【 2012年11月3日 】
「PCIe 3.0フル活用」をうたう高速RAIDカード発売、最大3.5GB/s?
Adaptecブランド

 「PCIe 3.0の帯域を最大限に活用、高速転送を実現する」(メーカー)とうたう6Gbps SAS/SATA対応RAIDカード「Adaptec 7シリーズ」がPMC-Sierraから発売された。

 実売価格は、内部8ポートの「ASR-7805 SGL」が53,800〜63,800円、16ポートの「ASR-71605 SGL」が63,800〜68,800円、Mini-SASケーブル付属の8ポートモデル「ASR-7805 KIT」が57,800〜63,800円、バックアップモジュール「Adaptec Flash Module 700」付属の16ポートモデル「ASR-71605Q SGL」が95,800円〜114,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 このほか、シリーズ最大の内部24ポートモデル「ASR-72405 SGL」(予価84,800円)などもラインナップされている。


●独自の高速コントローラを搭載
 SSD×8台でライト3GB/s

 Adaptec 7シリーズは、PCI Express 3.0 x8接続の6Gbps SAS/SATA対応RAIDカード。エクスパンダなどを利用せず、コントローラチップ自体が16ポート/24ポートといった多くのポートを直接制御、並列処理による高いデータ転送速度を実現しているという。

 同社は「8ポートしかないPCIe 3.0対応RAIDカードではPCIe x8の帯域(8GB/s)が余っている状態だが、Adaptec 7シリーズは16ポート構成で9.6GB/sを実現しており、PCIe 3.0の帯域を最大限に活用できる」とアピールしている。

 なお、8ポート使用時でも十分に高速のようだ。オリオスペックがSamsung SSD 830(256GB)8基をRAID 0で構成し、CrystalDiskMarkでテストを行なったところ、ファイルサイズ1,000MB設定でシーケンシャルリード2,910MB/s、ライト3,042MB/sを達成したとのこと。テスト環境はXeon E5-2620とX79 Extreme9を利用しており、もちろんPCI Express 3.0を利用している。

 また、同店では50MB設定でもテスト、「概ね3,500MB/sになった」という。同店によれば「ファイルサイズ50MB設定ではキャッシュ速度がダイレクトに計測でき、この計測結果が実質上の上限速度になることが多い」という。この設定では、他社製PCIe 3.0対応RAIDカードは2,500〜2,600MB/s、PCIe 2.0対応RAIDカードは2,000MB/s程度が上限だったとのこと。同店は、16基構成でもテストを行なう予定。

 搭載コントローラはPMC PM8015。キャッシュ容量は1,024MB。対応RAIDレベルは0、1、1E、5、6、10、50、60(一部モデルを除く)。

 また、接続用コネクタにMini-SAS HD(内部SFF-8643、外部SFF-8644)という高密度コネクタが採用されているのも特徴。このコネクタはコネクタ間隔が小さく、8ポート/16ポートモデルではLowProfile MD2に収まるカードサイズが実現されている。8ポート/16ポートモデルのカードサイズは64×167mm。

 なお、対応するMini-SAS HDケーブルも同時に発売。発売を確認したのは、SAS 4分岐ケーブル、SATA 4分岐ケーブル、SFF-8087変換ケーブルの3種類で、それぞれにストレート/L字型コネクタ(SAS/SATA/SFF-8087側)の2種類がある。実売価格は各1,800円前後。


□Adaptec 7シリーズ(ピーエムシー・シエラ・ジャパン)
http://www.adaptec.com/ja-jp/series/7/
http://www.adaptec.com/ja-jp/products/series/7/

□関連記事
【2012年9月6日】PMCシエラ、PCIe Gen3の帯域幅を最大限に活用できるRAIDアダプタ(クラウド Watch)
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20120906_556574.html


PMC-Sierra Adaptec 7シリーズ

[撮影協力:オリオスペックPC DIY SHOP FreeT]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。