【 2001年6月9日号 】

Tyanから初のDual Athlon対応マザー「Thunder K7」が登場
現行ThunderbirdやDuronでもDual動作が可能?

Thunder K7パッケージ
【Thunder K7】【パッケージ】
NorthBridge(AMD-762)SouthBridge(AMD-766)
【NorthBridge(AMD-762)】【SouthBridge(AMD-766)】
部品配置Registered DDR DIMM
【部品配置】【Registered DDR DIMM】
専用電源8ピンコネクタ
【専用電源】【8ピンコネクタ】

 一部ショップが予告していた通り、AthlonのDual運用に対応した初めてのSocket Aマザーボード「Thunder K7」が週明け直後からアキバに出回り始めた。発表されたばかりのAMD-760 MPチップセットを搭載したサーバー向けマザーボードで、多くのショップでは専用電源とセットで販売中だ。

 このほか、複数のショップで新型PalominoコアのAthlon MPを使ったDualのデモや現行Duronを使ったDualのデモまで行われるなど、アキバは新たなDual環境で盛り上がりをみせている。

サーバー用の超豪華仕様

 Dual対応Socket Aマザーボードの第1弾をアキバに送り込んできたのはTyan。その製品とは、AMDが発表したばかりの最新チップセットAMD-760 MPチップセットを搭載し、同時発表された新型AthlonのAthlon MPをサポートする「Thunder K7」。サーバー向けという位置付けのため、仕様は非常に豪華で、拡張スロットはDDR SDRAM用スロット×4、AGP Pro×1、64/32bit 33MHz PCI×5、オンボードデバイスは3Com製LANコントローラー×2、Dual Channel Ultra160 SCSI、RAGE XL(4MB)となっている。

 搭載しているAMD-760 MPチップセットはSouthBridgeがAMD-766、NorthBridgeがAMD-762という新型チップの組み合わせ。見た目ではAMD-762の形状がSocket 7用CPUで一斉を風靡したK6シリーズにそっくりなのが面白い。ただし、形状が似ているといっても、実際にK6-IIIと比較してみると、サイズはAMD-762の方が一回り小さい。

 なお、このマザーボードはその豪華仕様ゆえ、サーバー用の特殊な電源を必要とする点に注意が必要だ。拡張型のATX電源コネクタのほか、マザーボード上に見慣れない8ピンの電源コネクタも追加されている。ショップも対応電源と同時に販売しているところがほとんどで、事実上のセット販売というかたちになっている。売られている対応電源はNMB Technologies製の460W電源で、型番は「GM460WTXW01SSV」。

 さらに、メモリはDDR SDRAMのRegisteredタイプを使わなければならない仕様のため、手持ちになければ、これも別途用意する必要がある。

現行AthlonとDuronでもDual動作は可能

 このマザーボードはAthlon MPでDual動作するのはもちろん、複数のショップのテスト結果によると、従来のThunderbirdコアAthlonでもDualで動作するほか、なんとDuronでもDual動作が確認できたという。AMDも最近のインタビューで、保証はしていないが構造的には動作するとの見解を示しており、とりあえず保証外の範囲ではあるが、「Thunder K7」とその周辺一式を揃えれば、Athlon MPを使わずとも手軽にAthlonあるいはDuronのDual運用が実現してしまうことになる。今の問題は技術面ではなく、もはやそれを実現するだけの財力がエンドユーザーにあるかどうか、ということになりそうだ。

 実売価格は「Thunder K7」単体が97,800円~98,000円、電源とセットが107,800円~108,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。このほか手持ちにない場合は、RegisteredタイプのDDR SDRAMが必要で、さらにDualで動作させる場合は同一クロックのAthlonもしくはDuronが2つ必要になる。

 なお、フェイスT-ZONE. 本店では「Thunder K7」によるDual動作デモを実施中。また、USER'S SIDE本店では、世界初公開(?)の「Thunder K7」とDuronを組み合わせたDual Duron動作のデモを実施している。スピードを実際に体感したいのならば、実際に足を運んでみるといいだろう。COMPUTEX TAIPEI開催中の台湾にまで出かけなくとも、アキバでじっくり最新Dual環境の動作デモを見ることができる。

□Thunder K7(Tyan Computer)
http://www.tyan.com/products/html/thunderk7.html
□AMD-760 MP/Athlon MP(日本AMD)
http://www.amd.com/japan/news/prodpr/nr21034.html

 (Tyan Thunder K7)

[撮影協力:エルプラザコムサテライト1号店]


[次の記事]: “Palomino”ことDual対応のAthlon「Athlon MP」が発売に

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