【 2001年6月23日号 】

アキバの集客力ダウン必至?駅前駐車場の10月廃止が決定

秋葉原駅前駐車場秋葉原駅前駐車場
秋葉原駅前駐車場秋葉原駅前駐車場

 アキバまでマイカーで通っているという人には、ちょっと衝撃的なニュース。なんと、JR秋葉原駅前にある秋葉原駅前駐車場が10月で廃止になるという。すでに駐車場の入り口には「駐車場廃止のお知らせ」なる告知が出ている。これが先日明らかになった第2東京タワーの建設予定と関連があるのかないのかは、今のところ不明。

 秋葉原駅前駐車場は神田青果市場跡地の半分を利用してつくられた巨大な駐車場で、500台以上を収容する能力を持つ。もともとアキバ周辺には駐車場が少なかったということもあって、完成直後からマイカーでやってくる買い物客の便利な駐車場として使われ、今や土日ともなれば入場待ちの車が周囲に長蛇の列をつくるという大繁盛ぶり。もはや一般には、あって当然の存在になっている。

 その巨大駐車場が25日(月)からは半分に規模が縮小され、そして10月には完全に廃止されるのだという。入り口に貼られている資料によると、理由は埋蔵文化財センターの発掘調査のためで、6月から第一期発掘調査、10月に第二期発掘調査が行われるという。あの駐車場の地下に、いったいどんな埋蔵文化財があるのか興味深いところだが、しかし、そのためだけに貴重な駐車場が消えてなくなるのだとしたら、なんともやりきれない面もある。

 実際には神田市場跡地はもともと再開発予定地であり、駐車場は臨時につくられたものにすぎず、いずれなくなることになるのは避けられない存在。土地は東京都が所有しており、各種報道によれば、今秋にもこの土地は民間に売却される予定になっている。つまり、今回の発掘調査は民間への売却前の“身辺整理”と考えるのが自然のようだ。これらの動きは、東京都が3月に発表した「秋葉原地区まちづくりガイドライン」に沿ったもので、IT産業の中心地“アキハバラ・シリコンアレー”を創造する計画の一環にもなっている。

 2月には、まさにこの場所に600m級の第2東京タワーを作る計画が進行しているとの報道(2001年2月2日、読売新聞)があり、これとの直接の関係が一番想像しやすいところだが、その後は5月に第2東京タワーの誘致計画が断念されたという報道(2001年5月17日、日本経済新聞)もあって、最終的には何が建設されるのかはわからない。

 都内有数の巨大な一等地にこのあと商業ビルが建つのか、あるいはテーマパークができるのか、あるいは世界最大の電波タワーができるのか、それはまだわからない。しかし、いずれにしても今の駐車場は10月になくなってしまうのは確か。最近は新宿量販店の台頭、郊外電気店の急成長、有楽町の巨大電気店の誕生など、老舗電気街としては苦しい動きが続いているが、ここにきて巨大駐車場も失ってしまうというのはなんとも痛い。再開発でより便利になる可能性もあるが、例え一時的なものだとしても、巨大駐車場の消失はアキバ全体の集客力ダウンにつながること必至だ。

 さて、この先一体どう展開するのか。当面、この土地の動きは今後のアキバを占う意味で目が離せないものになりそうだ。

□東京都駐車場公社
http://www.tmpc.or.jp/
http://www.mapion.co.jp/front/Front?uc=4&ino=BA113572&grp=tpark&pg=1
□秋葉原地区まちづくりガイドライン(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/SHOUSAI/70B4B100.HTM
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/SHOUSAI/70A98200.HTM
【2001/2/3】アキバに第2東京タワー?世界最大の600m級電波塔建設へ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20010203/etc_tower.html

 (AKIBA PC eArena)


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