ハードウェアRAIDカードは、本来、冗長性や耐障害性を高めつつも高パフォーマンスを実現するための製品なので、RAID 5や6などで使用した際に本領を発揮するとも言える。

　RAID 0の時と同じく、SSD(Crucial m4 128GB)×4台を使用して速度を計測した。

　RAID 5の速度だが、9265-8iが全般的に高速。シーケンシャルリードやランダムアクセス性能などが9260-8iよりも特に優れる。傾向としてはRAID 0の時と同じだ。なお、キャッシュの速度はRAID 0とRAID 5でそれほど大きな違いはなく、RAIDレベルを問わずキャッシュは高い性能を発揮する。

　9265-8iは、前モデルの9260-8iをほとんどの項目で上回る性能をもった正当進化モデルだ。挙動なども近い傾向があり、9260-8iの性能を素直に向上させた印象を受けた。

　実売価格は9265-8iと9260-8iで13,000〜17,000円前後の値差があるが、パフォーマンスには大きな差があるので、今から購入する場合は9265-8iの方がいいだろう。

　コスト面で見ると、現行チップセットのRAID機能でも1GB/s前後の速度は出すことができるので、コストパフォーマンスでは厳しい部分もある。ただし、チップセットの性能限界を上回れるのが最新ハードウェアRAIDカードの強みだ。

　いずれ、チップセットのRAID機能も現行ハードウェアRAIDカード並みの速度を出せるようになると思われるが、それは数世代先の話になるだろう。そうした近未来の速度が今体験できる点も、ハードウェアRAIDカードの魅力ではないだろうか。

　実売で70,000〜74,000円前後と高価ではあるが、性能に妥協したくないユーザーにはお勧めできる製品だ。