【 2001年6月16日号 】

星野金属が初のスチール仕様PCケース「F3シリーズ」を発売

F3シリーズF3シリーズ
F3シリーズF3シリーズ
F3シリーズF3シリーズ

 アルミ製ケースの一大ブランドと言っても過言ではない、星野金属の「WiNDy」。そのラインナップに、なんとスチール製PCケースの「F3シリーズ」が新たに加わり、アキバにもその姿を現した。当初は6月13日(水)の発売を予定していたF3シリーズだが、同社のオンラインショップでの注文数が予定台数を大幅に上回ったため、急遽発売日を15日(金)に延期して増産対応を取ったとのことだ。

 このF3シリーズは、同社のPCケースとしては初めてのスチール採用の製品で、価格は12,800~18,800円と(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)WiNDyブランドのPCケースとしてはかなり安価に抑えられている。これまで、その品質の高さと価格から、おいそれと手が出ない高級ブランドという感が強かったWiNDyだが、今回のF3シリーズでそのイメージを払拭する新たな方向性を打ち出してきたと言えそうだ。

 F3シリーズには、搭載する電源(3種類)とカラーリング(2種類)の組み合わせが異なる6種類が用意されており、本体サイズ、ベイ数、搭載電源など、基本スペックは同社アルミケースの「A3シリーズ」を引き継ぐ形となっている。ケース本体の重量については、材質がスチールであるためにA3シリーズより2倍ほど重くなってしまっているが、A3シリーズで剛性の高さに定評のあった「ハイテンションモノコックシャシーX」構造をスチール化することで、非常に高い剛性を実現しているという。また、カラーリングではA3シリーズにはなかった新色の「ペールミスト」が目を引き、淡いブルーが基調のこの色からは非常に涼しげな印象を受ける。

 スチール製ケースにおいては後発となる同社だが、それだけに今回の製品には、ほかとの違いを際立たせる新機軸を採用している。それは「環境への配慮」だ。F3シリーズはスチールケースとしては初めて、6価クロムを使用していない「クロムフリー鋼板」を採用した製品なのだ。PCケースに限らず、電気亜鉛メッキ鋼板を用いた製品の多くで、錆びの防止や塗装などを行なうために鋼板の表面加工が必要となる。従来はそのほとんどにおいて、耐食性の高さや経済的な理由などから化成処理した6価クロムが用いられる「クロメート処理」が利用されてきたが、一方でこの6価クロムは環境汚染物質として問題となっていた。

 環境問題が重要視されるようになった最近では、家電製品や事務製品などの業界でも、6価クロム以外の物質を使用したクロムフリー鋼板の採用が進みつつある。価格が重要視されがちなPCケースにおいて、メーカー側としてはコスト削減に注力するあまり、環境問題にまで意識が向けられなかったというのが実際のところのようだが、今回のF3シリーズの登場がその流れを変える可能性もあるのかも知れない。

 同社初のスチールケース、低価格化・超高剛性化の実現、そして環境問題への配慮と、話題性に富むF3シリーズだが、アルミケースでの技術をそのままスチールケースに用いるなど、品質の面でも妥協していないこの製品は、単に「安いWiNDy」とは違う製品と言える。これからPCケースの購入を予定しようという人に限らず、店頭で一度その質感を確かめてみる価値はあるだろう。

□WiNDy F3(ソルダム)
http://www.soldam.co.jp/windy/f3/

 (星野金属工業 WiNDy F3シリーズ)

[撮影協力:Tsukumo eX.ツクモケース王国OVERTOP]


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