product/prizex/9600m.html

 (Intel Itanium)

[撮影協力:ぷらっとホーム]


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