【 2001年10月20日号 】

GeForceシリーズの強敵?ATIの最新「RADEON 8500」がデビュー
バルク品と謎なリテールパッケージ品、価格は3万円前後

RADEON 8500入荷バルク品
【RADEON 8500入荷】【バルク品】
マーキング出力コネクタ
【マーキング】【出力コネクタ】
DDR SDRAMチップ謎なパッケージ
【DDR SDRAMチップ】【謎なパッケージ】

 8月の発表から2カ月、自作PCユーザーの間で長らくその登場が待たれていたATIの最新ビデオカード「RADEON 8500」がついにアキバに上陸した。発売になったのはビデオメモリにDDRメモリを64MB搭載したバルク品で、価格は27,800円~32,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、一部ショップにはメーカー名の一切書かれていない謎なリテールパッケージ品も入荷しており、こちらは30,800円~31,800円で販売中だ(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 バルク品の梱包内容は、カード本体とデバイスドライバ収録CD-ROMとS端子対応TV出力用ケーブルの3点で、カードの出力コネクタはVGAとDVIとTV用S端子になっている。謎のリテールパッケージには、これ以外にDVI-VGA変換コネクタが同梱されている。

「GeForce3より高速」がウリ

 「RADEON 8500」ビデオカードに搭載されるビデオチップはその名も「RADEON 8500」。次世代RADEONとされるこのRADEON 8500は、先に登場した「RADEON 7500」と同じ0.15μmプロセスルールで製造されるビデオチップで、6,250万Triangle/sという処理能力を持つハードウェアT&L(ジオメトリ)エンジンの「CHARISMA ENGINE II」と、描画性能が20億Texel/sという3Dレンダリングエンジンの「PIXEL TAPESTRY II」を備えている点などが主な特徴だ。そのほか、メモリ帯域を節減するという「HYPER Z II」テクノロジにより、300MHz駆動のDDRメモリ搭載時で12GB/sという驚異的な帯域幅を実現している点も見逃せない。

 そもそも「RADEON 8500」がこれほどまで注目されるようになったのは、9月に国内で行なわれた発表会におけるデモで、GeForce3よりも大幅に高速であることがアピールされたことにほかならない。その後、海外のPC系ニュースサイトなどでも「RADEON 8500」のベンチマーク結果が相次いで公開されたが、そのいずれもがGeForce3を上回るというものだったということもあり、PCに高速性を追い求めるパワーユーザーの間に「GeForce3より高性能」という認識が次第に広がっていったわけだ。

先行バルク品は仕様が異なる?

 そうした中、満を持しての登場となった「RADEON 8500」だが、実際に登場したバルク品を見てみると、仕様が公式発表のものとは異なるという少々気になる点があるので要注意だ。それはメモリとRAMDACのクロック周波数で、それぞれ250MHz/350MHzという、製品発表時の仕様(275MHz/400MHz)よりも低いものになっているのだ(高速電脳調べ)。ちなみにビデオチップのコアクロックは国内発表当初と同じ250MHzだった(米国本社の資料では275MHzとしているものもある)。

 発表時の仕様と、先行して市場に出回るバルク品の仕様が食い違うというのは、ATIの製品では過去にもよくあったことで、その後登場したリテールパッケージ版は発表時の仕様どおりになっているというのがいつものパターン。今回もそのパターンに当てはまるとは一概には言えないが、少なくとも現時点で流通しているバルク品は、多少のリスクはあるものと覚悟したほうがいいのかも知れない。

早くも争奪戦スタートか?

 それでもRADEON 8500の注目度の高さから、ショップへの問い合わせは多いという。すでに予約だけで初回入荷分を完売してしまったRockValleyの例もあるので、今後しばらくは争奪戦になることは必至と見られる。

 なお、RockValleyでは「ATI純正かもしれない」RADEON 8500のリテールパッケージ品が22日(月)に入荷する予定とのこと。一方、TSUKUMO eX.ではATI純正リテールパッケージ品を予価36,799円で予約を受付中。ただし入荷次期は未定とのこと。

□RADEON 8500(ATI Technologies)
http://www.ati.com/na/pages/products/pc/radeon_8500/

 (ATI RADEON 8500)

[撮影協力:高速電脳BLESS]


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