【 2010年4月10日号 】
間借り型NASキット登場、利用中のPC内にNASを増設可
 PCの中にNASを増設できるというユニークなキット「クローゼットNASキット(KURO-Z/NAS-KIT)」が玄人志向から発売された。同ブランドの上級者向けシリーズ「キワモノシリーズ」に属する製品で、実売価格は4,380円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●PCのベイや電源を共用してNASを増設

 この製品は、PCケース内のスペースを利用してNASを増設できるキット。PCの電源や拡張カードスロット、HDDベイをいわば“拝借”する格好でNASを構築するもので、NAS用の設置スペースを用意せずに済むのがメリットだ。

 製品構成はPCI Express x1接続のNASカードや電源制御基板、ユーティリティ収録CD-ROMなど。NASカードは、ブラケット部分にRJ-45ポート(100BASE-TX対応)やUSB 2.0ポートが、基板上にHDD/SDDを接続するためのSerial ATA/IDEポートなどが用意されている。ただし、同時認識できるドライブは1基のみ。

●PCシャットダウン時でも利用可能
 ATX電源は常時ON

 付属している電源制御基板は、ATX電源からNASキットに電源を供給するためのもの。この基板をATX電源とマザーボードとの間に設置(24ピン電源端子に接続)することで常に電源ONの状態が保たれ、PCをシャットダウンした時でもNASが使えるようになる。なお、NASカードにはFDD用の4ピン電源端子が搭載されており、これに対しても電源供給を行なう必要がある。

 ただし、電源制御基板に接続する際、マザーボードと装着している拡張カードの消費電力の合計が110W以下でなければならないとされている点には注意が必要。また、電源制御基板によってATX電源は常に電源ONの状態になるため、長時間使用しない場合はATX電源の主電源を切るなどの対策をしたほうがよいだろう。

 なお、データ転送速度(参考値)は、FTP使用時で約10MB/s、Samba使用時で約8MB/sという。搭載しているサーバの機能はSamba/FTP/DHCP/プリンタで、対応ファイルシステムはFAT32。

<※>14日(水)追記
 当初、ネットワークインターフェイスを「Gigabit Ethernet対応」と記載しておりましたが、正しくは「100BASE-TX対応」になります。お詫びして訂正いたします。

□クローゼットNASキット(玄人志向)
http://www.kuroutoshikou.com/modules/display/?iid=1495

玄人志向 クローゼットNASキット(KURO-Z/NAS-KIT)

[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOPクレバリー1号店ツクモパソコン本店]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。