【 2006年1月7日号 】
Preslerコアを採用したPentium D 9xx発売もEIST使用不可?
Pentium XE 955 Pentium D 9xx
【Pentium XE 955】【Pentium D 9xx】
マーキング スペック
【マーキング】【スペック】
新ロゴ Viivロゴ
【新ロゴ】【Viivロゴ】
D945GPMLKR D945GPMLKR
【D945GPMLKR】【D945GPMLKR】
 開発コード「Presler」で知られる65nmプロセスのIntel最新デュアルコアを採用したCPUが5日(木)から店頭に出回り始めた。店頭で確認できたのは、Pentium D 920(2.8GHz)Pentium D 930(3GHz)、Pentium D 940(3.2GHz)、Pentium D 950(3.4GHz)の4モデル。

 実売価格はPentium D 920が31,770円~35,437円、Pentium D 930が41,670円~45,853円、Pentium D 940が54,780円~60,690円、Pentium D 950が81,369円~90,352円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 なお、一時的に一部ショップでPentium Extreme Edition 955(3.46GHz)も店頭に並んだが、こちらは午後に代理店側のミスであることが判明、回収指示により事実上夕方までに販売はすべて取りやめとなっている。Pentium Extreme Edition 955の正式な発売日は16日(月)。

●90nmから65nmへ微細化

 「Presler」は、製造プロセスを従来の90nmから65nmへ微細化した最新のデュアルコアで、65nmのシングルコア「Cedar Mill」2つをワンパッケージ化したものになっている。2次キャッシュは倍増の計4MB(2MB×2)を搭載する。CPUソケットは従来通りLGA775。

 ただし、全体の構造はこれまでと同様、単純ににシングルコアを2つ載せたものであり、“真のデュアルコア”とは呼べず、「Presler」の次にくる「Conroe」でデスクトップ用のコアが“真のデュアルコア”になる予定だ。一方、ほぼ同時期に店頭に並んだモバイル向けの最新コア「Yonah」を採用した製品は、2つのコアがバスを共有する本来のデュアルコアになっている。

●Viivに必要なICH7DH搭載マザーも登場

 シングルコアを2つ並べただけの疑似マルチコアという構造は変わっていないものの、製造プロセスの微細化による消費電力の低下や発熱量の低下、2次キャッシュ倍増による性能アップが期待できる。なお、Pentium Extreme Edition 955は、90nm世代のPentium Extreme Edition 840に対して、FSBが800MHzから1,066MHzに引き上げられているというスペック面での向上もある。

 どの製品も新しく発表されたIntelの新ロゴを採用した新デザインのリテールパッケージになっているのも目新しい。

 対応マザーボードに関しては、Presler/Cedar Millコアへの対応をうたったMSIのi945G搭載LGA775マザーボード「945G Neo2」が出ているほか、今週は新たに新型ICH7DHを採用したIntel製のi945G搭載LGA775マザーボード「D945GPMLKR」が発売になっている。ICH7DHはデジタルホーム向けブランド「Viiv」に必須の要件となっており、このマザーボードでもViiv対応をうたっている。実売価格は17,970円~18,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●当初はEISTが無効なので要注意

 なお、スペックに関しては注意が必要な点もある。一部のショップでは、「今回のロットはエラッタによりEISTなど電圧制御系の機能が使えないために通常よりTDP値が10W~15Wほど高くなる」との説明をして製品を販売している。

 確認したところ、確かに最新のデータシート「Intel Pentium D Processor 900 Sequence and Intel Pentium Processor Extreme Edition 955 Specification Update(Document Number:310307-002)」によると、現在のPentium 9xxシリーズとPentium Extreme Edition 955はEnhanced HALT StateとEnhanced Intel SpeedStep Technology(EIST)がエラッタで使用できないとの記述があった。

 EISTなどの省電力機構が使えないということは、少なくともアイドル時の消費電力や発熱量が当初の想定より上昇するのは確かで、この点に期待を寄せていた人にとっては気になるところだ。もっとも、ピークとしてのTDP値は仕様通りのはずで、920と930は95W、940と950は130Wとなっている。これまでの最上位モデルPentium D 840は130Wなので、9xxの上位モデルでは変わらず、下位モデルは35W下がったことになる。


□Pentium D/Pentium Processor Extreme Edition(Intel)
http://www.intel.com/products/processor/pentium_D/
http://www.intel.com/products/processor/pentiumXE/
□Intel Pentium D Processor 900 Sequence and Intel Pentium Processor Extreme Edition 955 Specification Update(Intel)
http://developer.intel.com/design/Pentiumxe/specupdt/310307.htm
□関連記事
【2005年12月28日】1,066MHz FSBの Pentium Extreme Edition 955(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1228/tawada65.htm
【2005年12月17日】Presler/Cedermillコア対応のi945GマザーがMSIから発売に
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20051217/etc_945gneo2f.html

 (Intel Pentium D 9xx)
 (Intel Pentium Extreme Edition 955)

[撮影協力:ドスパラ アキバ店ツクモパソコン本店IIT-ZONE. PC DIY SHOP]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。

[前の記事]: YonahことデュアルコアCPU「Core Duo」発売、対応マザーはなし
[次の記事]: Yonah対応マザーボードが展示中、AOpen製でi945GTを搭載

[ Back ]戻る  

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.