【 2012年4月14日 】
ARMベース、3,400円の格安Linux基板「Raspberry Pi」が展示
HDMIも搭載

 ARMプロセッサを搭載した名刺サイズの超小型基板「Raspberry Pi PCBA Type B」(以下Raspberry Pi)がRSコンポーネンツから登場、14日(土)にUDXで開催された電子工作イベント「エレキジャック・フォーラム in Akihabara 2012」で一般公開された。

 現時点では店頭販売の予定はなく、同社Webサイトでの購入受け付けが行なわれている。ただし、全世界分合わせて25万件もの購入希望があるとのことで、「国内分がいつ入荷するかは分からない状況」(同社)という。


●ARM系CPU(700MHz)搭載、メモリ256MB
 HDMI出力にも対応

 Raspberry PiはARMベースのBroadcom製組み込み向けプロセッサ「BCM2835」(700MHz)を搭載した超小型のPC基板。超小型フォームファクタとしては基板サイズが100×72mmのPico-ITXがあるが、Raspberry Piはそれより小さい85.6×53.98mmという「名刺サイズ」が特徴だ。

 超小型基板のため、普通のマザーボードより搭載機能は少ないものの、標準サイズのHDMI端子を備えているあたりは実用的。BCM2835はデュアルコアのマルチメディアプロセッサ「VideoCore IV」も搭載しており、1080p/30p対応のH.264 HPエンコード/デコード機能を備えるほか、3Dゲームのプレイも可能という。

 このほか、USB 2.0、LAN(10/100BASE-T)、ビデオ出力(RCA端子)、サウンド出力(3.5mm端子)、SDカードスロットなどを装備。SDカードからのOS起動が可能で、対応OSはFedora Linux。電源はMicro USB端子経由で供給する。搭載メモリは256MB。

 イベントでは、サンプル品でWebブラウザなどを動作させるというデモも披露された。デモ機は日本語表示に対応しておらず、Webブラウザの表示が文字化けしてしまう場面も見られたが、「日本語フォントを導入すればきちんと表示される」(同社)という。

 店頭販売は未定で、現時点では同社Webサイトでの購入受け付けが行なわれている。ただし、製造元に直接注文する形態のため、支払いは英ポンドで行なう必要があり、価格は本体21.6ポンド、送料4.95ポンド(合計で約3,400円)となっている。通貨については「将来は日本円で購入できるようにしたい」(同社)という。支払はクレジットカードなどで可能。

 また、製品の初回出荷は16日(月)の予定とされているが、同社は「4月頭の段階で25万件、日本国内からは4,000件の購入者登録があり、国内分がいつ入荷するかは分からない状況」(同社)という。



ムトーエンジニアリングブースで展示されていたArduino用3Gシールド

周辺のセンサーとZigbeeで通信、Arduinoがクラウドにアップロードする仕組み
 なお、エレキジャック・フォーラムの会場では、このほかにもルネサス エレクトロニクスや日本テキサス・インスツルメンツ、ムトーエンジニアリングといったメーカーや千石電商、若松通商といったショップが出展。

 マイコンボード「Arduino」をはじめとした電子工作向けのマイコンチップやセンサ、あるいはArduinoを3G通信網に接続できる「Arduino用3Gシールド」、電子工作向けのソーラーパネルなど、様々な製品が展示されていた。
□Raspberry Pi PCBA Type B(アールエスコンポーネンツ)
http://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=raspberrypi


□エレキジャック・フォーラム in Akihabara 2012(CQ出版)
http://it.cqpub.co.jp/tse/201204EF/

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【2012年3月6日】RSコンポーネンツ、名刺サイズPC「Raspberry Pi」を国内販売(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120306_516631.html


Raspberry Pi PCBA Type B

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。