【 2009年9月12日号 】
恐るべきイマドキの中古PC!(購入編)
中古市場は価格崩壊?OS付きで5千円から
Text by 保坂 陽一
 
Windows XP初期のマシンはそろそろ限界?

 今年の東京の夏は早くからジメジメしっぱなしで、夏になったのか何なんなのか分からないうちに、気が付けばもう秋になろうとしている。まだ夏を満喫してないのに……などと思い始めた頃、友人から久しぶりに電話が入った。

友人:「もうダメかもしれない……」

 なんだどうしたと聞くまでもなく、ただ、長年使っているPCがいよいよ熱暴走気味で動かなくなってきたので、そろそろ買い換えたいとのこと。

 そのPCは、Pentium 4 1.8GHzで、メモリ1GB、HDD 40GBという液晶一体型デスクトップだが、この友人はこのマシンで購入当時からラグナロクオンライン(RO)をずっと遊んでいる。このオンラインMMO RPGは、この手のゲームの中では動作は軽いほうであり、最近の標準的なマシンならまず問題はないだろう。

 んー、じゃあ予算は?

「5万円、いや3万円で」
「おいおい……」


ネットブックでおなじみとなったAtomのCPUパワーは、本当に最低限であり、MMO RPGの中でも軽いと言われているラグナロクオンラインでも軽快に動作するとはとても言い難い。省電力なのは間違いないだろうが……。
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 ゲームするのにネットブックでも買う気!?と思ったが、ユーザーの最近のPCに対する価格認識はそんなものかもしれない。

 が、ネットブック=Atomのパワーはハッキリ言って、5年前のPentium Mなどより下である。自作で激安パーツを集めれば何とかならなくもないかな、と思ったのだが……。

「ディスプレイも買わないとなぁ」

 言われてみればそうだ。

 これまでが一体型PCなので、液晶ディスプレイも買わなければならない。しかし当然ながら予算の増加はなし。「おまえも家庭を持てば分かる」と言われては反論できない……。

 ざっと調べてみると、ショップブランドPCの最安クラスでも40,000円程度。Atom搭載のネットトップPCなら3万円以下もあるようだが、OS込みとなるとどうしてもそれなりの値段になる。

 こうなると買える可能性があるのは、あと中古PCくらいだろうか。そんな話をするうちに、「じゃあ、いいの見付けてよ」ということになり、掘り出し物大好きの筆者としては引き下がる理由もなく、おもしろそうなので秋葉原に繰り出すことになった。


 
俺のパソコンがこんなに安いわけがない!

 秋葉原の中央通りより西側は、PCパーツショップ激戦区などと呼ばれるエリアである。

 最近はパーツショップそのものは減少傾向にあるが、むしろパーツショップ以外の店が増え(メイド喫茶、飲食店含む)、その人通りは昔以上。一時はメイド喫茶目当てで、PCに興味のなさそうな人が多く見られたものだが、最近はそんな気もしない(ただの慣れか?)。

 とくに、旧ラオックス ザ コンピュータ館(ザコン館:閉店後もいまだに建物はそのまま)の正面から末広町まで抜ける通りは、今ではジャンク通りなどと呼ばれており、中古PCを扱うショップが軒を連ねるようになっている。

 5年も前ならさらにもう1本裏手にあったような店が進出してきているのだ。正直言うと、筆者は最近はほとんど最新パーツしか見ていなかったので、あまりこのエリアをじっくり見て回っていなかった。さて、どれくらいのスペックのものがどれくらいの値段で手に入るのだろうか……。

※以下の販売例は8月の取材時、秋葉原の中古ショップ店頭で販売を確認したものです。
 記事掲載時の在庫などを保証するものではありません。

4,800円でCeleron 2.4GHz搭載のIBM製コンパクトデスクトップPC(右はhp製だがスペックはほぼ同じ)。メモリは512MBで、HDDは40GBだが、Windows XP Professional付きですぐ使える。

こちらはCeleron 2.53GHz搭載でなんと2,980円……と思ったらHDD、OSなし。この辺りはまさしくジャンク品だ。右のAptivaとか、左のゲートウェイ2000のケースとか、懐かしくて泣けてくる(昔、憧れでした)

最近は新品の安さが目立つノートPCも、中古なら当然さらに安い!? ネットブックの中古もかなり出回っているが、中古になると妙に割高感を感じるのは私だけだろうか。でも、今って何でも掘り出し物って気がしますな……。

 店頭を見てまわるうちに何だかトンでもない時代になっていることに気が付いた。

 恐ろしいことにWindows XPインストール済みのPentium 4搭載マシンが5,000円とかで売られているのだ。もちろんそういったマシンはかなり限定されたスペックではある。が、それでもAtomマシンよりはマシンパワーはあるし、価格も数分の1である。

 我が家にもまだ使っているPentium 4マシンがあるのだが、え、これもしかしてそれくらいの価値しかないの……?みたいな。ただ、ゲーム用途を考えるともう少し快適なスペックが欲しいし、いかにも激安マシンな汚れた外観のものは遠慮したい(贅沢だよ!)……ということで、結局選んだのはこんなマシンである。

●hp dc5750 Small Form Factor(発売:2006年12月)
   購入価格(中古):22,800円
(注:9月10日現在、完売しています)
CPU:AMD Athlon 64 X2 4600+(2.4GHz)
メモリ:DDR2 SDRAM 1GB×2(最大4GB、空きスロット×2)
チップセット:ATI Radeon Xpress 1150
ビデオカード:ATI Radeon X1300(256MB)
HDD:80GB(Serial ATA接続)
光学ドライブ:DVD-ROMドライブ(Serial ATA接続)
OS:Windows XP Professional

