【 2009年6月13日号 】
パワーeSATA対応のHDDアダプタとExpressCardが発売
 eSATA経由で電源供給が可能な「パワーeSATA」に対応するというインターフェイス関連製品が玄人志向から発売された。

 実売価格は、ExpressCard/34接続のインターフェイスカード「USBeSATA-EC34」が約3,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、既存のSerial ATA HDDなどを「パワーeSATA」接続で使うための変換アダプタキット「PeSATA-KIT」が約2,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 このほか、PCI Express x1接続のインターフェイスカード「PeSATA-PCIe」がラインナップされているが、これの発売時期などは不明。

●eSATA経由で電力も供給

 これらは、電源供給機能を持つeSATAポートを備えたインターフェイス製品。ACアダプタなどの外部電源を用いずに、eSATAケーブル経由で外付けHDDなどに電源を供給できるのが特徴で、玄人志向はこの機能を「パワーeSATA」と呼んでいる。

 ただし、電源供給機能付きのeSATAインターフェイスは、まだ規格化が図られている段階。Serial ATAの仕様を策定しているSerial ATA International Organization(SATA-IO)では「Power Over eSATA initiative」を立ち上げ、協議中という。ちなみに、SATA-IOが2008年1月に発表したプレスリリースでは、2008年後半に規格化する予定とされていた。

●相互接続以外の対応機器は不明

 こうした状況もあり、USBeSATA-EC34とPeSATA-PCIeに(両者以外の)どんな機器が接続できるのかは現時点では不明。玄人志向では「パワーeSATA対応機器」に対応するとしているが、具体的にHDDなどの機種名は挙げていない。過去には電源供給機能付きのeSATAインターフェイスを備えたマザーボードとSSDが登場しているが、これらとの互換性があるかどうかも不明だ。

 また、USBeSATA-EC34のeSATAポートは、+5Vは供給できるが+12Vは供給できないため「パワーeSATA対応機器であっても3.5インチHDDは動作不可」としている。

 なお、USBeSATA-EC34とPeSATA-PCIeのeSATAポートはUSBポートも兼ねており、USBメモリなどの機器を接続することも可能だ。

 PeSATA-KITは、既存のSerial ATA接続の内蔵型HDD/SSDなどをいわば「パワーeSATA対応機器化」するキット。キットの内容はeSATA−Serial ATA変換アダプタとeSATAケーブルで、HDDなどに変換アダプタを接続することにより、USBeSATA-EC34やPeSATA-PCIeに「パワーeSATA」接続できるようになる。

 SATA-IOによる規格化が完了していない現段階で、こうした機器を導入するには“人柱”的な心構えも必要かもしれないが、「Power Over eSATA」をいち早く試してみたいという人には格好のアイテムだろう。


□パワーeSATA対応機器が新登場!(玄人志向)
http://kuroutoshikou.com/important/090602_power_esata/
□eSATA(Serial ATA International Organization)
http://www.serialata.org/technology/esata.asp

□関連記事
【2009年5月28日】USB 3.0の普及を確実視する理由(元麻布春男の週刊PCホットライン/PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20090528_170005.html
【2009年1月31日】電源供給付きのeSATAコネクタが登場、マザーボードとSSDが発売に
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20090131/etc_asrock.html
【2008年1月15日】SATA-IO、eSATAに電源供給の仕様を追加(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0115/sata.htm

玄人志向 USBeSATA-EC34
玄人志向 PeSATA-KIT

[撮影協力:ドスパラ秋葉原本店パソコンショップ アーク]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。