【 2004年6月19日号 】
LGA775対応Pentium 4とマザーが一斉にフライングで登場
Pentium 4 520/530/540/550とi925X/i915シリーズ搭載マザーが多数
※ 6/20 14:16更新 Pentium 4 520/530/550の発売を確認したため、その旨更新しました
新旧CPUパッケージ i925X/915P新発売
【新旧CPUパッケージ】 【i925X/915P新発売!】
Pentium 4 540スペックシール
【Pentium 4 540】【スペックシール】
LGA775マザー 価格リスト
【Pentium 4】 【価格リスト】
各社LGA775マザーLGA775マザー
【各社LGA775マザー】【LGA775マザー】
スペック表対応電源
【スペック表】【対応電源】
 Intelから一般向けの正式発表がないままLGA775版Pentium 4と複数メーカーからi925X/i915シリーズ搭載LGA775マザーボードが一斉に発売となった。マザーボードの機種は豊富で、かつ販売を行なっているショップも多く、2003年5月のi865搭載マザーボード以来の“大規模フライング”となっている。

 先週ドスパラ各店やZOA秋葉原本店がLGA775版Pentium 4とDDRメモリサポートの対応マザーボードを搭載したオリジナルPCを発売したが、CPUとマザーボードがそれぞれ単品で販売されるのは今回が初めて。自作ユーザーにとっては今回が実質的なIntel製次世代プラットフォームのデビューと言ってもよいかもしれない。今回はハイエンド向けのi925X、メインストリーム向けでVGA機能搭載のi915G、VGA機能非搭載のi915Pの各チップセットを搭載した製品が販売されている。

●CPUはPentium 4 540が第1弾、翌日に520/530/550も発売に

 CPUは、19日(土)にまずPentium 4 540(3.2GHz)が、翌20日(日)に520(2.8GHz)、530(3GHz)、550(3.4GHz)も追加発売され、モデルにして4種類、価格帯にして2万円台前半~5万円台前半までが出揃ったかっこう(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。いずれもリテールパッケージ版。ショップの告知などを見る限り、さらに上位の560(3.6GHz)もラインナップされているようで、実際にフェイスでは動作デモも行われているが、こちらは20日(日)までに発売されておらず、「入荷時期も未定」(ショップ)とか。560の表示価格は7万円台中盤程度。

 パッケージは、オレンジとブルーを基調にしたデザインに大きな変更はないが、サイズはXeonのリテールパッケージ品を思わせる大型のもので、従来のSocket 478版Pentium 4より一回りほど大きい。裏面の2ヶ所に半透明の窓が設けられ、CPUとCPUクーラーの表面がそれぞれ確認できる。

 「540」モデルのパッケージに記載されている主なスペックは、Hyper-Threadingテクノロジサポート、FSB 800MHz、2次キャッシュ容量1MB、最大動作電圧1.4Vというもので、これらはSocket 478版のPrescottコアPentium 4と同じだ。S-Specは「SL7J7」。

●マザーは百花繚乱

 マザーボードは19日(土)の夕方時点でABIT、Albatron、ASUS、GIGABYTE、MSIから計17種類が発売となっているのを確認。実売価格は1万円台中盤~3万円台中盤(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。多くの製品がATXフォームファクタを採用しており、ビデオカード用にPCI Express x16スロットを1本、あとはPCI Express x1とPCIの各スロットを2、3本備えるという構成で、AGPスロットはなくなっている。GIGABYTEの「GA-8I915G-MF」は今回の中で唯一となるmicroATXフォームファクタだ。

 電源コネクタは、メインコネクタが20ピンからEPS12V電源と同じ24ピンに変更されている。この電源仕様の変更は、消費電力の大きいPCI Express x16ビデオカードへの対応のためとも言われており、LGA775プラットフォームへ移行するのであれば、サーバー向けケースやEPS12V電源のユーザーでもない限り電源の換装は避けられそうにない。なお、既存のEPS12V電源を、代理店等にスペックを確認した上で「新チップセット用」として販売しているショップもあるので、購入時の参考にするとよいだろう。