名前は「スモール」であるが、いわゆるmicroBTXを採用した筐体で、最近のコンパクトという概念からするとやや大きめ。しかし、外観はきれいで、中古とは思えない。

中央前方に位置するCPUクーラーでチップセットなども一括で冷やすBTX構造。最近はもう見なくなってしまったが……。ドライブベイに空きはないが、Serial ATAポートにはまだ空きがある。

オンボードでDVI-D端子を備えているが、このマシンはRadeon X1300搭載ビデオカードが増設済みなので、ディスプレイ出力はそちらを使用する。USBポートもなかなか豊富、不足はまずないだろう。


購入したお店はこちらのGENO OUTLET。秋葉原のPCパーツショップ激戦区のど真ん中にあり、アクセスもしやすい。ちなみに、2階には先日移転してきた老舗パーツショップのBLESSが入っている。

 購入店はザコン館側から来ると、赤い看板がすぐ見付かる「GENO OUTLET」。MADE IN TOKYOのシールが輝く、hpのスリムデスクトップである。調べてみると2006年12月発売とのことなので、まだ3年も経っていないことになるのだが、これが2万円ちょっとで手に入るとはビックリである。

 ただ、正直言うと今のスリムという感覚からすると、ちとデカイ。Low Profileタイプのスリムタイプだが、横幅はわりと普通のミドルクラスである。どちらかというと、横置きより縦置きのほうがカッコよく、スペースも取らないだろう。

 もちろん清掃なども行き届いており、この個体に限って言えば、使用感はほとんど感じられなかった。考えてみれば、ノートPCと違って、デスクトップは使用時に本体に触れることはそれほどないわけで、前使用者がヘビースモーカーとかでない限り、発売から3年程度で極端に汚くなることはないはずだ。

 CPUはAthlon 64 X2 4600+。今となっては古いものの、立派なデュアルコアCPUだ。メモリは1GBが2枚で2GB。DVD-ROM付きなので再生ソフトを用意すればDVDの視聴もOKである。実は内部ストレージがSerial ATA接続のほうがよいだろうと思ったのが、これを選択した理由の一つだったのだが、空きドライブベイがなかったのはちょっと誤算だった。しかし、友人の要求スペック的にはなんら問題なく、ROも十分快適に動作。友人は大喜びである。

「おまえもこれ買えばいいのに」
「いや、うち、これ以上PC置く場所ないから……」

 友人はこの本体に、従来から使っていたキーボードとマウスを使用。ディスプレイは奮発して?、2万円台の24型ワイド液晶を購入(こちらは新品)。5万円で十分お釣りがきて、これだけのものが手に入るなら、そりゃ満足してもらわないと困るというものだ。



 
中古PCの「エコ度」って?


ROプレイ中のこのマシンの消費電力はだいたい100W前後。最近のマシンなら、もっと高スペックでもう少し省電力なものが手に入るが、さすがに2万円なら納得できてしまう

調子に乗って、ストリートファイターIV ベンチマークソフトを走らせてみた……うん、こんなもんだよね。デフォルト設定で平均12fps程度だが、むしろ動くだけスゴいような気がする。
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 ところでこのマシン、消費電力を測ってみると、アイドル時80W、高負荷時120W弱といったところ。

 Radeon X1300がいかにローエンドクラスのビデオカードとしても、消費電力はバカにならない。それを考えるとまぁこんなものかなと言ったところだ。が、最近の標準的なPCでビデオカードなしといった構成だと、高負荷時で100Wはいかないという印象。それを考えると100W超えは高いなという感じだが、何せ2万円のパソコンである。家の中のムダな電球を1個消す努力をすれば、稼ぎ出せる電力量と考えれば、アリ……かもしれない。

 ついでに筆者の家にあるAtom 330マシンの消費電力を計測してみると、アイドル時48W、高負荷時60Wというところ(500GB HDD、DDR2 SDRAM 1GB×2、5インチDVD Multiドライブ、200W SFX電源)。

 消費電力だけで見れば、今回購入したマシンの半分である。何かとエコエコと言われる昨今だが、はたして安価な中古PC(リサイクル品)を購入するのと、消費電力が低い新しいPCを購入するとでは、どちらがエコなのだろうか?

 もちろん、目的や予算によるので、どちらがよいとは言えないだろうが、やりたいことができないマシンでは意味がない。今回の友人のように必要なスペック(やりたいゲーム)が決まっているなら、中古PCを探すのはとても魅力的な選択ではないだろうか。

 今回、店頭で見かけた5,000円PCでも、インターネット専用としては十分なスペックのものばかり。

 入門マシンとか、サブマシンをお考えの方は、ぜひ低価格なネットブックやネットトップばかり見ないで、中古も考慮にいれることをお勧めしたいところだ。その昔、Pentium 133MHzのマシンを20万円で組み立てて「安い」と思っていた自分が悲しくなってくる反面、掘り出し物好きの感覚が蘇ってきて、無性にウズウズした今回の買い物であった。



 さて、つらつらとここまで前編を書いてきたが、「試しにアップグレードしてみよう」というのが後編のお話。ビデオカード交換やSSD導入、そしてWindows 7インストールでどうなるか?もう少しお付き合いいただければ幸いだ。

□Impress Watchエコ特集
http://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2009/eco/

中古PC

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。


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