【 2003年4月26日号 】
Opteronの店頭販売がスタート、マザーボードも発売に
Opteron 240と242が発売、マザーボードはMSIから第1弾
リテールパッケージOpteron 242/240
【リテールパッケージ】【Opteron 242/240】
パッケージ内部入荷しました
【パッケージ内部】【入荷しました】
パッケージK8D Master-F
【パッケージ】【K8D Master-F】
Socket 940スペック一覧
【Socket 940】【スペック一覧】
デモPCデモPC
【デモPC】【BIOS表示画面】
OS上の表示デモ用マザーボード
【OS上の表示】【デモ用マザーボード】
 23日(水)にAMDから正式発表された64bitアーキテクチャ採用のサーバ・ワークステーション向け最新CPU「Opteron」が1日遅れの24日(木)から店頭販売開始となった。まず最初に発売となったのは、Opteron 240とOpteron 242のリテールパッケージ品で、実売価格はOpteron 242が88,700円~95,800円、Opteron 240が38,700円~41,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。また、対応マザーボードとして、MSIの「K8D Master-F」が発売になっている。実売価格は84,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●x86と互換の64bit環境

 0.13μmプロセス技術で製造されるOpteronの最大の特徴は、32bitアーキテクチャのx86を64bitに拡張した独自アーキテクチャ「AMD64」を採用する点だ。x86アーキテクチャと完全な互換性があり、既存の32bit対応のソフトウェア資産を残しつつ、64bit環境へのシームレスな移行が実現できるとしており、3月に開催されたCeBIT 2003のMicrosoftブースでは、初期開発版の64bit版Windows XP上で64bit版と32bit版のアプリケーションを同時に動作させるといった興味深いデモも披露されている。

 もうひとつの大きな特徴としては、従来はチップセット側のノースブリッジが内蔵していたメモリコントローラをCPU本体に内蔵した点が挙げられるだろう。これにより、CPUの搭載数(Opteronは2Way/4Way構成にも対応)が増えるほど使用可能なメモリバンド幅も増すようになり、複数のCPUで1つのメモリコントローラを共有していた従来に比べ高いパフォーマンスが期待できる。対応メモリはDDR333/266/200(Registeredタイプ)で、Opteron 1個あたり5.3GB/sのメモリバンド幅を持っている。

 そして気になるモデルナンバー表記だが、OpteronではAthlon系とは異なる「3桁制」を導入。今回発表されたのは244(動作クロック1.8GHz)、242(同1.6GHz)、240(同1.4GHz)の3モデルで、左から1桁目が対応するCPU構成(「2」は2Way対応)、2、3桁目がシリーズ内での相対的な性能を示すとしている。Athlon XP/MPの3000+や2000+といった表記に比べるとやや分かりにくい感もあるが、数字が大きければ高いグレードを示す点に変わりはないので混乱することはないだろう。

●Opteronの店頭販売がスタート

 まず第1弾として発売になったのは、Dual動作用の1.6GHzモデルであるOpteron 242と、同1.4GHzのOpteron 240のリテールパッケージ品。実物を見てみると、製品パッケージ自体は従来のAthlon XPと同じブリスターパッケージ入りで、CPUとCPUクーラーのセットという構成もとくに変わっていない。変わっている点といえば、表面にあるシールに「MODEL 242」「MODEL 240」と製品型番があるのみで、どこにも実動作クロックの表記がなくなっているのが興味深いところ。

 また、CPU自体の形状について言えば、Pentium 4のようにCPU表面全体にヒートスプレッダが設けられている点が目新しい。これまでAthlonシリーズではコアが剥き出しだったため、CPUクーラーをとりつける際などに、いわゆるコア欠けが起きる事故も多かったが、これでこうした問題は解決しそうだ。

●MSIからマザー第1弾がデビュー

 対応するチップセットは、AMDの「AMD-8151/AMD-8131/AMD-8111」、NVIDIAの「nForce3 Professional」、VIAの「Apollo K8T400M」が発表されている。

 最初に発売されたSocket 940マザーボードのMSI「K8D Master-F」はAMD製チップセットを採用した製品だが、サーバ向けということでPCI-XコントローラのAMD-8131と従来のサウスブリッジに相当するAMD-8111の2チップで構成されており、AGPコントローラのAMD-8151は搭載していない(オンボードデバイスとしてATIのRageXLビデオチップを搭載)。

 「K8D Master-F」のそのほかの主なスペックは、スロット数が32bit PCI×2、PCI-X×3、DDR333対応DIMM×6(最大12GB)、電源コネクタがEPS12V(24ピン+8ピン)で、Broadcom製チップによるGigabit Ethernetインターフェイス(2ポート)を装備している。

 BLESS秋葉原本店のデモPCで使われているRIOWORKS製「HDAMA」もほぼ似たスペックだが、スロット数は32bit PCI×2、64bit PCI×2、PCI-X×2、DDR333対応DIMM×8(最大16GB)、PROMISE製チップによるSerial ATA RAID機能を持っている点などが異なる。

 なお、AMDが公式に推奨しているマザーボードは26日(土)時点では「K8D Master-F(海外ではK8D Master)」が唯一。「HDAMA」はぷらっとホームで近日入荷する予定になっている。予価は89,800円。

●Opteron 240×2でデモ実施中

 BLESS 秋葉原本店ではOpteron正式発表直後から店内でデモを実施中だ。デモ機の主要スペックは、Opteron 240×2、DDR266メモリ×2(1GB)というもので、AMD64アーキテクチャを活かすべくOSには64bit版のTurbo Linuxを採用。また、デモ機には32bit版Windows 2000 Serverもインストールされており、デバイスマネージャでは「AMD-8131」「AMD-8111」などの名称が入ったアイコンも確認できる。

 コンシューマ向けパーツのデモに比べると見た目はかなり地味だが、いち早くOpteron搭載マシンに触れたりAMD64アーキテクチャによる64bit環境を体感したりできる絶好の機会であることは確か。サーバ関連にそれほど興味がない人も、同店でOpteronや対応マザーボードの実物をチェックしてみてはどうだろう。

□Opteron(AMD)
http://www.amd.com/jp-ja/Processors/ProductInformation/0,,30_118_8825,00.html
http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~70160,00.html
□HDAMA(RIOWORKS)
http://www.rioworks.com/HDAMA.htm
□K8D-Master(Micro-Star International)
http://www.msi.com.tw/html/newsrelease/product_news/2003_0423_9131.htmM
□AMD Opteron Processor Recommended Motherboards(AMD)
http://www.amd.com/us-en/Processors/TechnicalResources/0,,30_182_869_8819^8821,00.html

 (AMD Opteron)
 (RIOWORKS HDAMA)

[撮影協力:BLESS 秋葉原本店ぷらっとホームコムサテライト3号店BLESS秋葉原本店USER'S SIDE本店]


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