【 2011年6月22日 】
「6コア化」もできる?人柱向け4コアPhenom IIが発売

※(6/23更新)発売を確認。

 クアッドコア版Phenomの新モデル「Phenom II X4 960T Black Edition」が発売された。従来のクアッドコアモデルにはないTurbo Coreのサポートがうたわれているほか、ショップによれば「BIOS設定で6コア化も可能」という。実売価格は11,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。


●非公式ながら“6コア化”が可能


ASRockマザーで6コア化

ASRockマザーの設定画面

 Phenom II X4 960T Black Editionはクアッドコア版Phenomの新モデル。従来モデルにはないTurbo Coreのサポートがうたわれているのが大きな特徴で、通常クロックは通常3GHz、Turbo Core時3.4GHzとされている。キャッシュ容量は合計8MB。

 さらに、非公式ながら6コア化が可能という点も特徴。複数のショップがテストを行なったところ、一部のマザーボードでBIOS設定を行なうことなどで、動作コア数を通常の4から6に増やすことができたという。

 現時点で、ショップが6コア化を確認したマザーボードはASRockの「890GX Extreme4」、ASUSの「M5A88-V EVO」、GIGABYTEの「GA-990FX-UD3」の3製品。


●6コア化成功の確率は低め?


「AMD Phenom II X6 1605T」と表示

AMD OverDriveの表示

ASUSマザー 4コア時の表示

ASUSマザー 6コア時の表示

GIGABYTEマザー 4コア時の表示

GIGABYTEマザー 6コア時の表示
 890GX Extreme4で6コア化し、OSの起動まで確認したのはドスパラパーツ館で、「BIOS上で『ASRock UCC』を有効にすることで6コア化できた。CINEBENCHの動作も確認した」という。なお、CPUの名称は、CPU-Z(Ver.1.57)では「AMD Phenom II X6 1605T」、AMD OverDriveでは「AMD Processor Model Unknown」と表示されたという。

 M5A88-V EVOについては、「BIOS上で『ASUS Core Unlocker』を、または基板上の『CORE_UNLOCKER』スイッチを有効にすることで6コア化できた。ただし、OSの起動は確認中」「BIOS上で、CPUの名称は『AMD Processor Model Unknown』と表示された」(PC DIY SHOP FreeT)としている。

 GA-990FXA-UD3については、「BIOS上の『CPU Unlock』を変更することで6コア化でき、Windows 7の起動も確認した」「CPU名称は『AMD Six-Core Processor』と表示された」(TSUKUMO eX.)という。ただし、「複数のCPUで試したが、6コア化できないCPUや、6コア化できてもOSの起動ができないCPUがあった」としており、全てのCPUが必ず6コア化できるわけではなさそうなので注意が必要だ。

 6コア化に関しては、CPUの個体差の問題のほかに、マザーボードの対応状況も影響してくるため、非常にハードルが高いが、逆にそうした部分が“人柱心”をくすぐりそうだ。もちろん、前述のショップも6コア化できることを保証しているわけではないので、テストするときは自己責任で行なおう。


□Phenom II プロセッサ(Advanced Micro Devices)
http://www.amd.com/jp/products/desktop/processors/phenom-ii/Pages/phenom-ii.aspx
□関連記事
【2011年6月9日】Phenom II X4の最上位が発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110611/etc_amd.html

AMD Phenom II X4 960T Black Edition

[撮影協力:パソコンハウス東映クレバリー1号店TWO-TOP秋葉原本店ドスパラパーツ館PC DIY SHOP FreeTTSUKUMO eX.]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。