1998年1月17日号
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Ultra2SCSIカードでAdaptec vs Abaptek(IOI)の火花散る
Adaptec AHA-2940U2Wデビュー、Abaptek 4206LVDも再び流通
【AHA-2940U2W】 | 【AHA-2940U2W】 |
【IOI-4206LVD】 | 【IOI-4206LVD】 |
AHA-2940U2Wは、Adaptecが自社開発したAIC-7890チップを積んだ最新SCSIカード。ちょっとややこしいが、性能的には従来のUltra(Wide)SCSIカードと最新のUltra2(Wide)SCSIカードの2枚が1組になったかのようなイメージで(チップもUltra2SCSI用のAIC-7890と従来のSCSI用のAIC-3860の2つが載っている)、Ultra(Wide)SCSIセグメント側に、内部接続用として50PinのSCSIコネクタと68PinのUltra Wide SCSIコネクタが用意され、Ultra2(Wide)SCSIセグメント側には内部接続用と外部接続用にそれぞれ68PinのUltra2Wide SCSIコネクタが用意されている。この4ポートがすべて同時に使えるという、まさに鬼のようなSCSIカードだ。
性能が豪華ならパッケージの内容も豪華で、ソフトウェアや説明書のほか、ケーブルが68Pin Ultra2 SCSI内部4デバイス接続ケーブル、68Pin Ultra Wide SCSI内部2デバイス接続ケーブル、50Pin Ultra SCSI内部2デバイス接続ケーブル、50Pin UltraSCSI 内部2外部1デバイス接続ケーブルの4本が付属している。最後にあげたケーブルは、一端が内部コネクタで、もう一端が外部接続用のコネクタになっている、いわゆる「SCSIコネクタ外出しケーブル」のようなもの(中間にさらに内部用コネクタが2つついている)。カード側にデフォルトでついている外部接続コネクタがUltra2SCSI用のため、従来のSCSIデバイスを外付けで利用するには、この「SCSIコネクタ外出しケーブル」を利用する必要がある、というわけ。実に、ややこしいことこのうえないのではあるが..。しかし、ケーブル代だけで一体いくらするのだろうか?。ちなみに、現在発売されている製品は中身は英語版だが、アダプテックジャパンのテクニカルサポートが受けられる登録ハガキ付だ。
一方のSYMBIOS 53C895チップを搭載したIOI-4206LVDは、昨年末に一部のショップで販売されてからというもの、しばらくまったく姿を見せなくなっていたが、今度はまるでAHA-2940U2Wの登場時期と合わせるかのように、再び3店の店頭に登場している。価格も以前と変わらず、2万円前後だ。性能的にシンプルな分だけあって、AHA-2940U2Wと比較すると、価格の面では1/3以下と圧倒的に優位だ。こちらはUltraWideSCSIとUltra2WideSCSI兼用の内部コネクタと外部コネクタが1つずつ用意されているだけの、一見すると普通のUltraWideSCSIカード。残念なのは、当初サンプル版でついていた検出対応デバイスを表すLEDが製品版では削除されていること、それから従来のDifferential(HVD)用HDDが利用できないという点(同じSYMBIOS 53C895チップを搭載したUltra2SCSIカードでも、TEKRAMがリリース予定のDC-390U2は従来のDifferential用HDDにも対応している)。まぁ、そんな小さなことは置いておくとして、基板が真っ赤というユニークな特徴もあることだし、ちょっと高いUltraWideSCSIカードとして買うというのもアリ、な製品ではある。
さて、肝心なUltra2SCSI対応のHDDについては、1月末から2月にも登場することになりそう。すでに、ある大型店ではQuantumのUltra2SCSI対応HDDであるViking-IIやAtlasIIIの入荷時期や販売価格が決まり、関係部署に連絡が済んでいるそうだ。このほか、IBMからUltrastar(DDRS)、SeagteからCheetah、BarracudaシリーズなどのUltra2SCSI対応HDDが出てくる予定になっている。内容からいって単純に比較はできないにしろ、Ultra2SCSIカードでの「Adaptec vs Abaptek」の本格的な戦いは、こうしたHDDが出た後での話になりそうだ。
[撮影:DCR-PC7+DVBK-W2000とDC-2E 協力:ぷらっとホームとピーシーアドバンスド]