【 2002年6月29日号 】

SiSのAGP 8X対応ビデオチップXabre搭載カード登場、玄人志向から
第1弾はXabre400を搭載したビデオカード、中身はTriplex製

XABRE400EX-AGP64Cパッケージ
【XABRE400EX-AGP64C】【パッケージ】
ヒートシンク約14,000円
【ヒートシンク】【約14,000円】
マニュアル基板裏側
【マニュアル】【基板裏側】
出力コネクタ搭載メモリ
【出力コネクタ】【搭載メモリ】

 4月末に正式発表されたSiSの新型ビデオチップ「Xabre(セイバー)」シリーズを搭載したビデオカードがついにデビューを飾った。搭載製品第1弾となったのは、Xabreシリーズ中で上位から2番目のモデルとなる「Xabre 400」ビデオチップと64MBのDDRメモリを搭載した玄人志向の「XABRE400EX-AGP64C」で、実売価格は12,999円~13,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 また、ごく少量入荷ながら、C.P.Technology(PowerColor) のXabre 400搭載ビデオカード「XABRE400 64M-TV」も一部ショップに入荷したことが確認されている。実売価格は10,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●初めてAGP 8Xに対応

 Xabreシリーズは、AGP 8X(AGP 3.0)とDirectX 8.1への対応(このことをSiSでは“8X8”と呼んでいる)を大きなウリとするハードウェアT&L対応ビデオチップ。主な搭載機能として挙げられるのは、Pixel Shaderエンジンの「Pixelize Engine」、アンチエイリアス時の画質向上を図る「Jitter-Free Anti-Aliasing」、コンパニオンチップのSiS301によるデュアルディスプレイ機能の「Double Scene Technology」などで、Vertex Shaderエンジンは搭載しないもののPentium 4搭載PCであればCPU側でVertex Shader機能をエミュレートすることができるというユニークな特徴も持っている。

 そして、AGP 8Xモード時におけるAGP-NorthBridge間のデータ転送帯域幅は従来の倍以上となる2.1GB/sを確保できるという。まだAGP 8Xを正式サポートするチップセットや搭載マザーボードが市場に出回っていないため、この点については現時点では期待値でしかないが、最新仕様をいち早く取り込んでいるという点で、パワーユーザーの好奇心を大いにくすぐるは製品と言える。

 Xabreシリーズのラインナップは、最上位モデルの「Xabre 600」から最下位モデルの「Xabre 80」(Xabre 80はAGP 4X対応)まで全4種類で、今回登場した製品が搭載している「Xabre 400」はシリーズ中で上から2番目のグレードに位置するモデルだ。その「Xabre 400」のスペックは、コアクロックが250MHz、メモリクロック250MHz(128bit DDR SDRAM対応)、メモリ帯域幅が8GB/sなどというもので、数値面のスペックはGeForce4 MX460(コア300MHz/メモリ275MHz/メモリ帯域幅8.8GB/s)を若干下回るといった程度だ。価格的に見ても、Xabre 400と競合するのはGeForce4 MXシリーズなどのミドルレンジ製品ということになるだろう。

●OEM元は銀色基板のTriplex製

 初の搭載製品として登場した玄人志向の「XABRE400EX-AGP64C」は、先週OVERTOPTWO-TOP秋葉原本店でデモが行なわれたTriplex製Xabre 400搭載ビデオカードのOEM品で、過去に登場したGeForce2 Ti搭載ビデオカード「Millennium Silver GF-Ti」と同様に基板全体がラメの入ったような銀色で覆われているのが非常に印象的だ。Xabreシリーズのデビューにふさわしい派手さを持った製品といってもよいかもしれない。

 搭載する出力コネクタは、VGA出力、DVI出力、S-Videoの3種類。基板上にはデュアルディスプレイ機能をサポートするSiS301チップも搭載しており、付属ドライバの対応状況は不明だが、おそらくVGA+DVI、もしくはVGA+S-Videoといった2系統同時出力ができるものと推測される。なお、ビデオメモリにはHynix製DDR SDRAMチップのHY5DV641622AT-36(275MHz)を搭載している。

 29日(土)現在、玄人志向のWebサイト上にある製品仕様では「AGP 4X/2X」となっており、肝心なAGP 8Xの文字が見当たらないが、確認したところ、これは誤記でAGP 8X対応であることを保証するとのこと。

 AGP 8Xに対応したマザーボードがまだ発売されていないため、現時点では実際にAGP 8Xのパフォーマンスを直接確認することはできないが、価格も手頃なのでビデオカードだけ先に手に入れて準備しておくというのも悪くないだろう。

□Xabre(Silicon Integrated Systems)
http://www.xabre.com/
□XABRE400EX-AGP64C(玄人志向)
http://www.kuroutoshikou.com/products/gboard/xabre400ex-64c.html
□Xabre PRO(Triplex)
http://www.triplex.com.tw/20011116/english/p03-02.htm
□関連記事
【2002年6月22日】Xabre 400搭載ビデオカードのデモがスタート、銀色基板のTriplex製
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020622/etc_xabredemo.html
【2002年6月22日】SiS648搭載マザーのデモ開始、XabreとセットでAGPX 8Xアピール
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020622/etc_sis648.html

 (Xabre搭載ビデオカード)

[撮影協力:コムサテライト1号店コムサテライト3号店]


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