【 2002年7月19日号 】

Serial ATAに対応したRAIDカード「RocketRAID 1520」が発売に
2ポートで2台の接続をサポート、変換アダプタも同梱

パッケージパッケージ
【パッケージ】【RocketRAID 1520】
ブリッジチップ梱包内容
【ブリッジチップ】【梱包内容】
変換アダプタコネクタの不整合?
【変換アダプタ】【コネクタの不整合?】
1mのケーブルSerial ATAコネクタ
【1mのケーブル】【Serial ATAコネクタ】

 40ピンのコネクタを用いた現在のATA/Ultra ATA(IDE)に替わる次世代インターフェイスとして注目されているSerial ATAに対応した初のインターフェイスカードがついにデビューを果たした。登場した製品はHighPoint製のSerial ATA対応RAIDカード「RocketRAID 1520」で、実売価格は19,200円~19,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●初のSerial ATA対応製品

 Serial ATAのまず第一の特徴は、Ultra ATA/133の133MB/sを上回る150MB/sという最大データ転送速度を持つ点だ。ストレージデバイス用のインターフェイスとしては150MB/sでも十分高速といえるが、Serial ATAの転送速度は2004年に倍の300MB/sへ、2007年にさらに倍の600MB/sへアップデートされる予定となっており、将来性のあるインターフェイス規格としても期待が持たれている。

 もう一つの特徴がコネクタ、ケーブル形状の変化だ。Serial ATAのコネクタは7本の信号ピンと15本の電源ピンからなる小型のもので、従来の40ピンのIDEコネクタとは物理的な互換性はなくなっている、とはいえ、ソフトウェアエミュレートにより従来のIDEデバイスもサポートしているので、現在のストレージ環境を残しつつインターフェイスだけを先にSerial ATAに移行するといったことも可能だ(もちろんその場合はコネクタ形状を変換するアダプタなどが必要になる)。

 そして、ケーブルは従来の幅広なフラットケーブルから細くスマートなタイプのものに変わっており、規格上許されるケーブル長が最大1mと非常に長くなったのも特徴のひとつといえるだろう。しかし、Serial ATAインターフェイスはあくまでPCケース内での接続を目的としており、外付け機器への使用は前提とされていない点には注意が必要だ。

●既存RAIDチップにブリッジ追加

 さて、今回初のSerial ATA対応RAIDカードとして登場した「RocketRAID 1520」だが、RAIDコントローラには同社製のUltra ATA/133対応IDE-RAIDカード「RocketRAID 133」でも採用されているHPT372Aを搭載しており、Marvell製のSerial ATAブリッジチップ88i8030を別途搭載することでSerial ATAインターフェイスの利用を可能にした製品となっている。ネイティブ対応のSerial ATA RAIDコントローラを搭載していない点はやや残念なところだ。なお、対応RAIDレベルは0、1、JBODで、OSはWindows 98/Me/NT 4.0/2000/XP、Linux(SuSE、Red Hat、Caldera、Turbo)、FreeBSDに対応している。

 搭載するSerial ATAインターフェイスは2ポート。コネクタ形状が前述のとおり従来の40ピンIDEコネクタに比べて小型になったこともあり、基板全体は細長でかなりスッキリとした印象を受ける。LowProfile対応ブラケットは付属していないものの、基板サイズ自体はLowProfileサイズといってもよさそうなスマートさだ。

●現状はかなり“人柱”向けな内容

 そして、この製品の特徴として挙げられるのが、約1mというかなり長いSerial ATAケーブルが2本と、従来のIDEデバイスが接続できる変換アダプタの「RocketHead 100」が2個標準で付属している点。現在はまだSerial ATA対応のドライブ機器は登場していないが、このアダプタを使うことで従来の40ピンIDEコネクタを持つドライブも利用可能になるというわけだ。

 この変換アダプタにはFDDなどに使う小型の4ピン電源コネクタを接続する必要があるほか、Serial ATAコネクタの挿入口がやや小さめになっている(コネクタをやや上向きにすると上手く挿し込める)など、やや取り扱いは面倒だが、Serial ATA対応ドライブがない現状では必須の存在だ。ただし、「RocketHead 100」に接続できるドライブはUltra ATA/133またはUltra ATA/100対応のものに限定されている点に要注意だ。

 Serial ATA対応ドライブがなく、発売当初は“人柱”向けアイテムになるかと思われたこの「RocketRAID 1520」だが、変換アダプタの「RocketHead 100」が標準で同梱されたことで、いきなり人気製品となる可能性もありそうだ。いち早くSerial ATAによるRAID環境を導入してみたいという人は、購入を急いだほうがよいかもしれない。

 なお、Serial ATAに対応するドライブはSeagateから「Barracuda ATA V」が秋頃出荷される予定となっている。スケジュール的にはやや先だが、こちらの製品の登場にも期待したいところだ。

□RocketRAID 1520(HighPoint Technologies)
http://www.highpoint-tech.com/rr1520.htm

 (HighPoint RocketRAID 1520)

[撮影協力:コムサテライト3号店高速電脳]


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