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【店舗前に取引関係者】 | 【PC-Success】 |
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【本社入り口にシャッター】 | 【本社のあるビル】 |
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【警官が現れる】 | 【本社前に関係者集結】 |
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【告示書が貼られる】 | 【告示書の詳細】 |
Windows Vista深夜販売の興奮がさめやらぬ中、1月31日(水)に有力店のPC-Success本店を運営する株式会社サクセスが破産手続きの開始発表を行うという事件が起こった。夜間に正式発表されるまでの間、状況がわからない取引関係者が集まって本社と店舗前は一時騒然となった。
●午後から騒然、夜に破産予告
本社前では警察官まで現れて一時緊迫した状況となったが、最終的にはサクセス関係者4人が現れ、状況を説明し、「杉浦代表取締役社長が大阪の関係者へ金策の相談に行ったがうまく話がまとまらず、関係取引先に入金処理が出来ず15時の段階で社員を帰した。破産手続きを行い、債権者には弁護士から連絡が行く。」との発表があった。最終的に東京地裁に対して破産手続きの申し立てを行うとの告示書が公開され、店舗にも貼り出された。同社は1999年設立、資本金1億9,996万2,500円、負債額は30億円程度とみられている。
同店はLAOX THE COMPUTER館を立ち上げた“カリスマ店長”として知られる杉浦敏雄氏が設立したPCショップで、特に価格比較サイトで安値店として常に名を連ねることで顧客を獲得してきた経緯から、一般には安値の通販店として有名。価格の安さで知名度を高めることに成功する一方で、ネット上では毀誉褒貶激しく、掲示板では専用スレッドが賑わっていたほど。
●業界は警戒レベル高かった
資金繰りが苦しいという観測は以前から根強くあり、特にここ数ヶ月はかなり具体的な内容の買収話が飛び交うなど、業界関係者の間では同社は噂の的だった。
これと同時に取引業者は売り掛けの与信を縮小したり、取引を現金決済のみに切り替えるところが増えるなどリスクコントロールの動きが強くなっていた。そのため、最終的に今回の破産で多額の負債を負った取引業者はさほど多くなかった模様で、本社までかけつけた取引関係者達も比較的冷静な人が多く、話を少し聞いてすぐに帰っていった人も多い。有名店舗の破産劇だったわりに怒号飛び交う興奮状態などがみられなかったのは、業界では資金繰りの問題はすでに周知の事実で、警戒レベルが高かったという背景がある。
秋葉原のPCショップ関連では、2000年6月にも当時TWOTOPの運営会社だった株式会社フリーウェイの民事再生手続きが行われ、その直前に店舗前で債権者が集まるという同様の騒ぎがあった。
なお、1月31日(水)に店舗等へ貼り出された破産手続き予告の告示書は、2月2日(金)になって「2月2日午前9時00分 東京地方裁判所において破産手続開始決定がなされ」たという新しい内容のものに差し替えられている。
●31日の現場状況
午後から連絡が取れなくなったなどの理由から取引先関係者が夕方から店舗前と本社前に続々と集まり、情報収集に躍起になっていたが、本社は入り口がシャッターで閉じられ、店舗も鍵が閉められている状態。サクセス関係者との連絡が誰もつかず、しばらく膠着状態に。18:40頃には警察官が本社内に入り、19:00頃にサクセス関係者とともに姿を見せ、このあと会側の説明を行うとの発表が行われた。
テレビ局(テレビ東京の報道局)の取材も入ったが、1時間が経過しても音沙汰がないため、取引関係者が20:10頃に本社内部へ入り、このときに室内は誰もいなくなっていることが判明。内部に入った関係者によると「入荷終了したため物流一時撤退します。裏口を抜けて近隣にて待機。」の送信メール画面があり、このほか会社の預金額などを記した書類も出ていたという。また、ある報道機関関係者はビルの裏口から数名走って外に出て行く人を目撃している。
直後にサクセス関係者が4人現れ、事情を説明して収束。21:20には東京地裁に対して破産手続き開始の申し立てを行う文書が公開され、店舗にも貼り出された。
| (AKIBA PC eArena) |