 なお、従来のi865チップセットを搭載したLGA775対応マザーボードもGIGABYTEとABITから発売になっている。CPUソケットが変わっている以外に大きな特徴はないが、これまでのAGPビデオカードとDDR SDRAMを使いたいのなら現実的な選択肢だろう。実売価格も1万円台前半と安い。

●DDR2サポートのマザーも登場

 さて、性能面に目を移すと、やはり注目と言えるのはi925X/i915の目玉の一つである帯域幅8.5GB/sのデュアルチャネルDDR2 533メモリだろう。主に挙げられるのはi925Xチップセットを搭載しDDR2をサポートしたABIT「AA8」、ASUS「P5AD2 Premium」、GIGABYTE「GA-8ANXP-D」といった製品。i925Xはi915にはないメモリアクセス性能の高速化を図る「PAT(Performance Acceleration Technology)」を搭載しており、パフォーマンス重視派にとっては要チェックの存在だ。

 コストも重視したいユーザーにとって注目なのがGIGABYTE「GA-8GPNXP Duo」、MSI「915G combo-FR」といったi915搭載でDDR2/DDR両対応のマザーボードだ。メモリモジュールは従来のDDRに比べると新型のDDR2はまだまだ高価。最初は安価のDDRを利用して、安くなってからDDR2に移行するといった使い方ができるのはこれら機種の魅力だ。ただし、DDR2とDDRの混在はできないので要注意。

●ICH6が肝

 機能面で覚えておきたいのはi925X/i915で新採用となった新型ICHである「ICH6」の存在。ICH6では4本のPCI Express x1をサポートするほか、Serial ATAの4ポートへの増加、192kHz/24bit/8チャネル出力に対応したサウンド機能「HD Audio」の搭載などICH5に比べてさまざまな点が強化されている。しかし、従来からのUltra ATA/100インターフェイスが1チャネルに減っている点は、パラレルATAのHDDや光学ドライブを多数利用している人にとっては気になるところだ。

 とはいえ、今回登場したマザーボードを見ると、別途パラレルATA RAIDコントローラを搭載してIDEコネクタを2基増設している製品も多く、それほど心配しなくてもよさそうだ。もちろん、GIGABYTEの「GA-8I915G-MF」のようにIDEコネクタが1基の製品もあるので、製品選択の際には気を付けたい。なお、ICH6のラインナップは標準のICH6、RAID機能搭載のICH6R、IEEE 802.11g無線LAN機能搭載のICH6W、RAID/無線LAN機能搭載のICH6RWの4種類がある。

●Gigabit Ethernetはほぼ標準?

 また、オンボードデバイスなどを追加することにより多機能化した製品が多いのも特徴。とくにLANに関してはGigabit Ethernetはほぼ標準装備で、ASUS「P5AD2 Premium」「P5GD2 Pro」、GIGABYTE「GA-8ANXP-D」「GA-8GPNXP Duo」はDual Gigabit Ethernetに加えIEEE 802.11g準拠の無線LAN機能も搭載している(ASUSはコントローラチップがオンボード、GigabyteはPCI接続のカードが付属)。Broadcom「BCM5751KFB」といったPCI Express接続のGigabit Ethernetコントローラを搭載する製品も見られた。

 ついに自作市場に本格デビューしたLGA775プラットフォームだが、現時点ではマザーボードの選択肢は多いものの、CPUやPCI Expressビデオカードの数が少ないのが悩みどころ。ハイエンドなCPU、PCI Expressビデオカードの登場はもちろん、DDR2メモリの値下がりにも期待したいところだ。

□インテル
http://www.intel.co.jp/
□関連記事
【2004年6月12日】LGA775対応CPUとマザーの販売がスタート、システムのみ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20040612/etc_lga775.html
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【2003年5月17日】Springdaleことi865チップセット搭載マザーが続々と登場
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20030517/springdale.html

 (Intel Pentium 4)

[撮影協力: ツクモパソコン本店ドスパラ アキバ店テクノハウス東映ソフマップ1号店 Chicago パソコン・デジタル館ファナティック 東京店T-ZONE. PC DIY SHOPパソコン ショップ アークドスパラ秋葉原 Prime館]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。

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